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みんなも知らない、三橋の森のこと

   さいたま市大宮区三橋(みはし)の住宅街に大きな木が佇む土地がありました。新幹線も停まる大宮駅から車で10分弱、抜群の立地ですから、この広大な土地をどのような用途とするか様々な候補があったそうです。ショッピングモールにする、マンションを建てる...どれも地域のみなさまの生活を豊かにする選択肢ではありました。しかし、三橋に長く住む方々からある声があがります

「この木だけは切らないでほしい」

 実はこの木、春に花を咲かせる桜の木だったのですね。三橋に住む方々はこの桜の移り変わりを見て季節を感じ、今日までを過ごしていたのです。

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 この記事を読んでいらっしゃるみなさまのなかにも、今住んでいる場所や前住んでいた場所、懐かしの実家近くに佇む桜大樹をなんとなく記憶している方も多いのではないでしょうか。特に毎年必ず見に帰る訳でもないけれど、たまに帰って通り過ぎ見上げてほっとするあの桜の木。春に帰れば咲いていることなんて当たり前なのに、満開の姿を見ると「春だなぁ」なんてやっぱり思ってしまう桜の木。新天地で心細さと共に過ごしていても、出会うとなんだか懐かしさを抱かせてくれたあの桜の木。日本人だからかなのかは分からないですが 桜にはなぜか特別想いを馳せてしまうことがみなさんもきっとありますよね。

 三橋に住む方々にとって、ここの桜の木もそんな存在だったのです。

 この土地の用途を巡り討論が行われている最中に私たちはこの場所に出会うことができました。この桜の木の偉大さに感銘を受け、土地のオーナー様へ私たちもプレゼンをさせて頂きました。

 「この木を残したまま、訪れた人々が幸せになる場所をつくらせてください」

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  オーナー様から賛同を頂いた私たちはまず、桜の木がこの先も永く共存できる森を作ることにしました。偽物の植物や人工芝などは使わず全て自然の木々を仲間入りさせることにより、時間をかけて本物の森となるよう設計したのです。そんな未来を見据えた「三橋の森」は2011年4月29日に誕生しました。

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 「街に暮らす人々が集い語らう安らぎの森」をコンセプトに掲げ9年が経ち、いよいよ2021年には10周年を迎えます。いまでは50種を超える木々が生え数多くの虫や鳥たちが生息するようになり、豊かな森と言えるほどに成長しました。

 桜の木のしたで誓う結婚式場、そよ風を感じながら焼き立てパンとコーヒーを楽しめるカフェ、大自然のなかでのびのびと学ぶことができる保育園、安心安全の素材にこだわりぬいた創作フレンチレストランなど、今では多くの方々が優しい時間を過ごして頂ける場所となりました。

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 この9年のあいだに何人の方がこの場所で思い出を作って頂けたのか、私たちは知る由もありません。ただ、一本の桜の木を必死に残そうとし 拠り所としたかった人々の想いをずっと守るべく 一日一日を丁寧に今後も営んでいきたいと思っています。

 訪れた人の今の時間、そして三橋の森を出て日常に戻ったその先の時間が少しでも優しくなるような場所であれますように。

 ちょっとずつ、三橋の森の自己紹介を今後もしていければと思います。ここまで読んで頂きありがとうございました。それではまた*。

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 三橋の森をもうすこし知りたい方はこちら♪

 映像で見てみたい方はこちらもどうぞ♪


 

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