見出し画像

くすみカラーと着色の話。

3月のはじめ、コロナの影響でいくつかの仕事がなくなってしまって、ワークショップもイベントもできない!となったとき、何かしら有益なアイシングクッキーの技術を発信しよう!とnoteのアカウントを作りました。

が、有料記事としてお金を取るほどの記事を書くにはずいぶんハードルが高く、気づけば更新しないまま数か月…(反省)

もう有料記事なんて言わずにゆるっと書けること、書きたいと思ったことを書いていこうと思い、やっと書き始めた次第です。


今回書こうと思ったのは、タイトルにもある通り「くすみカラー」「着色」についてのお話。

ありがたいことに、クラリフィエのアイシングクッキーを支持してくれる方の多くは「色味が好き!」「くすみカラーが素敵!」などと色をほめてくれる方が多いです。

私自身、原色の色味より少し落ち着いたトーンの色味が好きなので、アイシングをはじめた当初から意識して着色をしています。

今更ですが、私は色彩についてきちんと学んだことはないですし、色彩検定などの資格も持ってないです。(興味はあったので本屋さんでテキストを開いてみたけどちんぷんかんぷんすぎて5秒で閉じました) 

なので、あくまでも色彩のプロではないことを許してくれる人だけ読んでください。笑

使用している色素について

アイシングクリームの着色に私が使っているのは、ウィルトンのアイシングカラーです。

きっといちばんよく使われているアイシング用の食用色素なのではないかと思います。

その中でも私が使っている色は

クリスマスレッド★
オレンジ
ゴールデンイエロー★
レモンイエロー
スカイブルー
バイオレット
ブラウン
ケリーグリーン
ブラック★

この9色。
ほとんどの場合はこの中から2~3色を混ぜて着色をしています。

ウィルトンのアイシングカラーはかなりの色数バリエーションがあるので、もっと楽に着色する方法もあるのかもしれませんが、メジャーな色味で手に入りやすいのもあってこの色を使用しています。

この9色の中でも、私が個人的に好んで選んでいる色が、★マークをつけた3色。ウィルトンのアイシングカラーは単色以外にも小さいサイズで8色セットが売られています。この中に入っていないのがこの★マークのカラー。

クリスマスレッド
8色セットに入っている赤はレッドノーテイストというカラーで、赤というよりはピンク味の強いカラーです。これでも十分使えなくないのですが、深みのある赤を出したいときはクリスマスレッドがおすすめです。
クリスマスレッドに同量のブラウン、さらに少量ブラックを足すとかなりシックで深みのある赤いカラーを作れます。

ゴールデンイエロー
レモンイエローより濃厚な黄色、山吹色に近いようなしっかりした黄色が作れるカラー。個人的にこちらの色が好きなのでイエローはこれを使っています。レモンイエローも使っている理由としては、いろんな色を混ぜて着色したいとき、ほんのり黄色みが欲しい場合はゴールデンイエローだと主張が強いのでレモンイエローを使うように使い分けています。

ブラック
くすみカラーを作るうえで欠かせないのがブラック。
赤黄青を混ぜれば黒になるじゃん!と思って黒の色素なんて必要ないと思っていましたが、使ってみてびっくり。シックで大人びたくすみカラーが簡単に作れます。ちょっと良くないポイントとしては、海外製品なのもあってロットによっては色味に少し誤差があったりします。(ものによって青みが強いことが多いと感じます)(ポジティブにとらえると青のくすみカラーが一色で作れます。笑)


基本的なくすみカラーの作り方

前置きが長くなりましたが、それでくすみカラーってどうやって作るんだ!ということをやっと説明しますね。

作りたい色+ブラウン+ブラック


以上!

えっ、それだけ?って感じですよね。

でも、ほぼこれです。


ピンクのくすみカラーの作り方

たとえばピンクのくすみカラーの場合は

クリスマスレッド+ブラウン+ブラック

これで完成です。

もちろんどれをどれくらい入れるかで色味はかなり変わってきます。
まずレッドの量で色の濃さが変わります。
ピンクや赤の着色に関しては、ブラウンの量も色の濃さにかかわってくるなぁと私の感覚では思います。濃くしたい場合はむやみに赤を足さずにブラウンを足してみても◎

そして、ブラック。
このブラックの量でくすみ度が変わります。

一言にくすみカラーといってもほんのり落ち着いたカラーと、しぶーーいカラーと、さまざまですよね。

少しずつ足して、好みのくすみカラーにしてみてください。

そして、注意しなければいけないのが、ウィルトンのカラーは乾くと少し色味が濃くなります。私の感覚だと赤の色味の変化が一番強く感じます。
赤にしたいけど、どれだけ色素を足してもピンクからぬけだせないな~と感じたりしますが、ほどほどでやめて一度塗りこんでみましょう。


水色、青のくすみカラーの作り方

スカイブルー+ブラウン+ブラック

個人的にはグレーを作るくらいの感覚で色をつくるといい感じのくすみブルーになるなぁと感じます。どうしても一色だけみて着色すると、目が慣れてしまって青みを感じにくくなるのか、色付けしたときはいい感じのくすみ感だとおもっても、コルネに詰めていざ使おうと思うとなんだか明るい水色。それも悪くないけど、思ってたくすみ方じゃない!となることが多いのです。これも時間経過で青みが強くなるからなのか、目の慣れなのかは定かではありませんが、グレーを作るイメージでいつも着色しています。


黄色のくすみカラーの作り方

ゴールデンイエロー+ブラウン+バイオレット

変則的なのが黄色のくすみカラー。
紫をいれるの!?と驚かれますが、個人的にはこれがしっくりきます。
もちろん紫を入れるのはほんの少しですよ。他と同じようにブラックでもいいのですが、黄色という色自体があまり主張の強い色ではないので、ブラックを入れてしまうとくすみすぎて黄色らしさがなくなってしまいます。紫をほんの少し入れるくらいがちょうどいいなぁと思っています。


緑のくすみカラーの作り方

ケリーグリーン+ゴールデンイエロー+ブラウン+バイオレット

かなり変則的なのが緑のくすみカラー。
どんな緑を作りたいかにもよりますが、たいていの場合が葉っぱなどの植物を表現したいときかな?とおもいます。ですがケリーグリーンは自然界の植物の色味を表現するには青みが強すぎます。(多分探せば違う緑のカラーがウィルトンから販売されていると思いますが、手に入りにくい…)
なので、黄色みを足すためにイエローをいれます。これでやっと原色の緑。ここにブラウンを足すことでやっと植物らしい緑になります。これをくすませるのに、またブラックを使いたいところなのですが、ウィルトンのブラックは比較的青みが強いカラーなので、せっかく黄色を足したのにここでブラックを入れるとまた青みの強い不自然な緑になってしまいます。なので少量のバイオレットを入れています。(紫にも青みは入っていますがブラックより自然にくすんでくれるように思います。)


おわりに

長くなりましたが、おおよそこんなかんじでくすみカラーを作っています。

まだまだ思ったようにいかないなーー!と思うことも多いですが、アイシング初期からしたらずいぶん変わったし成長したように我ながら思っています。

デザインや色彩について、どうして変わったと思うのかということの1つに、「人の作品を見る」というのは大きいなぁと思っています。

じつは、アイシングを始めたころ、ほかの上手な人の作品を見るのが怖かったんです。デザインも、色彩も、上手な人の作品をみてしまったらマネしたくなる!そしたら私らしいデザインなんて作れなくなる!とひたすら人のアイシングを見ないようにしてました。笑

でも、ふとある時から見るようになって、もちろんマネして作ってみたものもたくさんありますが、圧倒的に視野が広がりました。

配色のセンスやデザインの面白さなど、素敵な作品を見れば見るほど自分自身に引き出しが増えていく気がします。何にも知らない中で何かを作ろうとしても材料が少なすぎて絶対無理!って今なら思うのですが。笑

どなたが言っていたのかちょっとわからないのですがSNSで、

"センスと知識量は比例する"

という言葉を見たとき、ハッとしました。

素敵な作品を作る人を「センスがある」というけど、それはそれをセンス良く作るだけの「知識」が多いからなんじゃないかなぁと。

もちろん感覚ですごいものを作っちゃう天才もまれにいますが。笑


凡才なので、いろんなものを見て知って、自分の作るものに生かせたらいいなと思います!

(うまいこと締められた!笑)


配色やくすみカラーについてはもっとかけることがあるので、また書けたらと思います。もちろんそれ以外のことも。


長文お読みいただきありがとうござました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?