【冬の中村先生小話詰め合わせ】

※二次創作
※中村先生夢(夢?)
※会話劇のみ


・実家教室の発表会(くるみ割り人形、その他より抜粋)にドロッセルマイヤー役としてちょろっとゲスト出演した中村先生、帰宅中か帰宅後
「ねえすごいよかったんですけど……」
「よかった」
「でも言って……? ちゃんと言っといて? じゃないとあんなの心の準備が……」
「ええ……」
「いや無理でしょ。大丈夫なのあれ? 公然わいせつでしょっぴかれない?」
「存在が卑猥みたいに言うな」
「いや本当に! イモムシのときも言ったけど、周り子どもたちしかいないのによくないと思いましたよ私は!」
「確かに今回かなり怪しげな演出のドロッセルマイヤーだったけど」
「なにあの表情! 指遣い! 動きかた、っていうか全部!」
「だから存在が卑猥みたいに言うな」
「あの衣装もメイクもかっこよすぎでしょ。なにあれ、まるっきりマッドハッターのジョニデだよ。中村さんただのジョニデだったよ。ねえもっかい着てくれません?」
「ああ、あっち置いてきた」
「ぴえん……。じゃあ指遣いだけ! やってくれません?」
「こうか……?」
「ひええええええ」
「なんなんだ」
「逮捕! 逮捕ー!」
「うわっっ」

・デート中クリスマスマーケットに立ち寄る中村先生
「わーーすごい。かわいいものたくさん売ってるね」
「向こういるときはたまに覗いてたな」
「あーあっちだと大々的にやってそうだもんね」
「しかも結構色んなとこでやってるからさ、通りがかったら寒さしのぎにグリューワイン買って飲みながら帰ってたな」
「グリューワイン! 飲んでみたい! ここにもあるかな?」
「クリスマスマーケットなら大抵あるんじゃないか? ああ、ほらあっち」
「本当だ。並ぼ並ぼ」

「ふい~。寒いけどこれ飲むためと思ったら並ぶのも耐えられるね」
「持ってるだけであったかいな」
「では早速」
「うむ」
「はーーあったか~~い! おいし~~!」
「よかった。うん、うまいな。これ」
「本場と比べてどうです?」
「そんな変わらないんじゃないかな。というかそもそもレシピは土地によって色々だからな」
「そうなんだ。じゃあ好みに合わせてオリジナルで作っちゃってもおいしいかもね」
「やってみるか」
「前に山梨で買ったワイン、まだ残ってたよね。やりましょう! スパイスはどうせ中村さんちに色々あるでしょ」
「いや……はい。色々あります」
「ほかに入れたいもの買って帰ろう。果物なに入れます~?」

「わーふつふつしてきた……既においしそう」
「味見する?」
「しません。完成まで我慢です!」

「すごいいい匂いする……」
「味見する?」
「うーん……しません! ふう、なんかふわふわする」
「気化したアルコールだな。ちょっと顔赤いぞ」
「ずっとお鍋覗いてたから……」

「なんかだいぶ煮込んだけどこれいつ完成なんだろう……」
「味見する?」
「うぬぬぬ……味見、というかこんなもんでいいでしょう! 完成とする!」
「やったぜ」
「では早速」
「乾杯」
「乾杯」
「……。これは…」
「アルコール全部飛んじゃってる~~!!」
「煮込みすぎたな」
「うわ~やっちまった~!」
「だから味見しようって言ったのに」
「中村さんは早く飲みたかっただけでしょ! わーん」
「まあこれもうまいけどな」
「確かにうま~い! 甘くてスパイシーなただのぶどうジュースうまいよ~! わーん」
「今度またリベンジしよう、な?」
「リベンジするー! わーん」
「……飛んだアルコール成分、気体で全部摂取したんじゃないかもしかして」
「わーんうまーーーい」

・ウインタースポーツと中村先生
「中村さんてウインタースポーツは何かするの?」
「あー……小さいころ父親にスキーに連れてかれてたな」
「ああ、スキー流行ってたんですもんね。ボードはしたことあります?」
「ボードはないな」
「私もないんですよね。うっすら興味はあるんですけど」
「今度温泉旅行兼ねて行ってみるか」
「温泉!!! 雪山にはマストですね!!!」
「温泉メインになりそうな勢いだな。まあ二人とも滑れなくてすぐ降りてくるかもしれないしな」
「そのときは二人でソリで遊びましょう」
「その絵面大丈夫か」

・冬でもあたたか中村先生
「さむさむさむさむ」
「冷たっ。おい、急にもぐりこんでくるな」
「あーほかほか……末端が温まるぅ」
「際どいところをさするな」
「摩擦熱起こしてるだけですぅ」
「……」
「はあ、あったまった。これで動けるわ。お邪魔しました~」
「…………俺の体温だけが目当てなのか」
「えっ、なになになに~? 大丈夫、中村さんの筋肉もちゃんと大好きだよ!」
「俺の体だけが目当て……」
「わーうそうそ! ごめんね?」
「じゃあちゃんと責任取ってくれ」
「ひえええええ」

・中村先生とこたつ
「ああ……こたつを中心に一日を快適に過ごすための諸々が真円状に領域展開されている……」
「この家来るとここから動けないな……」
「中村さんち、こたつないですもんね……。まああのオシャレな家にこたつは似合わないか」
「でも寒いと結局こっち来がちになるからな」
「ふふふ……こたつはダイソンをもしのぐ吸引力の家電ですからね……」
「うちも導入検討するかなあ……」
「でも寒いとくっつく口実ができていいですよぉ……」
「zzz……」
「寝た……zzz……」

・岩盤浴デートの中村先生
「岩盤浴行きません?」
「がんばんよく…とはあの熱い石の上に寝るという」
「そうですw 男女分かれてるとこもあるけど一緒に入れるとこもあるんだよ。冬場ってあんま汗かかないし…あ、失礼。中村さんは春夏秋冬発汗体質でしたね」
「なんか引っかかるなその言いかた…。まあ今度行くか」
「いえーい」

「なんか色々部屋あるな。どれから入ればいいんだ?」
「んー中村さん初めてだし、とりあえず1番温度低い部屋から行きましょう。一旦15分くらい目安でいいです? しんどかったら私も出るし言ってね」
「了解」
「じゃあ入りまーす」

「ふーあったまったー。次はこの部屋で体冷やしまーす」
「おー」
「はー涼しーー。大丈夫でした? ちょっと汗かいたね、ってうわ!」
「……あんま見るなよ」
「えっと、1時間ぐらいあの部屋いました? 中村さんにだけは精神と時の部屋だった???」
「こうなるのわかってただろ」
「想像以上だったというか……。部屋出たらお水いっぱい飲んでね。しかし、うん……」
「あんまり見るなって……なにニヤついてんだ」
「いや、なんか、いっすね」
「サムズアップされても」
「汗したたってる中村さん、よいです」
「どうも……?」
「しかもよく考えたらいま中村さんノーパンでしょ」
「それはそっちもだろ」
「まあそうなんだけど……げへへへ」
「じろじろ見るなってば!」
「そんなポーズで隠しても無駄無駄ァ! 私の心眼ではしっかり視えてるもんね!!」
「いやあああ」

・中村先生のクリスマスプレゼント
「今年のクリスマスどうする?」
「んー、去年はお外でディナーだったし今年はおうちクリスマスでもいいんじゃないかなー。いや、去年のもすごく楽しかったんだけど! 毎年気張ってやらないとってなっちゃうと二人とも疲れそうじゃないですか。今年はゆるくやりましょうよ」
「なるほどね、わかった。ありがとう」
「その代わり! 去年は予算3000円だったクリスマスプレゼントを今年は5000円にアップでどうですか?」
「あんま変わってないような……去年も言ったけど、いい大人だし俺のほうはもっと高くてもいいぞ?」
「いやいやいや! 限られた予算のなかであれこれ試行錯誤するのがいいんじゃないですか! 去年も難しかったでしょ?」
「めちゃくちゃ悩んだ」
「それが楽しいのよ〜」
「そんなもんか」
「私が中村さんのために悩んでる時間も中村さんが私のために悩んでる時間もプライスレス」
「ガンバリマス」

「ファミチキうめぇ(^q^)」
「おい、もうすぐ本チャンのチキン焼けるぞ。食べすぎるなよ」
「あーい(^q^)」
「あともうすぐパイシチューも焼き上がるから」
「料理上手な彼氏おいしいですぅぅぅぅ(^q^)」

「さてさて、ではプレゼント交換と参りましょうか!」
「なんか緊張するな」
「私のはこちらです! じゃーん」
「おおおウニいくら丼セット! なんか冷凍庫に入れてると思ったら」
「いやあ一か八かだったんで中村さんちの冷凍庫がすいててよかったw」
「よくわからんとこで賭けに出るなよ」
「まあ5000円じゃこの量だし入らなかったらすぐ食べちゃえばいいかなって。去年は買えなかったけど今年の予算ならギリいけたので正直あんまり悩みませんでしたね」
「……俺のはこれなんだけど……」
「これは…? なにやら手のひらサイズの…」
「充電式のカイロなんだけど」
「へー!」
「いつも指先冷たいし、カイロもよく使うって言ってたから」
「こんなのあるんだねえ。ありがとう!」
「こんなんで大丈夫だったかな……」
「いやいやいや! 嬉しいよ。ふふふふ……なんかちょっとこう無骨な感じというか小洒落てないとこが中村さんらしくて実にグッドです」
「褒めてないだろ」
「いや褒めてるんだってー!」
「本当はさあ、あの買い物でたまに寄る石鹸屋あるだろ、遠くからでも匂いでわかる」
「あー、ラッシュ」
「あそこのスパ体験とかいいかなって思ったんだけどちょっと予算足りなくてさ」
「えええええなにそれめちゃおしゃれ……! 中村さんそんなイケメンなプレゼントもできるの……!?」
「せっかくだから別の機会に、もう少しいいコースも選べるやつで贈らせてくれよ」
「次回のプレゼント予告!! めっちゃ行きたいです! というより中村さんからそれを贈られたい!! うわーめっちゃ楽しみ!」
「明らかにカイロより喜んでるだろ。やっぱ予算上限なしにしたほうが」
「それはそれ、これはこれ! カイロも大事にしますよ」
「ありがとな」
「ふふふふふ、いやあいいクリスマスですなあ」

・クリスマス業務を終えた中村先生
「サンタさんお疲れさまー」
「ありがとう。いやああの歳になるとさすがに俺だってバレバレだわ。もっと小さい頃はそりゃー喜んでくれて可愛かったんだけどなー。そろそろサンタ業引退だな」
「これからはただのプレゼント贈りおじさんだね」
「今とあんまり変わらんな」
「確かに。この前のあっちのくるみ割り人形のときも子どもたちにお菓子配りおじさんだったよね、あの格好のままでww」
「幼児クラスの子にちょっと泣かれて困った」
「それはしょうがないw 生川のほうでもサンタさんするの?」
「まあクリスマスも普通にレッスンあるしな。なんかお菓子でも買ってくかな」
「カロリー低い…グミとか…?」
「いやさすがにコンクール前ってわけじゃないしそこまで節制させないよw」
「でも団のほうのくるみ公演出させてもらえる生徒さんもいるんでしょ?」
「団の公演の練習はギンヤさんに任せてるからなあ。逆に普段のレッスンと公演のリハで倍動いてるからあいつらカロリー欲してるかもな」
「クリスマスする時間もなくて大変だねえ」
「まあ子どもらしいクリスマスはできないかもしれないけど……ツアーで地方も連れてってもらえるんだから貴重な経験だよ。あいつらそれをプレゼントと思ってるフシがあるな」
「出演権がプレゼントかあ…バレエダンサーって本当……」
「うん?」
「……中村さんはさ、子どもの頃できなかったぶんのクリスマスをこれから毎年めいっぱい満喫しようね」
「楽しみだな」

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