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住友化学の危機と経営の岐路 - 経団連会長の責任と未来戦略


経団連会長である十倉雅和氏が現在も会長を務める住友化学は、現在重大な危機に直面しています。2024年3月期決算の上半期は、コア営業損益が966億円の赤字となり、最終損益も763億円の赤字を記録しました。これは過去最悪の最終赤字額で、住友化学にとって創業以来の危機的状況と言えるでしょう。

二期連続の巨額の下方修正は、住友化学の深刻な状況を示しています。中国の景気停滞や半導体市場の回復の遅れが化学業界全体に影響を及ぼしていますが、住友化学の落ち込みは特に顕著です。特に石油化学、医薬品、メチオニンの3事業が大きなダメージを受けています。

石油化学製品事業では、上期に444億円の赤字を計上し、通期予想を750億円の赤字に下方修正しました。また、医薬品事業では抗精神病薬「ラツーダ」の特許切れが大きく影響しており、上期には655億円の赤字を計上しました。

健康・農業関連事業も苦戦しており、前年上期の363億円の黒字から76億円の赤字に転落しています。特にメチオニンの市況低迷が問題となっています。

これらの状況を受け、住友化学の経営判断の妥当性が問われています。特に、サウジアラビアの合弁会社ペトロ・ラービグやメチオニン事業の拡大など、過去の経営判断が現在の危機に影響を与えている可能性があります。

岩田圭一社長は、リスクマネジメントに問題がなかったと述べていますが、過去の経営判断が今の危機を招いたという見方もあります。住友化学は、今後の業績回復に向けて、コスト削減や構造改革を進める必要があるでしょう。今の苦境を乗り越えるためには、過去の経営判断を検証し、体質改善につなげることが求められています。

ポイント

1. 財務状況の悪化:

2024年3月期決算の上半期で、住友化学はコア営業損益で966億円の赤字を記録し、最終損益も763億円の赤字になりました。これは過去最悪の記録です。

2. 二期連続の下方修正:

二期連続で巨額の下方修正を行っており、経営上の深刻な問題を示唆しています。

3. 主要事業の苦戦:

石油化学、医薬品、メチオニンの3事業が特に大きな損失を出しており、特に医薬品事業の抗精神病薬「ラツーダ」の特許切れが大きな影響を与えています。

4. 経営判断の問題点:

過去の経営判断、特にサウジアラビアの合弁会社ペトロ・ラービグやメチオニン事業の拡大などが現在の危機に影響を与えている可能性があります。

5. 今後の対策:

住友化学は業績回復のために事業整理や投資の絞り込み、コスト削減などの対策を進めています。また、過去の経営判断の検証と体質改善が必要とされています。

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