見出し画像

ゴスペラーズと十勝晴れ〜のど自慢in帯広〜

9月12日。ガラスのボトル、コロナ罹患。


熱は38℃、喉はボロボロ、咳はゴホゴホ…しばらく苦しむことが確定したこの日、私にある一通のはがきが届いた。

「NHKのど自慢 入場整理券」

は???は?????いやいやそんなわけ…

ほんまや。(エセ関西弁)


その瞬間、私の熱は一気に上がった────

○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
事の発端は6月。ゴスペラーズ公式からのど自慢出演の知らせがあった。開催場所は北海道帯広市。道内在住の私にとってはなんとか頑張れば行けそうな距離。これは行けるのでは…!と期待を抱くも、「のど自慢 観覧 倍率」と調べたことによりその考えは打ち砕かれた。

「ゲストや開催地によるが数倍〜数十倍」

\(^o^)/
うちの家系は、驚くほどくじ運がなかった。だから、半ばここで諦めていた。

○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

巡り巡って8月。夏休みが終わったというのに、まだ応募さえしていなかった。ひより過ぎじゃボケェ
やっと応募に踏み切ったのは、締切5日前のこと。Twitterスペースを開きつつ皆様に見守ってもらいながら(聴き守る?)ようやく書き上げたのだった。

○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
そんなこんなで、当たってしまった。どうしよう。何着ていこう。ひょっとしてテレビ映っちゃう?5人と目が合ったりなんかしたら…!
完全に当時の私の脳内はお花畑。大丈夫じゃない。とりあえず回復に努めろ。

ルンルンとゲホゲホを繰り返しながら、療養期間は過ぎていった。
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○


9月24日。のど自慢前日。

私のテンションは、言うまでもなくぶっ壊れていた。課題が手につかない。これはまずい。

深夜0時

メンバーのTwitterやインスタの投稿を見漁って北海道の話を見つけては叫び倒し、両親に心配されながら夜は更けていった…

9月25日。のど自慢当日。

ついにこの日が来た。朝早く起き、今までで一番可愛い自分になれるよう頑張ってスタイリングした。普段あまりファッションに興味がない私がこんなにもおしゃれを意識するのは初めてのこと。まるで恋人にでも逢うようである。
秋晴れの空の下、私と父は帯広へ向かった。

午前10時45分。帯広市民文化ホール到着。隣の長崎屋に着いた時点で気分は最高潮。ホールのそばを歩く人々が全員ゴスマニに見えた。

帯広には何度か来たことがあった。温泉に泊まったり商業施設で帽子を無くしてギャン泣きしたり(結局見つかった)トリックアート展を観たり…結構思い出深い街なのだ。そんな街で、自分にとっての大切な1ページが刻まれると思うととても感慨深い。ホール前に着いた時点で私の頭の中には走馬灯が浮かんだ。(生きろ)

開場までそこそこ時間があったので、のど自慢パネルの前で写真を撮ったり、木陰で父と話したりしていた。そんな中、ふと周りを見るとゴスのグッズを持った方々が。嬉しすぎた。初めて生で観るゴスマニさんたちに大感動。さすがに不審者と化してしまうので話しかけには行かなかったが、しばらくキョロキョロしていた。それだけでも十分不審である。あのときいらっしゃったマニさんたちごめんなさい。

そして、11時15分開場。

結構混雑していたので、少し時間を空けて入場。興奮のし過ぎで体温が心配だったが、しっかりクリア。夢で観たこのホールについに来ることができた喜び、5人が同じ空間にいるドキドキ、そして感動…様々な感情が込み上げた。そして、父に「連れてきてくれて本当にありがとう」と告げ、大ホールの扉を開けた。

初めて来た場所なので、席の勝手が分からない。そこで、係員さんに聞いてみた。
私「あの〜○列○番ってどのあたりですか…?」
係「あ〜あちらですね!」

私は席の方を向いた。
ん???

…近くない?

これは初ゴスの人間には刺激が強すぎる。思考回路はショート寸前。危うく叫ぶところだった。

大パニック。早まるな。
実は一階席であることは知っていたのだが想像のウン億倍近かった。もう一組のゲストの岩崎宏美さんとゴスが座る予定の椅子がなかなかのサイズで見える。これは…(溶解)

その後は、緊張してトイレに行ったりTwitterを巡回したりホール内を見回したりとにかく落ち着かなかった。開演までの30分間がとんでもなく長く感じた。

11時45分、開演。

初めからゴスが出てくるのかと思って身構えていたが、最初に出てきたのはNHKのアナウンサーの方だった。NHKについてだけでなく帯広と深い関わりがあるようで十勝についての話などもしてくれた。いわゆる前説?緊張しきった心が少し緩んだ。
その次は、帯広の市長さん(!)のご挨拶。今回は帯広市140周年、市政執行90周年の記念で、その上市での開催は十数年ぶりだったという。(ごめんなさいあやふやです)それを聞いてとてもラッキーな体験をしているということを身にしみて感じた。
続いてはのど自慢の舞台監督さん。概要、注意事項、拍手や手拍子についてなどわかりやすく楽しく説明してくれた。
応援者がどこにいるかなどのカメラテストを終え、バックバンドと鐘の秋山気清さん、司会の小田切千さんが登場。すでに会場大盛りあがり。そして小田切さんのトークでこれまた大盛りあがり。このとき時刻は12時10分。私は覚悟を決めた。そして、ついにその瞬間は訪れる。

「お待たせしました!本日のゲスト、岩崎宏美さん、そしてゴスペラーズの皆さんです!!」

拍手喝采の中、遂に憧れの5人が目の前に現れた。信じられなかった。3月に出会って、来る日も来る日も観続けたひとが、すぐそこにいる。あの時、私は世界一幸せだった気がした。

12時15分、放送開始。

何度も聴いてきたメロディーが流れ、夢の時間がやってきた。私はとにかく笑顔で出場者の方の歌を楽しんだ。トークを楽しんだ。でもなんだか目が合ってしまいそうな気がして、そして恥ずかしくって5人を見つめることなんてできなかった。

とはいえ、観るところはしっかり観た。帯広市の紹介VTRが流れているときに村上さんが身を乗り出して観ていたり(さすが地理マニア!)、北山さんが出場者の方の歌を聴きながら揺れていたり、相槌がハモったり、2スペが揃ってサムズアップしたり、黒沢さんが大笑いしていたり、皆で立ち上がって拍手したり、みんな一斉にのけ反ったり…とにかく楽しそうで楽しそうで仕方ない。「私が観てきた大好きなゴスペラーズ」がそこにいた。

出場者の方々の歌が終わり、ついにゲストの歌へ。小田切さんが話している間に、5人がスタンバイ。心臓が今までにないくらいに高鳴っていた。

「それでは、ゴスペラーズの皆さんで『Sounds of Love』」

始まった。自分の前で大好きな5人が歌ってくれる。こんな幸せがあるだろうか。私は周りの観客の人々のように左右に体を揺らすこともできず、この時ばかりはただただ5人をじっと観ていた。

酒井さんの静かなリードで始まるこの曲。サビになるにつれ力強く柔らかく、美しいハーモニーがホールを包んだ。歌声に抱きしめられるようだった。初めての感覚。これは生だからこそ味わえたこと。逢いに来られて良かった。本当に、この惑星に生まれ、この時代を生きてきて良かった。そう心から感じた。

そんな中、私にちょっと事件が。曲中5人を見つめていた時、誰かの視線を感じた。その正体は…

安岡優氏。

ゆったりと曲に合わせて揺れながら、こちらをにこにこしながら観ていた。は??え??幻か??微笑んでる!?!?
目が合うと噂には聞いていたけれど、まさか私が…。顔が真っ赤になった。思わず目を逸らしそうになったけれど、こんな機会もう無いかもしれないと思って私も見つめてしまった。
(色んな方に幻覚じゃないと言ってもらえたけどまだ幻覚だと思ってる)

嘘みたいなことが次々起きた人生で最も濃い3分間だった。

13時、放送終了。

ここからは会場限定のアトラクション。まずはチャンピオンの方の歌唱から。この回は「永遠に」を歌唱された方が優勝。私もすごく嬉しかった。
ここでは基本ワンコーラスの歌唱なのだが、なぜか演奏がその後も止まない。まさか…と思った瞬間、ゴスペラーズが現れた…!
一緒に2番へ。チャンピオンの方にとっても、会場にとっても、きっと5人にとっても、素晴らしい時間だったと思う。本当に感動した。

そのままゴスペラーズの歌唱へ。その前に、帯広に来るのは結構久しぶりで嬉しい、とかチャンピオンと一緒に歌うのを提案したのは北山さん、とかのど自慢またぜひぜひ呼んでください!とか和気あいあいとした雰囲気でトークがなされた。私ニヤニヤ。(気持ち悪い)

そして。

「それでは、歌のご準備を」司会の小田切さんがそう言うと、会場の空気は一変した。客席の照明は消え、暗闇に5人の姿が浮かび上がる。北山さんの手元には、キラリと光る音叉が。音を取り始めたとき、マイクを通さない声が私の心を震わせた。歌い始めたのは

「星屑の街」

私はこの曲に救われ続けていた。高校に入って、不安だらけで毎日疲れ切っていたけれど、大好きなひとが紡ぐ言葉が私の心のエネルギーになって、ここまで生きて来られた。特にこの曲の「大丈夫」という言葉は大きな推進力になった。
勘違いなのは百も承知だけれど、この日の星屑の街は、自分へのエールに聴こえた。優しくて、温かい。ぽん、と背中を押してくれた気がした。

この曲をここで聴けたことは、一生忘れられないし、忘れたくない想い出になった。

○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
会場からの割れんばかりの拍手の後、5人は「ありがとうございました!ゴスペラーズでした!」と告げて、手を振りながら去っていった。私も一生懸命手を振り返した。ありがとう。また絶対逢いに行く。大好き。そんな思いをこめて。

○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

夢の時間が、終わってしまった。

ホールを出たあと、会場の前で記念撮影。離れたくはないけれど、次の日は月曜日。帰らなければいけない。今年はもう5人に逢えない。このときに新大阪を聴いたら泣いていたと思う。うしろ髪を引かれる思いで駐車場へ向かった。


下は駐車中の車の中で急いで描いた絵。本当にこんな感じだった…

○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
別れが寂しいというようなことばかり書いてきたが、実際にはそれだけではない。大きな満足感と新たな翼を手に入れた気分でもあった。私にはゴスがいる。今日の記憶があれば生きていける。また、逢いに行く。そのために生きる。私は帯広の地で、そう誓った。

またいつか

○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

あとがき

のど自慢レポを書くと言っておきながら投稿まで4ヶ月もかかってしまい申し訳ありません🙇🏻‍♀️実はイラストも書いたのですがうまく行かなかったためボツにしまして…気づいたら年を越していました💦

順序的におかしいですがゴスマニになったきっかけなどをまとめたいわゆる「沼落ちブログ」も今度書いてみようと思います!

このようなレポとも言えないような長文駄文自分語りを読んでいただき本当にありがとうございました!!!!!

ゴスペラーズ大好き!!!!!


P.S.
酒井さんが帯広で食べた「ふじもり」さんの豚丼、私も食べてきました。本当に美味しかったです…!(でも写真撮り忘れた)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?