プレー中声を出せない選手が出せようになるアプローチ方法
こんにちは。サッカーコーチのコーチ倉本和昌です。
こんなお悩みありませんか?
選手たちにもっと声を出してプレーしてほしいと思っている
声を出せと言っても選手は声が出せないし、どうしたらいいかわからない
大人が声を出せ!と怒れば怒るほど、選手が萎縮してしまう
そもそも、声を出す目的を知らなければ声は出せません。ただ、選手が小学生の場合、サッカーのプレー中に「いつ?」「何を?」「どのように?」声を出せばいいかを言葉で伝えるのは難しいですね。
では、普段の練習でどうアプローチしていけば良いのでしょうか?
まず、安心して自分を表現できる、意志を伝えられるという安心・安全な環境作りが大前提です。
そして、プレーしながら声を出すと言うのは意外と大変だということを意識しなければいけません。自分のプレーには集中しないといけないし、相手の状況も見ないといけないし、その中で声も出すことは、習慣化していかないとなかなか簡単に行えることではありません。
声を出さないといけない状況を作り出す
練習の中のアプローチ方法の一つは、声を出さないといけない状況を作り出すことです。
例えば、ブラインドサッカーの体験会はとても良いです。目隠しした状態で、仲間からのコーチングの声を頼りに動く。それだけでもきちんと聞くこと、的確に伝えることの重要性がわかります。グループで行う鬼ごっこも効果的です。
ポゼッション練習などであれば、まず「数字を数える習慣」を作るのもいい良いです。数字は共通認識で、数字が数えられないと言うことはないので、プレーしながらカウントしましょう。みんなが共通認識を持つという意味で、いきなり声を出せと言うより、まず数字を数えることからトライするとハードルが下がります。ただ数を数えるだけと思うかもしれませんが、プレーに熱中しすぎると数えられなくなります。
具体的なコーチングをする練習
数字から発展すると具体的なコーチングに移っていきます。
よくあるのがボールを呼ぶときに「へい!」と言うこと。呼ばないよりもマシですが、「へい!」は、中学生以上になると卒業しようと、私は伝えています。それは「どこにどんなボールが欲しいかわからないから」です。
そこで「右足」「ハードボール」「スペース」など明確に言えるようにしていきます。出し手も「ターン」「ワンタッチ」という具体的なコーチングを心がける。
もちろんボールを持っている選手が自分で判断すれば良いのですが、周りのコーチングはあくまで「補助的な役割」です。しかし、出せないよりもいいのです。
試合で声を出すアプローチ
ウォーミングアップのアイスブレイクのゲームやポゼッションでは声が出せるけど、実際の試合になったら声が出せないという悩みもよく聞きます。
私がお勧めするのは、パス練習で最初はパスの回りが決まっていて、コーチングの習慣化するために「ターン!」「ハードボール」「スペースボール」「ワンタッチ」などコーチングをしながらパス練習をして、いくつかのパターンをやった後、最後はフリーでパスをするというやり方です。
イメージ湧きますか?
例えば、パスの3原則のトレーニングで理解してもらいたいという目的で、四角形でパストレーニングをします。
左回りで、どんどんパスをしていくという時に、次にボールを出す選手は決まってはいるけど、コーチングの習慣化するためにターンのコーチングをする。
次のパターンが、左回りは変わらないけど、スペースにボールを流しターンする。
その次のパターンはスペースに流す、リターンをもらう、深くにいる選手にパスして前向きサポートをする。
その次は、自分の右手側にいる選手にパスを出すふりをして、一つ深くに飛ばすボールを出して、前向きサポートしてもらう。
というように、色々なパターンがあると思うのですが、最後は「フリー」にすると言うことです。つまりこれまで習ったパスのパターンがあるけど、それを即興で選びながらパスを回していくと言う方法です。
ここで大事なのは「止まらないこと」です。
選手たちは自分たちでイメージを合わせてプレーしなければいけないので、お互いの意図がズレる場合があります。そのときに「あ」って止まるのではなく、意志が合わなくてミスみたいになっても止まらない。なぜならそこで止まると試合でも止まる癖がつくからです。
パスのパターンをやった後でフリーでパストレーニングを行うと、イメージを合わせるために互いにコーチングをし、意志がズレた場合には「あそこはこうしてほしかった」などコミュニケーションを取らなければいけなくなります。
つまりその場で選手がイメージを合わせて互いに繋がった状態でプレーする習慣のための声が必要になりなるということです。
まとめ
ブラインドサッカーの体験会、ループで行う鬼ごっこを取り入れてみる
ポゼッション練習で数を数える
ボールの受け手も出し手も、意思を伝え合う
パス練習で意思疎通を図り、最後はフリーパスでパスをする
いかがでしたか?ぜひ練習に取り入れてみてくださいね。
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