見出し画像

今夜、ハードロックカフェにて @第8夜

昼下がりの東京。ここは上野、ハードロックカフェ。
今日もまた、客もまばらな店内の片隅で
ニューウェーブ好きな先輩とギターロック好きな後輩君の
ビール片手にダベりタイムが始まる。。。

「先輩、ハードロック来るの久しぶりですね」



「まあな。俺も色々と考える事があってな」



「先輩がですか?」



「いいか、これ誰にも言うなよ。実は俺さ、起業しようかと思ってるんだよ」



「ええ?先輩がですか?」



「そうだ」



「何やるんですか?まさか、以前から熱く語ってた「老人ホームと風俗がハイブリッドした施設」を遂にですか?」



「まあ、それもいいんだけど、ビニール関係だね」



「あ!レコード屋ですか!いいな〜」



「いや、そっちのビニールじゃなくて、袋の方な」



「え?」



「ビニール袋だよ。なんか、コンビニでも有料化されるみたいじゃん」



「はあ」



「しかも、インドでは今、ビニール袋の使用自体が禁止されているらしいんだよ」



「はあ」



「これは、いずれ無くなるね」



「はあ」



「だけど、ビニール袋の需要って無くならないと思うんだよ」



「まあ、なにかと便利ですからね。雨の日とか」



「だろ。だから、今の内に、俺が世のビニール袋を全て買い占めようと思う。そしてネットで販売するんだ」



「はあ」



「会社の名前も決まってるんだよ」



「どんな名前ですか」



「VOVOタウン」



「思いっきりパクってるじゃないですか。しかも、その名前だと九州方面で営業できないじゃないですか」



「VOVOスーツ!」



「なんすか、それは?」



「ビニール袋素材のスーツ」



「わけがわからない」




「あ!GENOかかった!」



「っていつのまにリクエストしてたんすか!」



「いつまでも忘れるな、サーチング・フォー・ア・ヤング・ソウル・レベルって事よ」


(2018年11月27日)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?