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なるほどクラック vol.6 〜CLACKのプログラミング学習支援(前編)〜

代表・平井の視点からCLACKの活動について紹介していく「なるほどクラック」
今回は、CLACKのプログラミング学習支援について紹介していきます。

前回の振り返り

前回の記事では、経済的・環境的に困難を抱える高校生を支援する上で、以下の3つのことを満たしていることが重要ということでした。

①支援対象の高校生にアプローチでき、高校生自身がその支援を利用したいと思えること
②前回の記事であげた3つの不足(経験・繋がり・考え方)を補えること
③(支援対象の高校生の経済事情も踏まえると)直接お金を稼ぐことに繋げられたり、社会で求められているスキルを身につけられること。

では、実際どういう目的でどんなプログラミング学習支援をしているのか前編・後編にわけて紹介していきます。

前編は、どうやって高校生を集め、どんなプログラミング体験会を実施しているかについてです。

①支援対象の高校生にアプローチでき、高校生自身がその支援を利用したいと思えること

youtubeやtikitokが若者にとって当たり前になったことやプログラミング教育の義務教育化によってプログラミングという言葉に馴染みのある高校生は年々増えています。

「アプリ作ったりAIとか使ったりする仕事、なんとなくかっこいい」
「ゲームやyoutubeを見ていたらプログラミングが出てきた」
「直接人と関わるのが苦手だから、リモートワークで働けたらいいな」
「”なにか”今の生活を変えるきっかけが欲しい」
こうした気持ちを持っている対象の高校生は意外と少なくありません。

しかし、彼ら・彼女らがプログラミング体験会に参加するまでには3つの壁があると感じています。
[1]そもそも支援の情報が届かない、目にとまらない
[2]参加費や交通費が負担になる
[3]自分にやれるかどうかの自信


CLACKではこの3つの壁を解消していくための取り組みをしています。

高校生に支援情報を届けるための連携

まずは、
[1]そもそも支援の情報が届かない、目にとまらない
の解決策についてです。

支援を(潜在的に)必要としている高校生に効果的に情報を届けるため、地域の高校・NPO団体・社会福祉協議会・就労支援施設・ユースセンターなどとの協力関係を築いています。

関わっている高校生へのチラシの配布や直接の呼びかけ、出張プログラミング体験会の開催などに協力していただいています。

どういった連携をしているのか、紹介していきます。

高校との連携

活動拠点の近隣の高校と連携し、CLACKのスタッフが直接高校生と接することができる場所を増やしています。またプログラミングに興味がある高校生がいた場合、先生からその生徒に直接CLACKのことを紹介してもらったりしています。

NPOとの連携

高校生やひとり親家庭を支援しているNPOと連携して、対象となる高校生が必要な支援を受けられるようにしています。プログラミングに興味がある場合は、CLACKに紹介してもらい、その他の支援が必要な場合は、支援団体に紹介をしています。

社協(社会福祉協議会)との連携

CLACKの教室がある大阪市には24の区があり、それぞれの区に社協と呼ばれる福祉の窓口が置かれています。
現在は、24区中9区の社協と連携し、生活困窮者相談窓口や自立支援相談窓口に相談にきた15歳から18歳までの子どもをもつ家庭を紹介していただける関係性を築いています。

就労支援施設との連携

就労支援施設にも10代の方から相談が来ることも増えています。ITやプログラミングに興味のある10代の相談者をCLACKに繋いでもらっています。

お金が理由で学べないという理由を減らす

[2]参加費や交通費が負担になる

支援があることを知ったとしても、参加するのにお金がかかったり、通う上での交通費がかかると「自分には関係ないな」となってしまうことも少なくありません。

そのため、CLACKでは授業料・教材費が無料であるだけでなく、PCを持っていない生徒にはPCの支給も行っています。
さらに、教室に通う上で必要な往復の交通費も支給していて、お金が理由で学べないということを極力減らしています。

無料の要素


「楽しい!」「自分でもできる!」を引き出す体験会

[3]自分にやれるかどうかの自信

「パソコンを使ったプログラミング体験」というだけで「難しそう」「パソコン苦手だし無理かな」と思う高校生もいます。

そうした高校生でも参加しやすいように体験会では、最初に機器類を一切使わない、「RPG(リアルプログラミングゲーム)」という身体を使ってプログラミングの概念を理解してもらうゲームを用意しています。

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その後は、
・ドローンをScratchというブロックを組み合わせて行うプログラミングで操作する体験

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・最新のVR機器体験

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などでプログラミングで出来るようになることを感じてもらいます。
こうした一見難しそうに見えてやってみると意外と誰でもできるもので
「楽しい!」「自分でもできる!」と感じてもらうことを目的としています。

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写真は大学生講師です。

「ここまでしないと参加できない子は対象としなくてもいいのではないですか?」といったことを言われることもあります。

しかし、CLACKが本当に機会を届けたい、機会・関係性・知識が不足している高校生にきっかけを届けるためには、「ここまでやる必要がある」と考えています。

そして、こうした高校生ほどCLACKで伴走していくことによって、「大きく変わる」可能性を秘めていると思っています。

まとめと次回予告

今回の記事では、どうやって高校生に情報を届けるのかと、どういう体験会をしているのかについてご紹介しました。

次回vol.7では、プログラミング学習支援の後編、メインとしている「半年間のプログラミング学習支援」や、それによって「生徒に身につけてほしい力」について書いています。


高校生をサポートする活動を「応援したい!」と思った方は、ぜひマンスリーサポーターになって頂けると本当に嬉しいです。

より多くの高校生に機会を提供していくための交通費やPC購入、講師謝金などに使わせていただきます。

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最後まで読んでいただきありがとうございます! サポートしていただいた分は生徒の交通費などに使用させていただきます。