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初心者が塊根植物の実生に挑戦した30日間の記録 【パキポディウム・亀甲竜】

目次

前書き
Ⅰ.実生に挑戦したきっかけ
Ⅱ.育て方を調べる
Ⅲ.種子の購入
Ⅳ.種の下準備・土の準備・種まき
Ⅴ.30日間の観察
Ⅵ.30日間の温度変化・発芽数の推移
Ⅶ.実生についての考察
Ⅷ.おわりに

前書き

人気のある塊根植物の実生に、園芸を行ったことのない初心者が始めた備忘録です。

今回の記事を読んでいただき、これから同じように始めようと思っている初心者の方との情報共有や少しでもお役に立てればと思い執筆いたしました。

経験者の方には知識不足を感じる内容になると思います。

では、よろしくお願いします!

Ⅰ.実生に挑戦したきっかけ

前から憧れていた塊根植物、7月におしゃれな植物屋さんでパキポディウムを購入しました。

そこから調べていく中で、実生についてぼんやりと知り、興味を持つようになりました。

ただやってみようと思ったときには9月頃になっており、夏型のパキポディウムに実生を行うのは、気温が下がる前の方が良いと感じました。

そこで、善は急げで挑戦してみることとしました。

Ⅱ.育て方を調べる

パキポディウムを育成する中では2冊の本を購入しました。

NHK趣味の園芸 12ヵ月栽培ナビ NEO 多肉植物 コーデックス

BRUTUS特別編集 合本 新・珍奇植物

2冊とも知識として役立ちました。読んでてワクワクします!

実生についてはYoutube・instaguramを見ている中でその存在を知り、種は値段も手頃なので挑戦してみようと思いました。

Ⅲ.種子の購入

種子の購入は、インターネットで調べたところ様々なサイトがありますが、今回はサイトも見やすかったseed stock(https://seedstock.jp/)様で購入させて頂きました。


今回は育てたい品種というよりも、実生を行ってみたかったので、在庫を見ながらネットで検索し複数種を選択しました。

後述しますが、同様の育成環境でも発芽率に差が出てきておりいくつかの種を買って、同じ環境でも発芽率は違いがあるということが理解でき良かったのかなと初心者の自分は感じました。

購入した種子は以下の4つです。

・Pachypodium densifrorum var .densiflourum (以下:P.densifrourum)10個

・Pachepodium rosulatum ssp.cactipes(以下:P.cactipes) 10個

・Pacypodium rosulatum subsp. rosulatum(以下:P.rosulatum)10個

・Discorea elepahantipes(以下:亀甲竜 ※分かりやすさ優先でこちらにしました) 10個

※10個以上入っていたようでしたが、数えるのが億劫になってしまい。ちゃんと数えてないです。注文は10個でしたので今回は上記の数字としました。

Ⅲ.実生のやり方を調べる・道具を揃える

種子の購入後は、道具を揃えることとしました。

育成のために必要なものについてややり方は、

でけ|趣味で植物を育てている者(https://www.instagram.com/deke_plant/) 様の

でけ|趣味で植物を育てている者 on Instagram: "@deke_plant ←明日が待ち遠しくなる、楽しい植物の育成情報を発信! 次回の内容は、「種まきの土づくり」 発芽した後に、“枯れないため”の用土作り🪴 【水分もだけど、温度もすごく大事】 去年、冬に種まきをしてみたところ、 低温のせいか、発芽率がとても低く 成長速度もすごく遅かった… 種の様子見てても、 カビてダメになるってよりも 発芽しきれなくて、ダメになった後 カビが生えてくるって感じだった😅 種まきをするときは、 発芽の最適温度や、夏型か冬型かなど しっかりチェック! ちなみに、 夏型塊根20-35℃前後 アガベ15-35℃前後 ユーフォルビア20-35℃前後くらいでした🙌 【種の下準備について】 今回、使用したものの入手方法 ・種子(アデニウム) →メルカリで購入したけど、  seed stockというネットショップがおすすめ! ・殺菌剤(ベンレート) →グッデイで購入  ホームセンターの園芸コーナー、  除草剤などのコーナーに置いてある。 ・メネデール →ベンレートと同じ  お試しで買うくらいなら  100mlの小さいのでOK👍 「種まきに挑戦してみたいな!」 って方は、保存しておくと見直すのに便利🔖 #アガベ #実生 #多肉植物 #観葉植物 #アデニウム" でけ|趣味で植物を育てている者 shared a post on Instagram: "@deke_plant ←明日が www.instagram.com
でけ|趣味で植物を育てている者 on Instagram: "@deke_plant ←明日が待ち遠しくなる、楽しい植物の育成情報を発信! 【カビやすい種子の特徴】 ・割れている、欠けている種子 ・他と比べて、色が悪い種子 (薄過ぎる、濃過ぎるどちらも) 自分が実生してきた中では、 アガベが断トツでカビにくく、 ユーフォルビアや亀甲竜もカビにくかった💪 逆に、パキポディウムがすごくカビやすく、 フォッケアもけっこうカビ生えてた… カビの発生はいつも種からで、 土からカビが発生してるの 見たことないので、 種がダメになり栄養分が溶け出す ↓ 栄養分を餌にカビが生える って感じだと思う🤔 【発芽までの日数】 大体の種子で2-4日で発芽してきます! 1つか2つくらい、早めに出てきて、 次に日にはぽこぽこ発芽し始めてる。 亀甲竜だけは遅くて、 1週間から1ヶ月とかかかったりする🐢 はじめて撒く品種は、 自分でも不安で、インスタやTwitterで 何日で発芽したっていう、 報告情報探しまくってます。笑 発芽の目安が分かると、 けっこう不安が安らぐので覚えといてね! 「種まきに挑戦してみたいな!」 って方は、保存しておくと見直すのに便利🔖 種まきに関する質問などなど、 お待ちしてますので、コメントお気軽に! #アガベ #実生 #多肉植物 #観葉植物 #インテリアグリーン" でけ|趣味で植物を育てている者 shared a post on Instagram: "@deke_plant ←明日が www.instagram.com

を参考とさせてもらいました。

道具は近くの園芸店、amazon、100円ショップで揃えました。

道具の一覧載せておきます。

  • メネデール

  • ベントレー

  • 水差し(無印良品)

  • TANITAグラフ付きデジタル温度計

  • 赤玉土

  • 鹿沼土

  • バーミキュライト

  • 鉢底土

  • 鉢底ネット

  • プラスチック製プランター

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購入した商品達

Ⅳ.種の下準備・土の準備・種まき

種の下準備は水500mlに対して、ベントーレ半袋、メネデールキャップ半分を混ぜたものに常温で12時間つけておきました。

購入した袋の中に直接入れました。



土は上記instagramを参考に、赤玉土、鹿沼土を5:5にし表面をバーミキュライトにしました。

反省点としては、ふるいを手に入れられず赤玉土をそのまま使ったことです。土を入れた後に水をかけると大量の赤い土が出てきていたのでやはりふるいは必要だったかなと感じました。

種の下準備・土を鉢に入れてから、種をまきました。
反省点としては、ピンセットが手に入らず割り箸で植えたのですが種が割り箸についてしまい中々時間がかかりました。
ピンセットはあった方がいいなと思いました。

容器に土を入れ腰水管理にしました。

Ⅴ.30日間の観察
9月の初旬から10月初旬の関東地方です。
東側の窓際に設置しました。

・1日目(9月11日)
植え替え終了。種は全て覆土しました。

・4日目(9月14日)
P.rosulatumが発根、4本根が出てきている。

・5日目(9月15日)
P.rosulatumeが発芽、更に2本根が出てきている。

・7日目(9月22日)
P.rosulatumが発根、更に1本出てきている。
1週間で合計7個の種が発芽した。

また、P.densiflorumが発根、1本根が出てきている。

・12日目(9月22日)
P.densiflourumが発芽、1本根が出てきている。



・13日目(9月13日)
ついに亀甲竜が1個発芽。

・17日目(9月17日)
亀甲竜が、更に1本発芽。

・20日目(9月30日)
亀甲竜が、更に2本発芽。

・21日目(10月1日)
亀甲竜が、更に1本発芽。

・28日目(10月8日)
亀甲竜が、更に1本発芽。合計で6本発芽した。
その他のパキポディウムは発芽したものは成長しているが、新たな発芽はみられない。


・30日目
30日間の以下の発芽数となった。



Ⅵ.30日間の温度変化・発芽数の推移


以下は30日間の大まかな温度の推移と発芽数の推移です。

表1)30日間の平均温度

残暑も残る季節で、9月初旬だったため前半は平均温度は30℃ですが、後半から20度前半で推移しています。

表2)発芽数の推移

発芽数の日数には、バラツキがみられましたP.rosulatumは1週間以内に発芽し順調に数も増えていますが、その他は1つに留まっています。
亀甲竜は発芽までの日数を要していますが、発芽数自体は6つと多い傾向です。

Ⅶ.実生についての考察


今回の実生を行い、発芽率に差が出たことに疑問を感じました。

そこでgoogle scholarで「pachypodium」、「pachypodium seed germination」で検索しました。
その中でInternational Society for Horticultural Scienceから一つの文献を見つけました。

文献はSeed propagation of Pachypodium brevicauleで日本の方が書かれた文献です。

英語の文献だったため、DeepLで翻訳したものを斜め読みしました。基礎知識が乏しいため、誤った解釈等あると思いますが、一般人が背伸びしたものとして大目に見ていただけると幸いです。

文献は、Pacypodium brevicaule(以下P.brevicaule)の種子繁殖の確立のため自家受粉や他家受粉での差異やそれぞれの種子の発芽率や苗の生存率を比較しているようでした。

文献ではP.brevicauleについてであり、今回行った種とは違うものでしたが示唆に富んだ内容で参考になりました。

以下に参考になった部分と考察を述べていきます。(Noteでの著作権やどこまで引用してよいのか分からなかったため、具体的な記載や引用は避けています。)

1.波長

まず、温度だけでなく、LED照明下の波長等も評価していることが参考になりました。研究では波長による発芽率の変化も調べています。
今回は東側の窓際に置き自然光で実生を行いました。一般的にいう「光」の部分も調べながらやった方が良かったのかもしれません。
この部分は知識がほぼゼロなので今後勉強です。
また、波長の違いにより苗の形態にも差がでたことが書いてあります。今育てているものもLED照明を導入して比較してみれば面白そうです。

2.自生地

本文献では、生息地について触れられておりP.brevicauleの発芽特性について、温帯の種子の発芽特性に似ていることについて触れられています。
マダガスカルについて調べ始めてみましたが、今回Wikipediaでざっくり調べる程度となってしまいました。結構難しいです、地理は高校生以下の知識量です。
一応わかったところは、マダガスカルは地域によってかなり差があるようでした。本当はそれぞれの種類の生息地を調べるべきだと思いますが、それをすると書き終わらなくなってしまうのでこのことも次回の宿題としました。

3.温度

温度に関してはP.rosulatumは30℃台でも発芽していますが、その他の品種は30℃を下回ってから発芽していることから、高温はやや厳しい条件だった可能性があります。
適正の温度も種類ごとにあるのかもしれません。

4.Discorea elephantipesについて
ここまで、Pacypodium中心に書いており、Discorea elephantipesについて簡単な説明しか書いていませんでした。
特に意識していなかったのですが発芽率も良く成長率も良い植物という印象でした。
恐らく冬型の植物だと思うので、今後も成長等を記録していきたいです。

Ⅷ.おわりに

実生した植物を温度の変化とあわせて30日間観察しました。
一応全ての種が発芽し現在も成長を続けていますが、発芽率も100%には至りませんでした。

感想としては、「楽しかった」の一言に尽きます。毎日仕事が終わり家に帰ったときに芽が出ているか確認するドキドキ感、小さな根が出ているときは凄く嬉しかったです。

植物の観察は小学校の朝顔ぐらいですが、自分が好きで主体的に調べたり観察すると学童期と違った楽しみ方ができました。

また、調べていくと、土のこと、気温のこと、光のこと、植物とのこと等、色々学ぶ部分があって、学ぶ楽しさ等、QOLが高いと感じました。

最期に調べたりする中で目についたのは環境保全等の問題についてでした。現地での個体数の減少などもあるようです。初めたばかりで分からないことばかりですし、難しい問題だと感じます。

ただ今回引用させていただいた文献のように環境保全を目的として健全な園芸を行えるよう取り組まれている方もいることがわかりました。

楽しむだけでなく、趣味であってもどのように向き合うべきか考えながら今後も楽しませて頂ければと感じました。

最後にここまで読んでいただきありがとうございました。かなりわかりずらい文章や構成だったと思います。読んでくださった方になにかお役に立てれば幸いです。

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