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Cisco Packet Tracer 不具合・バグまとめ

こんにちは、クラスアクト広報担当です。
弊社では、新人のネットワーク研修にCisco Packet Tracerを使っています。
新人は与えられた課題に沿ったネットワークを構築し、インフラエンジニアとして必要な技術を学んでいきます。

このCisco Packet Tracerは、非常に便利なシミュレーターソフトで、
無料で気軽にネットワーク環境を構築することが可能なのですが、バグや不具合も存在します。弊社では、研修中に「うまくいかない」と新人が気づいたことを、ノウハウとして書き出し保管しています。

そんなノウハウ表を、Cisco Packet Tracerで学習されている皆様のお役に立てればと思い、公開いたします。修正されている不具合や、そもそも不具合ではないというご教示、またその他のバグなどがあればぜひ教えてください。

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1.「speed/duplexの表記がおかしくなる」
”show interfaces <IF名>”コマンドのspeed/duplex表記が想定と異なることがあります。
例)configタグで見るとauto/auto設定になっているが、CLIタグで”show interfaces <IF名>”コマンド結果を見るとfull/100になっている。

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→”speed 100”、”duplex full”のコマンドを入れるとconfigタグ上の設定は変わります。ですがCLIタグ上の表記はFull/100のままです。
このような場合、show interfaces <IF名>も併用して、speed/duplexの設定が適切であるか併せて確認しました。

2.「”show logging”の結果がほぼ出力されない」
本来出力されるはずのlink up/downなどが表示されないことがあります。

スクリーンショット 2021-10-03 16.37.24

→パケットトレーサーの仕様のため、クラスアクトの研修ではshowコマンドによる状態確認で問題無いと考えています。
また、ターミナル画面のメッセージ出力や、Cisco Packet Tracerのsyslogサーバ機能による確認も可能です。

3.「NTPサーバと同期がとれない」
NTPサーバと同期する機器の”show ntp association”の結果に*(アスタリスク)がつかない=同期ができないことが多いです。

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→クラスアクトでは、以下の手順を推奨しています。
①NTPサーバの時刻と、同期できない機器の時刻を ほぼ同じにする。
※”clock set”コマンドを使用
②パケットトレーサーを再起動する。
③時間を置いてみる。※パケットトレーサーの機能で、時間を早送りできる →画面左下の「PLAY CONTROLS」で早送りボタン(▶︎l)を何度か押す。

4.「PCにスタティックルートが設定できない」
本来はPCのコマンドプロンプトにて、”route add”コマンドでスタティックルートを設定できますが、パケットトレーサーではサポートしていないようです。

スクリーンショット 2021-10-16 16.14.58

→クラスアクトでは、PCの代わりにルータを用意し、IPアドレスとスタティックルート・デフォルトルートを設定するようにしています。

5.「ter len 0コマンドが入らない」

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コマンドの表示を--More--なしで表示するための必須コマンド”ter len 0”ですが、パケットトレーサーではサポートしていないようです。

6.「HSRPを設定して抜線障害を起こして経路切り替えを見る際、経路が切り替わらない。
抜線後に”show standby brief”でステータスを見たとき、想定する切り替え後の経路がinitのままになっていることがあります。

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→障害を起こすためL3SW#1とL2SW#3を繋ぐケーブルを抜線した段階で一度SAVEし、そのデータをパケットトレーサーで開きなおすとステータス上で経路が切り替わっています。
(改善しなければ、数回早送りしてから”show standby brief”を試してください)

7.「Trackで経路が切り替わらない。」
2台のL3SWにVLANを作り、正確にTrackの設定を行い経路が切り替わるように通信障害を起こすと、アクティブ側VLANのプライオリティは10下がるがアクティブ/スタンバイどちらもアクティブになります。

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→パケットトレーサーのバグと思われます。ちなみに障害を起こすためL3SW#1とL2SW#3を繋ぐケーブルを抜線した段階でL3SW#1をreloadすると、Trackは正常な挙動を行います。

8.「iBGPの設定ができない」

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業務でBGPを使うことが多いため、eBGPとiBGPの学習をすべくパケットトレーサーで両方の設定を入れて動きを見ようとしたのですが、eBGPの設定は入るもののiBGPの設定は入りませんでした。
ただこれはパケットトレーサー上で表記が出る通り「iBGPの設定はサポートしていない」とのことです。

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以上となります。お役に立ちましたでしょうか?
これからも、パケットトレーサーのバグや不具合を見つけた際は、追記していくつもりです。引き続き、ともに学習していきましょう!


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”ここで働く人が自分らしい幸せを感じられること”

これこそが、クラスアクトが目指す会社のあり方です。
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