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中小工務店の経営者なら知っておきたい「IT投資の目安金額」

ご無沙汰をしております。
親の介護やらで仕事もままならない状況だったりするのですが、ネタのストックばかり増えているのでそろそろ吐き出さねば、ということで進めていきます。

年に数回、小規模工務店の経営者や一人親方の方から聞かれるのが、

「ITってどのくらいお金を使えば効果が出るの?」

という質問です。

私が建設ITの分野に足を踏み入れて20年になるのですが、誰の目にもわかりやすい目安が出てきたのは2000年代前半だったと記憶しています。
当時出てきた目安というのが、

売上高の1%

という数値です。つまり売上高1億円だったら100万円は投資しないとお金をドブに捨てるのと同じ、ということですね。
実際当社のお客様を対象に調べたことがありROIなどを割り出したりしたのですが、その時のしきい値が大体売上高の1.5%でした。

最近はそのあたりの統計も充実しているので、業種別の動向なんかも詳しく公表されています。

企業IT動向調査(一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会)

例えば最新の2019年時点のデータを見てみると、こんな感じ。

平均だと金融が大幅に数値を引き上げているので、実態はトリム平均値(全体のデータのうち、最大と最小を除いた値)が実態に近いと思いますが、
産業全体の投資額があまり増えていない(売上高に対し平均1.28%投資)上に、建設・土木はその半分程度しか投資していないという実態がわかると思います。

率直に感想を言うと

そりゃ成果出ないよね

と思う次第なのです。

お金を使いたがらない人が良く言うのが

知恵と工夫で

という言葉ですが、

はっきり言って平均値までは知恵も工夫もへったくれもなく、ツールの選択を間違えなければ「単純に物量の差」

です。知恵と工夫、言ってみれば「差別化」という言葉にもつながると思いますが、それが目に見えてくるのは「平均値」を超えてからです。

さらにこれはあくまで「日本国内」の数値であって、海外はどうなのよ?となると、例えば欧米あたりは日本の約3倍は投資しています。

総務省データ

「コロナ禍で必要なのはビジネスモデルの変革」って言う人多いんですが、それを本気でやろうとすると部門どころか業界横断のスケールでやらないといけないわけで、そうすると投資率1%レベルなんて到底話にならないわけです。

DXって建設業でも言い出す人が出てきてるんですが、

「成否に関わらず世界平均である売上高3〜4%を投資に突っ込む覚悟ありますか?」

って聞くと殆どの経営者が逃げちゃうんで、先行きどうしたもんかねー。とも思う次第なのです。

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