一つの場所にとどまる俺は根性があるのか、変化を恐れているだけか

俺は新卒で入社した企業に三年半勤めて辞めたんだが、辞めた今となっては三年半もおらずにもっと早く辞めておけば良かったなと感じている。

仕事をあんまり早く辞めすぎると転職活動においては不利になる。こいつを採用してもまたすぐに辞める人間なんじゃないかと思われてしまうからだ。

だからある程度の期間一つの職場で働き続けることは、転職のことを考えた時には正解ではある。どんな仕事も三年は続けた方が良いなんて話も聞く。

前の職場を辞めたいなと思いつつ三年半勤務し続けた俺は、数日とか数ヶ月で仕事を辞めてしまう人間よりかは、根性のある人間とも言えるかもしれない。

ただ実際のところは次の仕事が決まっていないまま辞めてしまうことが怖くて、辞める勇気がなかっただけだ。

次の仕事を見つけないまま辞めたら、人は無職になる。そして無職になってからも次の仕事を見つけられなかった場合、死ぬまで無職かフリーターだ。

その恐怖があったから、俺は「この仕事つまらないし向いてなくて辛いし給料も低いし辞めたいなぁ」と思いつつ、結局三年半も勤めてしまったのだ。

話は変わるが、俺は中学生の頃、バスケ部に所属していた。

俺は下手くそで万年補欠だったから、途中からはその部活を辞めたくてしょうがなかった。レギュラーどころかベンチにすら入れないのにキツい練習をする意味がない。更に練習が辛いだけでなく、下手くそだから後輩にまで舐められる。俺にとってその部活を続ける意味はなかった。

だが、学年には俺と同じバスケ部に入ってる生徒が大勢いた。俺は部活を辞めた時にそいつらと気まずくなることを恐れて、結局引退まで部活を辞めなかった。

この運動部を3年間続けたという話も、より上手くなりたいとかレギュラーを獲りたいみたいな前向きな気持ちで続けていた訳ではなく、結局辞めた後のことが怖いから辞められなかったというだけの話だ。

三年以上続いた仕事も三年間辞めなかった部活も、俺に根性があったから続けられた訳じゃなく、俺がただ変化を恐れる臆病な人間だったというだけなのだ。

俺はもしも中学生の頃をやり直せるなら、カースト上位イキリだらけのバスケ部を速攻辞めてオタクだらけだったソフトテニス部に転部する。新卒の頃に戻れるなら、半年で会社を辞めてフリーターになる。

もし今、会社を辞めようかなとか部活を辞めようかなと悩んでいる人がいたら速攻でやめてください。そんな気持ちでダラダラと長く続けても意味がないです。

終