【鳥山明と中村先生】

※二次創作
※中村先生夢(夢主の名前の登場なし)


「…………」
「…………鳥山先生、亡くなっちゃったね」
「…………ん」
「やっぱり好きだった? 世代だもんね」
「……世代だけど、リアルタイムで作品に触れたことはなかったよ」
「そっか」
「ジャンプも読みたかったしドラクエもすげえやりたかったけど、できなかった」
「うん」
「でも、そんな俺でも知ってたんだよ」
「うん」
「悟空がどんなに強くてかっこいいか、ドラクエがどんなに面白いかは知ってて、友達から漏れ聞くたびに喉から手が出そうなほど憧れてた」
「うん」
「鳥山明作品っていうのは俺が子供のころ渇望した世界の象徴なんだよ」
「うん」
「大人になってから自分の意思で手にすることはできるようになったけど……」
「……子供のころに触れるのとはまた違うもんね」
「そうなんだよなあ」
「わたしも連載、リアルタイムで追ってみたかったなあ」

「「はあ…………」」

「……でもさ、わたしたち含む多くの人間には遺伝子レベルで鳥山明イズムが刻まれちゃってるからさ」
「ああ」
「絵を描く人も、そうでない人でも、鳥山先生を継承してるよ」
「たくさん作品残してくれたしな」
「そう、それでまた次の世代でもDNA書き換えられちゃう人が出てくるの」
「ひとつの時代の終わりだと思ってたけど……」
「終わりじゃなくて、継承なの。遺伝子が途切れない限りはずっと鳥山時代とも言える」
「鳥山以前、鳥山以後みたいな話か? まあ既に世の中鳥山先生の影響受けたもので溢れてるしな」
「そう。寂しくはあるけど、わたしたちはたくさんの鳥山遺伝子に囲まれて生活してるよ」
「受け継いでいきたいよなあ」
「手始めにドラゴンボールバレエとかどう?」
「うーーーーん……?」

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