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忘れないサイトウ・キネン・オーケストラ2004

私は高校3年間、大学2年間。学校の授業と
睡眠時間以外の大半をコントラバスと一緒に
過ごしました。

本当はオーボエがやりたかったのですが、編成上
私の入部の年には、オーボエの採用はなく。
それでも低音楽器に出会えて、本当に素敵な
学生時代を過ごしました。200人を超える編成の
オケのステージにも大学の時にはのることができましたし。
ピッチ合わせと基礎練習で1日明け暮れていた
時期も今では楽しい思い出です。

コントラバスのおかげで、Jazz研にも吹奏楽にも
オケにも誘ってもらうことができて。
今の私がいます。

さて。前置きが長くなってしまいましたが
表題の通りサイトウ・キネン・オーケストラ
小澤征爾さんの話をここでは書こうと思います。

小澤征爾さんが指揮のサイトウ・キネン・
オーケストラを生演奏で聴く
(それも最高の席で)
というのは、私の大学生のときからの夢でした。
それが叶ったのが2004年の松本公演でした。

この先いろんな音を聴く機会があると
思っていますが、それでももうこの音を
超えるクラシックの演奏はないと
思える出会いでした。

オーケストラ全員の音がユニゾン。
ピッチも鳴るタイミングも本当にぴったり。
迫力が違いました。
私は弦楽器の音で、本当に体に迫る
音圧を感じたのは、
あれが初めてだったと思います。
J.S.バッハ(斎藤秀雄編曲)
「シャコンヌ」の演奏

少し伝わるでしょうか。
小澤先生が1曲だけタクトをふられた2010年の
チャイコフスキーの「弦楽セレナーデ」
同様に素晴らしいです。
オケの皆さんの小澤先生へのリスペクトも強く感じます。)

特に2004年の公演で忘れられないのが
《ヴォツェック》
ドイツ語がわかるわけもなく。ただ本当に
音が最後まで緊張感をもってその舞台を
表現し続けてくれて。
私はオペラを初めて生演奏で通して
聴きましたが、泣いてスタンディング
オベーションをしたのを今も覚えています。
聴く側も気を抜くことなく、
必死で受け取りました。

またこのオペラのステージ美術も本当に
素晴らしかったです。
私は無機質な表現の中に、登場人物の
強い感情をみて、感動のあまりクラシックの
演奏で初めてライブTシャツを買って、
今も家でたまに着ています。

(クラシックでグッズを販売していることも、
なかなかないのですがTシャツの写真は愛用して
いるのでかなりつかれてます。悪しからず。)

小澤征爾さんは、ステージが終わると
全楽器に微笑みと拍手を送って
ステージを去られる姿も大好きでした。
見ている私たちも本当にあたたかな
気持ちになりました。
(2024年のご逝去に接し、
謹んでお悔やみ申し上げます。)

忘れられない公演。
あなたはどのステージを思い出すでしょうか。