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今夜、ハードロックカフェにて @第11夜

昼下がりの東京。ここは上野、ハードロックカフェ。
今日もまた、客もまばらな店内の片隅で
ニューウェーブ好きな先輩とギターロック好きな後輩君の
ビール片手にダベりタイムが始まる。。。

「先輩、そろそろ平成も終わりですね」



「だな」



「この30年、色々ありましたね」



「俺はあんまり無かったけど」



「無きゃおかしいでしょ」



「いや、いい事一個も無かった。ずっとずっと低空飛行だ」



「そんな事言わないで下さいよ。洋楽に関しては、輸入盤の充実からストリーミングの時代へ。いい音楽たくさん聴けたんじゃないですか?」



「あー、後輩君の平成ベスト・アーティストって誰なの?」



「やっぱ、ニルバーナっすかね。カート・コバーンすか」



「ああ、最初にその名前出されたら、この話終わっちゃうよね」



「先輩は、誰なんですか?」



「やっぱり・・・ジョイ・ディヴィジョン?」



「そのバンド、昭和です」



「じゃあ、ニューオーダー?」



「それも、いい時期は昭和です」



「じやあ、ザ・スミス?」



「昭和です」



「じゃあ、ストーン・ローゼス?」



「あ、ギリ平成ですね。でも活動期間ものすごく短いですよね」



「自分で言っててなんだけど、ここでストーン・ローゼス推しはロッキング・オン色強いよね」



「まあ、あの頃のロッキング・オンはもの凄く影響力ありましたからね」



「なんか、「俺の人生はロッキング・オンだった」みたいな事になってる」



「(笑)だから、ロクでもない人生歩んでるんすかね?」



「うるさいよ。正直ね、ロッキング・オンの中でも、俺が影響されたのは、児島由紀子さんだから」



「誰ですか?それ?」



「知らんのかい!だから、俺の平成ベストアーティストは、児島由紀子だ」



「ベストが児島さんですか」




「うぉー!チェンジング・マンかかった!」



「って、いつの間にリクエストしてたんすか!」



「やっぱりチェンジング・マンこそが、俺の平成のテーマソングだから」



「その割にまったく変わってない人生を過ごしてますよね」



「うっ」



「年々、見た目だけはブクブクとチェンジング・マンしてますが」



「ヤメろ。見た目の話はヤメろ」

(2019年4月26日)

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