AIの進化と人間の学び、AIネーティブ世代の未来
受け入れか、排除か。優れた対話能力をもつ人工知能(AI)「ChatGPT(チャットGPT)」などの扱いを巡り、学びの場が揺れている。東京外国語大は、授業での活用ルールを教員と学生で定めるよう促した。一方、米ニューヨーク市は学校での使用を禁止した。
これからは幼少期からAIが身近な「AIネーティブ」が社会を担う。「既に答えがある問題」はAIで対処できる。佐藤俊一・元山形大教授は「疑問を持つことは人間にしかできない。『探究型』学習への転換が急務だ」と訴える。
AIを使いこなすには人も能力を高め続けなければならない。世界ではチャットGPTを高度な作業に利用する技能「プロンプトエンジニアリング」を習得する動きが拡大し、国内のビジネス現場でも体制づくりが猛スピードで進む。
囲碁でも人間同士の勝敗を分けるのは思考力となる。仲邑菫女流棋聖は「自分の棋風に合った手を打つのが一番大切だ」と語り、井山裕太王座も「AIをどう自分なりの手に落とし込むかが大事」と強調する。
AIが進化するなかで人が学ぶべきことは何か。答えを見いだしたとき、人づくりの未来が開く。
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