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どこまでも飛んでいく

 今日はずっと寝ていました。最近は作業ばかりしていたので、イベントが終わって気が抜けてしまったのかもしれない。1年ぶりに参加したコミティアは、本当に楽しかったです。リアルイベントでしか味わえない空気が、そこにはあった。同人誌は、気が遠くなるほどの時間と熱量がないと完成しない。それなのに、あれほどのサークルが参加してるのはとても嬉しい。それに、会場を散策すると、自分の「好き」を詰め込んだ本たちが見渡す限りにあり、さらには予想もつかない角度からアプローチしているサークルもあって、ひたすらに感性が磨かれていくような気もする。ホログラムを展示してるサークルや、装飾懐中時計を頒布しているサークルが、特に印象に残っています。

 さて、自分の話もしましょうか。今回は原稿が完成しなかったのでコピー本になってしまったのですが、それでも何人かは買いに来てくれました。本当にありがたい……。創作のコミュニティで仲良くしてるフォロワーさんと会えたのが、中でも嬉しかったです。めちゃめちゃ緊張して碌に話せなかったので、次は落ち着いて話したいですね。他にも、既刊の感想を言いに来てくれた方もいて、陳腐な表現ですが、『2回目』感があっていいなと思いました。細々と活動していますが、歩んだ軌跡は、しっかりと刻まれているのですね。

 今回のイベントで一番嬉しかったのは、見本誌を読んで購入してくれた方がいたことです。明確な見本誌がなかった前回の反省を踏まえ、分かりやすく見本誌を設置した今回。会場を散策していた方が見本誌を手に取り、じっくりと中身を眺めます。正直、口内が急速に乾いていくほど緊張しました。自身の感情を昇華させた渾身の一作だからこそ、素の自分を吟味されているような緊張感がある。「一冊ください」と言われたときは、この世の全てから解放されたような高揚がありました。自分のイラストで興味を惹いて、自分の文章で勝負する。人柄とか関係性とか、そういうのを全て取り払って、完全に自分の作品だけを見てもらう。そうして相手のお眼鏡に叶い、金銭を貰う。これほど、これほど嬉しいことはない。頑張って良かったと、もっと頑張ろうと思いました。

 コミティアのような現実でのイベントは、人の出会いと同じで、偶然に偶然が重なって作品と出会います。隣のサークルさんや、偶然巡り合えた同人誌。参加したイベントが前回や次回であれば、その出会いは絶対になかった。何か一つ選択肢が違えば、一生出会わなかったと思います。だからもう、これは運命に等しい。この出会いを、もっと紡いでいけたらと思います。

 人間というのは本当に欲深い生き物で、イベントが終わった今、創作に関する欲求が強くなっています。ポスターも作りたいし設営も凝りたい。新刊も勿論完成させたいし、表紙買いしてもらえるような絵も描けるようになりたい。同人を始める前は『サークル参加をして、HNの後ろにスペース名を書くこと』が夢だったので、それに比べると欲望がどれだけ加速しているかが分かります。良い作品を目指すのは当然ですが、次は手に取って貰えるような工夫もしなければならない。どれだけ良い作品を書いても、読んでもらえないと伝わらないですからね。創作活動は、本当に青天井でいい。もっともっと、どこまでも遠くへ、今の自分では到底見えない場所まで、この手で書き綴っていけたらいいなと、そう思います。

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