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御杖不動の瀧(晩秋)
【記録◆2022年11月14日②】
神末川へ向かって流れていく沢に沿って上流へ向かうと、疲れる前に、
「御杖不動の瀧」が見えました。
瀧への行き方を調べて、車を止めた所から少し歩かなくてはならない、と知ったとき、いまの時点でどれくらい歩けるか近所で試してみたのですが、両脚に障害があると平坦な道のほうが疲れます。
曽爾村の「済浄坊の瀧」へ行った日に、
『山奥の道では、ひと足ごとがその前の一歩とは違う』と書きました。
「同じ筋肉を使い続けなくて済む」というほうが進み続けられるのです。
ただ歩くだけではなく行きたい所へ向かうときには、向こうからも手繰り寄せられているかのように感じます。
12個の装具を着けて踊る時にも、体重はほとんど足にかかっていません。それは天へ向かうのです。あるいは、行きたい方向へ。ですから、つま先をほんの少し床に着けているだけです。
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行きたい所へ行くだけなら……瀧の写真や動画を撮ろうとしなかったら、限られた体力を引き延ばすようにして長く使えたかもしれません。
けれども、地面に踵を着けて立ち続けたことを、しなければよかったとはおもわないのです。それが命の終わりへ向かう流れを加速させても。
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遠くから眺めているだけではなく、瀧へ近づいていくことも、しなければよかったとはおもわないのです。次は行けないかもしれないし、ここにさえ来られないかもしれないので。
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杖先で地面を探りながら、次の一歩をどこに置くか決めます。
安全に進めるよう段差を見極めて、遠回りするときもあります。
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赤い橋が登山道です。
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瀧の右に上へ向かう道があるので、いったん引き返して橋を渡りました。
右岸の倒木が緑龍の胴体のようだとおもっていたけれど、左岸の根っこも緑龍の頭部みたいに見えます。
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瀧の上部へ続く道は細いのに、水が流れている所もあったため、一歩ずつ慎重に進んでいきました。この細い坂道には、手すりも柵もありません。
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ここには不動明王が祀られていましたので、ご挨拶をしてから、「写真を撮らせてください」と伝えました。
祀られている神さまにお願い事はしないのですが、『人々の願いを叶えてくれるといわれています』と案内板に書かれていたので、今回のみ、
「できれば身体が良くなりますように」
「大切なひとたちを守ってくださいますように」とお願いしました。
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カメラ越しだと平気なのに、自分の目で見ると気が遠くなりそうでした。
柵はありません。ぎりぎりの所に立っています。
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