OW学入門「チョークポイント防衛の理想形」

こんにちは。AKIHABARA ENCOUNTのclankです。

突然ですが、皆さんはチョークポイントを上手く活用できていますか?

攻める側からすると厄介極まりないチョークポイントですが、立場が変わって防衛となれば途端に頼もしい味方となってくれます。

しかしちょっとしたミスで防衛線が崩壊して、敵(味方)がポイントまでまっしぐらなんてのは日常茶飯事。

今回はそんなチョークポイントの効果的な使い方について解説していきます。

1.チョークポイントってなに?

効果的な使い方を知る前に、まずはチョークポイントの特性を確認してみましょう。

チョークポイントとは地政学において戦略的に重要な海上水路、つまり重要な航路が収束している地形、場所のことを指します。

転じてOWでは、ポイントへアクセスするルート上、またはペイロード進行ルート上にあるルート取りや陣形が狭く限定されてしまう地形のことを指します。
また、特に防衛側に有利に働きやすい地形のことを指すことが多いです。

代表的な場所で言えば花村第一の門や、kingsrowの第二最初の門などがあげられます。

このような地形では、攻撃側はどうしても密集した状態で通ることになります。
防衛側はそこに火力を集中させるだけでリスクを抑えて戦闘を有利に進めることができるというわけです。

そのため、OWでの防衛戦略の基本はマップ上のチョークポイントに陣地を敷いて、そこで進行してくる敵を待ち構えるというものになります。

では、なぜチョークポイントで防衛をすると防衛側は有利になるのでしょうか?

そのからくりはOWのルール、そしてエリアを広くとる(敵を包囲する)ことの重要性にあります。

1-1.オブジェクトルールによる防衛側の優位性

OWはオブジェクトルールと言われる、キルの数ではなくポイントやペイロードなど特定のオブジェクトの奪い合いによって勝敗が決します。
さらに、OWは特に敵の全滅によって勝利を得ることができません。

これがどういった現象を引き起こすかというと、攻撃側(オブジェクトのコントロール権を持たないチーム)は多少不利な地形であっても無理やり進行する必要性が出てきます

この現象により、防衛側は攻撃側が進行せざるをえないルート上に戦線を置くことで、勝手に敵から不利な地形に飛び込んできてくれるというわけです。

実際は、サブルートからの迂回や、フランカーによるオブジェクトタッチなどで防衛の強固な戦線を崩してくるわけですが、攻撃側はそれによって時間的、あるいはスキル的なアドバンテージを失うためある意味では苦肉の策とも言えます。

つまり、OWにおける防衛の優位性とは、敵の進行ルートが予想できることと、その進行ルート上の防衛有利となる地形にあらかじめ戦線を配置できることにあります。


1-2.エリアを広くとることの優位性

エリア理論って言葉を聞いたことがあるでしょうか?

大雑把に言えば(そもそも詳しく解説してる人いるのかな…)エリアを敵よりも広くとることで敵を包囲することができ、戦闘を有利に進めることができる。という理論です。

敵を包囲するためには前提として敵よりも多くのエリアを確保する必要があるため、エリアを広く確保することは包囲へ移る下準備となりながら、敵からの包囲を未然に防ぐ防衛策ともなるというわけですね。

この理論において最も重要なのは敵を包囲することで戦闘を有利に進められるというところです。

包囲による有利は古代から現代、果ては遥か未来にいたるまで戦術の鉄則です。

それはなぜかというと、戦力および意識の運用が効率化されるからです。

包囲した側は一定の方向を注視、攻撃するだけでよく、逆に包囲されている側は複数の方向に同時に意識を割く必要があるため、双方の戦力運用の効率には歴然とした差が出ます。

この差によって包囲した側の有利が保証されます。

ではどうすれば包囲ができるのでしょうか。包囲すれば圧倒的に有利=包囲されれば圧倒的に不利ということなので、実際の戦いではお互いできる限り包囲されないように動くはずです。

その包囲をするためにエリアを広く確保しようというのがエリア理論なのですが、逆に相手が自分たちよりも取るエリアを狭めたら包囲できるよね?というのがチョークポイントでの防衛です。

どういうことかというと、先述した通りチョークポイントとは攻撃側が陣形を縮めなければ通れない地形のことを指します。そしてOWのルールの構造上攻撃側はその地形を通らなければなりません。

つまり、チョークポイントでの防衛は、防衛側は陣形を整えておくだけで敵が勝手に包囲されに来てくれるわけです。


本来、時間とリソースをかけてエリアを広げることで初めて達成される包囲が、チョークポイントに陣地を敷く、ただそれだけで達成されるのです。

というわけで一度ここまでのまとめです。

チョークポイントの特徴
・オブジェクトへのアクセスルートであり、エリアを狭めなければならない狭い地形である
・攻撃側はチョークポイントを強行突破、またはロスを負って迂回しなければならない
・防衛側はチョークポイントに陣地を敷くことで、チョークポイントを通る攻撃側を簡単に足止め、包囲をすることができる


2.チョークポイント防衛における理想形

ここまでチョークポイントの特徴とその理由について解説してきました。

ここからはそれらを踏まえたチョークポイントを守るための理想的な戦術を考えていきましょう。

まず、ランクマッチで行われるような比較的一般的なチョークポイントの防衛の仕方を確認してみましょう。
一般的なチョークポイント防衛は以下のようになるかと思います。

1,チョークポイント出口で攻撃側の進行をシャットアウト。
2,キルの発生またはULTが貯まるまで耐える。
3,キルまたはULTを足掛かりにチョークポイントを抜けて反撃。

図にするとこんな感じですね。

画像1

一見、理想的な防衛に思えます。
しかし、ここに大きな落とし穴が潜んでいます。
前項で確認したチョークポイントの特徴を確認してみましょう。

チョークポイントの特徴
・オブジェクトへのアクセスルートであり、エリアを狭めなければならない狭い地形である
・攻撃側はチョークポイントを強行突破、またはロスを負って迂回しなければならない
・防衛側はチョークポイントに陣地を敷くことで、チョークポイントを通る攻撃側を簡単に足止め、包囲をすることができる

気づきましたでしょうか?
そう、一般的な防衛の仕方では敵の包囲がほとんど行われていないのです。

チョークポイントとは攻撃側がエリアを進行するためにエリアを狭めるエリアで、防衛側はそれを包囲することで有利を得ることができます。

しかし、シャットアウトした場合は両チームに明確な射線および射角に差がなく火力的な差があるとは言えません。
また、味方の射線だけでなく敵の射線も集中するチョークポイント出口付近に味方タンクが滞留することによって、不意の事故のリスクも上がってしまいます。

ランクマッチなどでよく起こる、有利なはずのチョークポイント防衛で火力負けするのはこれが原因です。
有利を作っているはずが、実は時間稼ぎができているだけでほぼ対等な条件で戦っていたのです。

ではどのように守るのが理想的な形なのか

それは、あえてチョークポイントを通過させることにあります。
以下が理想的なチョークポイント防衛の手順です。

1,チョークポイントの出口付近に射線が通るようにチームを分散させて配置する。
2,敵がチョークポイントから通過してきたところで足止めする
3,足の止まった敵に火力を集め包囲殲滅。

図にするとこのようになります。

画像2

敢えてチョークポイントを通過させることで、通過した直後のエリアを広げきれず密集した攻撃側を綺麗に包囲することができるというわけです。

これによってチョークポイントの足止めと火力の集中だけでなく、エリア差を利用した包囲戦術という恩恵も受けることができます。


2-1.理想的チョークポイント防衛のコツ

この戦術を行うときの最大のポイントは敵を足止めするタイミングにあります。
このタイミングが遅すぎると攻撃側は防衛の包囲を破りポイントへ到達してしまい、キルを発生させるチャンスを失います。
逆に早すぎても攻撃側に引かれてしまい、攻撃のチャンスを失ってしまいます。

難しいですが、この絶妙なタイミングをコントロールできるかがチョークポイント防衛のカギとなります。

この足止めを担うのは主にメインタンクとなりますが、ヒーローによってやり方は異なります。

ラインハルトやオリーサのようなラインを構築するタイプのタンクの場合、最初は出入り口付近のシャットアウトポジション(相手の進行を完全に防ぐことができる位置)で構え、そこから徐々に後退する形をとることで足止めを行います。

この方法であれば自然と攻撃側の進行はゆっくりになるため足止めタイミングもつかみやすくなり、チョークポイント通過した後だけでなく通過する最中でもハラスによるキルが狙いやすくなります。
しかし、メインタンクへの負荷が大きくヘルス管理やライン管理をしくじると一気にメインタンクがキルされてしまいます。
この戦術の本番は通過させてからにあります。そこに体力、スキルを持ち越せるよう余裕をもってラインを下げましょう。

ボールやウィンストンのようなライン構築の苦手なダイブ系タンクの場合、敵を足止めするタイミングにドンピシャでダイブして敵を拘束、分断する必要があります。

タイミングは難しいもののハルトオリーサに比べてメインタンクの負荷が軽く、拘束力や攻撃力も高いためタイミングを合わせられれば包囲殲滅は比較的容易です。
一方でチョークポイントを通過させるとき攻撃側をフリーにさせてしまうため、唐突な動き出しをされやすくなります。
この唐突な動き出しを防ぐため、ハルトオリーサに比べほかのメンバーのベイトや火力による緩い拘束および誘導が重要になってきます。

その他にこの足止めを行えるのは、各種ULT(特にブリザード、龍撃波、BOB、アンプリフィケーションマトリクスなど)や一部のスキルとなります。
タンクでなくとも相手を間接的、直接的に拘束が行えるULTやスキルを持ってるときは、相手がチョークポイントを通過してくるタイミングを見て使ってみるのもいいでしょう。

3.まとめ

以上がチョークポイントの理想的な守り方となります。
野良でこれを完全に行うのは難しいかもしれませんが、タンクをプレイされてる方などは無理にチョークで抑えなくてもいいんだと思うことでプレイがぐっと楽になるかと思います。

繰り返しになりますがチョークポイント防衛の真髄はエリア差による包囲にあります。

シャットアウトポジションにおける火力の押し付け合いは決して防衛有利とは言えません。少し相手を通過させモグラたたきのごとく包囲殲滅を決めることで防衛の楽しさが増えるかと思います。

フルパーティなど十分に意思疎通が取れる状況であれば非常に強力な守り方となりますので是非ご活用ください。

4.あとがき

いかがだったでしょうか。

通してはダメと思われがちなチョークポイントが、実は少しだけ通した方がよいというお話でした。

ランクマッチでチョークポイント防衛に必死で辛そうなメインタンクを見るともうちょい下がっていいんやでと心で念じています。

実際にはチョークポイントそれぞれで最適解は変わってくるため、通さないほうがいいチョークポイントもあったりしますが、それについてはまた別記事で書くかもしれません。
ヒントだけ出すのならば、攻撃側が通過した後のエリア状況が重要になります。

次回の記事はまだ未定ですが、例のごとく入門編(中~上級者向け)となりますのでお楽しみに。ネタはいっぱいあるんですけど筆が遅すぎて書ききれないんですよね…

ここまでお読みいただきありがとうございました。

それでは。

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