ゴミ屋敷にしないために
雪の季節が来る前に家の外回りを片付けようと先週から田舎に帰っています。夏には庭の雑草を相手に苦戦しましたが、今回は物置や庭の隅に集積されている不用品が相手です。
まずは庭に放置されている植木鉢やプランターです。素焼きの植木鉢の中に残っている土を捨てると、中から大きななめくじが出てきたり、蜂の巣が作られていたりしてギョッとすることも度々です。ヒビが入っているものや汚れがひどいものは割って雨樋の下に敷いたり、不燃物用の袋に詰めたりして、まだ使えるものは10個ずつ重ねて紐で縛りました。
プラスチックのプランターは劣化が激しく、持ち上げるとバキッと割れたりボロボロ崩れたりして始末に負えません。「こんなもの、なんでとって置いたんだよ、全く世話が焼けるなあ」などと悪態をつきながら、長靴の裏で踏みつけてバラバラにしたのですが、劣化が中途半端なものはしぶとくて壊れにくく、小さくなりません。そのままでは嵩張るばかりなので万能バサミで切り分け、小さくして不燃物袋に詰めました。やっと片付いたと思いきや縁の下にもプランターが。結局、1時間以上かかってしまいました。
次は物置です。引き違いのドアが歪んでなかなか開きません。やっとこじ開けて目に入ったものは気が遠くなりそうなガラクタの集合でした。古新聞や古雑誌、使い掛けの塗料の缶、園芸用肥料の空袋、壊れた扇風機に電気炬燵、張り替えた網戸の残り、カーペット、水道ホースに壊れた蛇口、まだまだあります。テレビを載せる台、ノコギリ、ハンマー、大きなバール、自転車用空気ポンプ、七輪、鍋にヤカン、出て来る出て来る我が家の歴史遺産が。空けてびっくり玉手箱です。よくもまあ、これだけ詰め込んだものだと感心するばかりでした。
さあ、このガラクタをどう始末しようか。考えただけでも気力が萎えそうな量です。それでもなんとかしなくてはと気を取り直して、とりあえず金属・不燃物、プラスチック、可燃ごみ等に分類しました。大きなものは粗大ゴミで出せばいいのですが、手続きが面倒なので分解して小さくすることにして、今日はコタツとテレビ台を解体しました。
格闘すること3時間、陽が翳ってきたので外での作業を終わりにしました。まだ、何日もかかりそうな気配です。
家の中や外に不用品(本人は有用な資源というけれど)を積み重ね、「ゴミ屋敷」と呼ばれて迷惑扱いされる家屋の話をよく見聞きします。ゴミ屋敷になるきっかけはいろいろあるでしょう。住人が高齢化して不燃物や粗大ゴミを片付けることができなくなり、不本意ながら屋内や敷地内に貯めておくしかなくなったらゴミ屋敷にならざるを得ないでしょう。我が家とて今は私が片付けられますが、いつまでもできるわけではありません。明日は我が身と思うと他人事ではありません。
住宅・土地統計調査によると平成30年の全国の空き家数はおよそ848万9000戸だそうです。空き家やゴミ屋敷の増加はこれからも続くことでしょう。社会の衰退を象徴するような寂しい数字です。(イデちゃん)