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舞台「廣島物語2024」

沖なつ芽さん御出演※A班
舞台「廣島物語2024」
2024.2/21~2/25 渋谷伝承ホール

今回も文字数を気にしなくていいnoteに感想を残してみようかなと思います笑

久しぶりの劇場で見られた沖さんの舞台ー。
無事全公演を終えて感じたことを想いをつらつらと書き綴っていきたいなと思います。拙い文章になりますが、最後まで読んでいただけたら幸いです。

こういう形でイラスト描いたのは初めてでした。(この衣装の時は髪型ストレートでしたけど笑)

舞台のお知らせから公演当日まで

 2024年の観劇初めは絶対沖さんの舞台にするんだと決めていました。「いつくらいになるかなあ…」なんて思っていたら1月13日に沖さんから舞台のお知らせのポストが投稿されました。
本当に心の底から嬉しかったですねー。今年は年が明けて早々人気ドラマの「相棒」にも御出演なされていて立て続けの嬉しいお知らせでした。

 推しの舞台があると楽しみなのがお稽古期間の投稿ですよね。毎日がハッピーでした。ハッピーすぎて大量にクラリス描いてしまいましたし笑
 絵を描きたい一つの理由としては推しの情報を拡散するにあたって多くの方に見てもらえる確率が少しでも上がるようというのがあります。
 出来る事が無いに等しいのは自分が一番よくわかっているので0.1でも0.01でも何かできたらなという思いです。もちろんクラリス描いてるのが楽しいのが大前提ですけどね笑

 今回は公演グッズがほとんどなかったけれど、そういうのを待つのも楽しみの一つですよね。
 一つのお知らせで本当にたくさん楽しませていただきました。

たくさん描いた告知頑張るクラリス達笑

舞台「廣島物語」を観劇をして感じたこと

 2/21観劇当日あまりに久しぶりすぎて何故か楽しみとドキドキと共に凄い緊張してしまいました。(観るだけなのに笑)
今回の舞台は題材が題材だけにどんな感じになるのかきっと重い重いお話だろうか…とかいろいろ考えながら…幕が上がります。

 物語は一幕(終戦前)二幕(終戦後)として進んでいきました。
 終戦前の廣島には戦時戦況の悪化とともに生活は困窮していきはすれど、確かに今と変わらない「家族の姿」が描かれていました。
 友人がいて愛する家族がいて愛する人がいてみんな大切な人を守るために生きていました。それが一瞬で奪われます。
 カチッ…カチッ…と時計の進む音…次の瞬間眩しい光とともに全てが失われていきました…
 そして惨状と絶望と共に終戦を迎えます。そして二幕へ
 子供を失った者、子と孫を失った者、家族を失った者…その残酷な現実が生き残った人達の心を深い傷を残します。
 それでもここから廣島は前を向いて進んだんですね。もちろん今があるわけで当然なんですがそれは何故なのかを、あの時廣島に住んでいた人達を、この舞台に立っていた素晴らしい役者の方達をとおして見る事そして知る事ができました。
 僕が心に残ったシーンがあります。米兵と史子さん(沖さん)の対話のシーンです。英語だったのですが台本を読むと和訳が書いてありました。米兵がこう言います。「…この惨劇を世界に伝える為に、調査をすることにー二度と核兵器を使わせないた為にー世界にわからせる為に…その為に被害者の協力がどうしても必要なんだ。」その言葉を聞いた史子さんは自分達をこんな風にしたアメリカへの怒り憎しみ悔しさで目に溢れんばかりの涙を浮かべ、唇を噛みしめ、血が出るんじゃないかと思うくらい握り締めた手…それを解いて今後自分達のような犠牲を出さない為ならばと協力するんです。
 廣島の景色は変わってしまった…でもそこに住んでいた人達の気持ちはきっと変わらなかったんだと思います。それは愛する人の為に、大切な人を守る為に生きるという事なんじゃないかと。
 このような惨劇が二度と起こらないように戦争の愚かさは伝えていかなければいかない…しかし防げる人災だけでなく防ぐことのできない天災もあります。そんな時でもいつだって前を向く力になるのは人が人を想う力なんだということもまた伝わっていってほしい、伝えていってほしい事なんじゃないかとこの舞台を観て僕はそう思いました。

個人的に好きなシーン

① ラストの家族写真

 僕はここが一番好きです。好きすぎて初日にこのシーンで史子さん(沖さん)が履いていたスカートの柄にちなんだお花を千秋楽にお渡ししようと決めたくらい大好きです。
 史子さんは原爆で生き残るのですが投下された場所にいた為に顔と腕に大きな火傷を負ってしまいます。そのせいで他人からは気味悪がられ、近所の子供からは「赤鬼」と呼ばれたり、仕事を探そうにも「ピカは要らん」と…つらい現実を突きつけられます。
 それでも義理のお姉さんに幸せになって欲しいと新しい道に進む後押しをしたり、お兄さんの幼馴染の武雄さんのお見合いを後押ししたり、こんな悲劇が二度と起こらないようにと原爆の被害者として協力する決意をしたり…心の美しさは消して無くなることはない人でした。(僕にはずっと外見も内面も美しい人に見えていました。)
 そんな史子さんには戦地に行く前に結婚してくれと頼まれていた晃一くんがいました。戦地から無事戻った彼は史子さんに会いに行きますが顔の火傷を見て戦友の事を思い出しパニックになり逃げだしてしまいます。それから少し時間はかかりましたが、誤解も解けて二人は結ばれるんですね。そして子供が生まれました。
 きっと史子さんは「自分はもう幸せになれないけど、まだ幸せになる事の出来る人には幸せになってほしい…」と思えるほどの思い遣りと優しさを持ってる人だったんのでしょう。そんな史子さんをちゃんと愛してくれる人がいて…子供まで生まれて…嬉しかったですねー。
 そして家族写真へ…この時の史子さんの笑顔はなによりも尊かったです。
 綺麗だったなあ…。このシーンが…赤ちゃんに微笑む史子さんの笑顔が…そしてその奥に見える沖さんの笑顔が僕は大好きでした。

お花(史子さんと晃一くんのお子さんの名前「明子ちゃん」にちなんで明るいイメージに)

② 晃一くんから史子さんへのプロポーズのシーン

 このシーンも好きです。観客に史子さんに大浦家にそして廣島に…笑顔が戻ってきたこのシーンが大好きです。
 先に書いたように戦地に赴く前に結婚の約束をした晃一くんと史子さん。
 晃一くんは戦争が終わり無事帰ってきます。しかし史子さんは原爆の犠牲に…顔と腕と心に酷い傷が残ってしまいます。史子さんの火傷と戦地で戦死した戦友を重ねてしまい一度は逃げ出してしまう晃一くん。それでも史子さんは晃一くんを責めはしません。「仕方ないよね」という思いだったのでしょう。それからもう一度本を返しにくるがもう一言が伝えられない晃一くん。それから少したって…
 意を決してもう一度史子さんに会いに来た晃一くん。史子さんが負った火傷が治せるかも知れないと伝えにきました。しかしそんなお金なんて持っていない史子さん…そんな史子さんに「わしが出す!」と晃一くんが言います。もうこの瞬間「待ってました!」という感じで「信じてました晃一くん」って感じでしたね。きっとこの瞬間から止まってしまっていた二人の時間が動きだしたんですよね、うんうん…。
 ここからプロポーズ成功までの流れは割愛しますけど、晃一くんの実直な愛に史子さんがどれほど救われたか…嬉しかったか…晃一くんに抱き締められ少し驚きながらもそっと抱き締め返した手とあの笑顔が全てを物語っていたと思います。
 それはとてもとても美しく尊いものでした。めっちゃ好きや笑

③ 戦地からの手紙を読む史子さん

 赤紙が届いたことにより戦地に行く事になった晃一くん。戦地に赴く前に史子さんに会いにきます。憎まれ口を叩きながらも友達でいた二人の関係に変化が訪れます。本を貸して欲しいと史子さんに頼む晃一くん。「あんたが本!?」という史子さんに「赤紙がきた」と伝える晃一くん。家から本を持ってきて渡す史子さん。「帰ってきたら返しんしゃいよ」と伝える史子さんに晃一くんはこう返します。「帰ってきたらわしと結婚してくれ」
 きっと生きて帰ってこれんから嘘でもうんと言ってくれという晃一くんに、うんと頷き「生きて帰ってきんさいよ!待ってるけんね…」と史子さんは伝えます。こんな切ない告白シーンがきっと当時の日本ではそこかしこであったんじゃないかと思うと胸が苦しいですね。
 そうして戦地から史子さんに晃一くんからの手紙が届きます。
 それを読んでいる時の史子さんの表情がとても好きでした。スポットライトに照らされた史子さんの表情は恋する乙女という感じでとてもキラキラしていました。…尊すぎました。

 もうほぼ好きなシーンなんですけどね。銭湯帰りの千恵ちゃんと史子さんの会話。英語の素晴らしさそして自分の夢を妹の愛子さんに語る史子さん。一人戦地に向かう晃一くんに何も言えずで、も無事を祈ってお辞儀で見送る史子さん。沖さんが史子さんだったから印象に残っているというのもありますが、この史子さんの人生はこの物語において伝わって欲しい思いの一つだったんじゃないかと思っています。そして晃一くんと史子さんの関係は戦前戦後で変わる事のなかった大切なものの象徴だったんじゃないかなと思っています。誰かが誰かを想うこと・想われることはどんな時でも前を向ける力に、道を切り開く力になるんじゃないかと教えてもらった気がします。

♡たくさん笑

大浦史子役 沖なつ芽さん

 最高でした。久しぶりに劇場の舞台に立つ沖さんを拝見しましたが、やっぱりこの人が一番です。今回の舞台は特に題材が題材なだけに笑いどころはあれど「笑っていいいのかな…?」と考えてしまいましたし、明るいとは言い難いものでした。派手な殺陣や演出はもちろん華やかな歌やダンスがあるわけでもなく…だからこそ役者さんの実力がなにより大切な舞台だなと感じました。
 夢があって目標があって愛する家族が友達がいて恋が芽生えて…それが一瞬で全て無くなって顔・腕そして心に大きな傷を負って怒り悲しみ絶望に暮れて…それでもお姉さんのことを想って家族を想ってこの先を生きる人達、子供達を想って…そんな大きな優しさと思い遣りがあって…そしてそんな史子さんを想ってくれて必要だと言ってくれて受け止めて愛してくれる人が変わらずにそこに居てくれて…沖さんが史子さんで史子さんが沖さんで心から良かったなと思います。
 喜怒哀楽を表情・視線・手先・指先・動き・仕草・声のトーンや声量など魅せられる部分全てを使ってその役の、人物の心の内から完璧に表現をされている沖さんは今回も素晴らしかったです。ますますファンになりました。
 初めて行った舞台で観た劇中の沖さんの涙に惹かれてファンになって…素敵な所は山ほどあるけれど、舞台の上のこの人がお芝居をされている表現者としてのこの人がやっぱり好きなんだなあと改めてそう思いました。
 
 たぶん舞台や芸能の世界は運も必要だし実力だけでキャスティングされるような綺麗な世界ではないんだと思います。でもいろいろな舞台を観劇していると、この役者さんがいるだけで舞台の質・作品の質が一つ二つあがってるよなあ…ってそんな風に思える役者さんを見る機会があります。そして沖さんはそんな実力で示せる役者さんだし、きっとこの先さらに素晴らしい役者さんになっていく人だと思います。
 これから一つ一つ月日を重ねてより味のあるさらに素敵な役者さんにきっとなっていかれるんだろうなあと思うと楽しみです。
 そして少し寂しいけれど代表作からクラリスが消されてしまうくらいの人気作品の2.5次元舞台に御出演されたり、舞台の上で主演として躍動される沖さんが見られることを心から願っています。

たくさん書いてくださったメッセージ付き応援札大切に大切にします。

共演者の方々

 全員は語りきれないので抜粋して大浦家の方々と晃一くんと武雄さんについて少し。

父大浦佐吉役 サンタ郎さん

 座長であり大浦家の大黒柱でもありました。優し気で大らかな雰囲気が好きでした。つらい戦時中も戦後も顔をあげていつも前を向こうとする姿はさすが大黒柱という感じでした。(最後のキャラメルは完全に涙腺壊しにきたよね…笑)

母大浦チヨ役 五十嵐めぐみさん

 傷ついた子供の為に米兵にも臆することなく食って掛かっていく姿に母の強さを見ました。正一くんの二度目の徴兵や戦死の知らせのシーンはやるせなかったです。千人針から逃げ出したり、晃一くんのプロポーズのシーンなどのコミカルなシーンも印象的でした笑

妹大浦愛子役 白羽リナさん

 戦後あれだけ頑張っていたのは兄を亡くし姉を傷つけ姪を奪った戦争を二度と繰り返さない為ですよねきっと。あと兄を戦地に見送ったり、和子さんを見送った後必ずお母さんを支える姿は本当に家族思いの優しい子なんだなと思いました。(英語を学ぶ姉には少し厳しい笑)
 いつも沖さんと仲良しな投稿をしてくださってありがとうございました。いつもそれ見て可愛さにやられていました笑

兄大浦正一役 栃尾昌さん

 対照的な二人のうちの一人として描かれていたと思います。戦争と国への疑念を抱きながらも家族の為に戦地に赴く心の葛藤が、表情や仕草から伝わってきました。一度目の徴兵で辛い目にあっている方は戦時中もきっとこういう思いでいたんでしょうね。(少し辛い役どころでしたね)

正一の妻大浦和子役 佐倉凛音さん

 たぶん一番辛く悲しい役の方だったのかなと。娘を失い、夫を失い…
特に爆心地で千恵ちゃんを探すシーンはきつかったんじゃないかなと少し心配になるほどでした。EDでは再婚して新たに子供が生まれて新たな人生を歩む知らせがハガキで届いていました。あの時代こういう方も当然いらっしゃったんですよね。

正一・和子の娘大浦千恵役 樹さん

 いや本当素晴らしかったです。可愛らしくて無邪気で…だからこそこの戦争のもたらす悲惨さが…こんな何も知らない「キャラメル」すら初めて口にしたようなこんな子供が犠牲になるという残酷さがダイレクトに伝わってきました。戦争は愚かですよ本当に。お菓子こさえる人となった千恵ちゃん見たかったですよおぉぉ…

田辺晃一役 石見海人さん

 史子さんの目の前を明るく照らしてくれた人。「小学校の頃から好きじゃった~」っていうのを聞いたら二週目から晃一くんの台詞や表情の見え方が変わりますよね。登場するだけでフフッとなっていました。不器用だけど真っ直ぐな人でした。
 史子さんが沖さんで良かったと同時に晃一君は海人さんで本当に良かったです。

村上武雄役 玖巳凪さん

 対照的な二人のうちのもう一人。お国の為に戦地に行って戦う、勝つことが家族の為という思いの人。ただ一度目の徴兵時の配属先が正一さんとは少し違かったようで最前線に配属された方々とは感じ方が違うというのもリアルでしたね。この人の喜怒哀楽も迫力があって凄かった。凄すぎて思わず終演後の面会にいらっしゃったのでお声をかけさせて頂きました。
 告白のシーンのコミカルさも好きでしたねー。素晴らしかったです。

 抜粋させていただきましたがほんと皆さん素晴らしかったです。
 全員に「あい・らぶ・ゆー」ですね笑

初日伝承ホールにてクラリス

最後に

 今回は沖さんが御出演されているA班の4公演を観劇させていただきました。本当に良い舞台に出会えたなと思います。
 もちろん戦争の愚かさは伝え続けなければならない事であります。その事実をその時代その日その時を生きていた人達を役者さんをとおして見る事にとても意味があったと思います。数字や写真だけではわからない心情・心の部分を見せていただけたことに改めて感謝いたします。
 舞台は素晴らしきエンタメの一つだと思っていましたが、教材にも相応しい作品に初めて出会った気がしました。この作品を見る事でよりわかりやすくそしてより心に残るのではないかとそう思いました。でもそう思えたのは脚本・演出の素晴らしさと御主演されていた役者の方達の素晴らしさによるものだと思います。
 きっと世の中に素敵な役者さんがたくさんいて、素晴らしい作品がたくさんあって…でも全てに出会うことは出来ません。それでもその内のいくつかにはこれからも沖さんが巡り合わせてくださると思っています。
 推しが…沖さんがこのような舞台に御出演されたということが誇らしくもあります。素晴らしい幸せな四日間となりました。

キャラメルが食べたい時に食べられるそんな平和が続きますように。 

 沖さんへ

 今回も素晴らしい作品に出会わせてくれてありがとうございました。

 Haru

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