見出し画像

肺腺がんになった(5:告知)

2023年12月7日 午前中で仕事を早退し病院へ
造影剤を使用したCT撮影のため、お昼は抜きだ。

今回の造影剤の使用は、喘息持ち患者に呼吸困難のリスクがあると同意書に記載があったので、とても怖かった。検査技師から撮影時は医師が近くに付いているので安心するよう言われた。

目を閉じて準備を待っていると、主治医の声がした。

「近くにいますから、頑張ってください」

安心した。ハイと答えるとドアが閉じる音がする。

「これからお薬が入って、熱く感じます」
「苦しかったり何かあれば、すぐ言ってください」

マイク越しにアナウンスが響くと、点滴の針が熱く感じた。緊張で鼓動が早くなる。

無事に撮影が終わり、結果が診察室の主治医に届くまで、待合室で待つよう言われた。
夫が病院に到着して少し経つと診察室に呼ばれた。

「検査の結果、右肺中葉の肺腺がんでした」
「現在、下葉との境目まで達しています」
「お若いので早めに切除した方がいいです」
「12月はいっぱいなので年明けに手術しましょう」

「ちなみに乳がん検診は受けていますか」

11月の検診で、かかりつけ医での検診を勧められキャンセルたので今年は受けていないと伝えると、画像に映る右胸のしこりをマウスで示した。

「これは早々に調べてもらっておいてください」

「それと」

「がんには見えませんが、お腹も検査しましょう」

12日に腹部エコー検査をして、手術日程を検討する約束をして帰宅した。

がんの診断がつくと転移の有無の検査に切り替わる。夫も私も早期発見で良かったと繰り返す他なかった。1人だったらおかしくなりそうだった。

遠方に住む母に電話をした。父が亡くなった肺がんとは違うことや、手術が必要だが状態は早期だと思われること、まだ少し検査が残っていることを伝えた。

夜、妹から翌週か次の週に母と2人で会いに行くと、連絡があった。

今は元気にしているが、妹は過去くも膜下出血で倒れたことがある。出勤前に母から連絡を受けた時の衝撃、すぐに空港へ向かい泣きながら飛行機に乗った日を思い出した。

同じ恐怖を感じさせていると思ったら胸が痛んだ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?