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OMORI ネタバレ感想

steamのゲーム『OMORI』サニールートをクリアしたので感想メモです。全編ネタバレです。

※プレイする前の知識
・夢と現実を行ったり来たりする
・ホラー要素がある
・主人公が自分の罪と向き合う要素がある




・ホワイトスペースから始まるプロローグ、スケッチブックの絵に「ヴァッッ」となった。OMORIはジャンプスケアの少ないゲームだけとこの絵はくるものがあった。
あとナイフを触った時の『刺す』でターゲットを選ぶとき、「今は自分だけが対象だけど、これって自分以外の誰かを選んで刺すこともあるのかな……」と思ってびくびくしていた。

・チュートリアルで戦闘のルールを教えて貰うも、結構ルールが難しくて「やばいついて行けないかもしれん」と思って落ち込んだ。にこにこ→いらいら→しょんぼり→にこにこの三すくみが特に難しい気がする。直感的に理解しづらいというか。
あとやるき解放のコマンド受付が結構短い時間なので、RPGなのにここまであくせくする必要があるのか、、と尻込みした。慣れてきた中盤以降は楽しかったんだけどね。

・仲間の名前がケル、ヒロ、オーブリーなのも直感的に理解しづらいよ~覚えづらいよ~と不安になっていたが、ケル=蹴る、オーブリー=大振り…?と考えると一気に覚えられた。でもOMORIはもともとは英語版しかない作品だったので、この語呂合わせはたまたまかもしれない。

・オモリの初期スキルに「刺す」があるのにびっくりした。他の仲間の倫理観や情緒は一般的な子供のものに近かったので、この夢世界はオモリが作り出したものなんだな~とプレイしながら思った。ナイフで刺しまくってる子をみんながにこにこして受け入れてるの、オモリが常識改変しているようにしか思えなかったし。
あと夢世界とはいえマリのセーブポイント出現は物理法則を超越しているのでは?と思ったので、マリに特別な何かが起きてて、現実世界ではもう死んでるのかな~とは察しがついた。

・エネミー図鑑の苗モグラ相手のオモリのコメントが辛辣すぎてビビる。
海外の作品は日本の作品と少し感性が違うところがあるからそういうあれかなと思っていたが、他のコメントも合わせて読むとここのオモリが辛辣すぎるだけだったようにも思える。苗モグラの何がそんなに気に入らないんですか…

・サニーの家の電気が消えて暗くなってる状況、怖い怖くない以前に「マップが見えなくてとてもだるい」という気持ちになった。階段で『なにか』と戦う時、やっとこれでイベントを進められた~!という達成感の方が大きかった。

この「ホラーシーンは怖いけど、それはそれとしてイベントを進められた喜びの方が大きい、むしろイベントをどう進めればいいかわからず止まってしまった時の方が怖い」というのはOMORIをプレイしていてずっと感じていた。
OMORIってマップが広い上にゲーム内で地図が確認出来ず、加えて次にどんなイベントを起こせばいいかのヒントも少ないので、ゲームの進行が止まることが度々あったのがきつかった。

・イセカイを探索するところあたりで、まだプロローグなのにストーリーが進まないし長いよ~~~~と思ってじわじわ辛くなった。でもスペース元カレ戦でドット絵で想像していたよりスペース元カレがイケメンだったので、プレイする元気を取り戻した。
ここに限ったことではないけど、OMORIって「戦闘で等身が上がったグラフィックだと美形&美人」がとても多かった気がする。

・「夢世界はオモリ=サニーが想像している世界なんだろうけど、現実では仲間たちとはどんな関係なんだろう。果たして仲間たちは現実には存在しているんだろうか」などと考えていたので、ケルがサニーの家に来たとき本当に仲間たちは実在していたんだ…と思って驚いた。ケルもヒロもオーブリーもサニーとは無関係な存在という可能性がワンチャンあると思ってた。

・オーブリーと戦うところ、え?サニーの今の武器、ナイフなんですけど……ナイフ振り回していいの?夢の中でもあんな感じだったし、ナイフを振り回してもいいという世界観なのかな…?と半信半疑でナイフで攻撃したらドン引きされて笑っちゃった。そうだよね。

・現実世界だとおやつを食べても全然体力が回復しないの、悲しすぎる。ナイフのくだりもそうだけど、夢と現実は違うっていう見せ方がうまい。

・あと現実世界の移動中に夢世界のモンスターがいる!と思って近づいてもスゥ…と消えていく描写になんかすごいダメージを受けた。夢世界のRPG長くてダルいよ~~~と思ってたのにいつの間にか愛着を持ってたんだなと思ってしまって……

・現実世界のケル、聖人すぎる。夢の中でもいいやつだけど、何年も引きこもっていたサニーに対してああいう対応が出来るのはあまりにも光属性でまぶしかった。自分のプレイデータではめちゃめちゃハイタッチしたけど、ケルとハイタッチしない実績もあるらしいのに笑っちゃった。悪魔か!?
あと現実世界のケルの目を細めてニヨッとした笑顔はめちゃめちゃかわいいと思う。OMORIのグラフィックは大体かわいいけどあのケルが一番好き。

・スイートハート城のくだり、長い。というか、スイートハート関連のエピソードは全体的に長くて、長いよ~~~という苦しみが常にあった。
関連キャラもBGMも皆好きなのにこう思ってしまったのは、サニールートの現実で何があったか気になるのに、夢世界パートが長くてやきもきしていたということなんだろう。

・スイートハート城でケーキを作るところで、最初ケーキっぽい材料を選んだ方がいいのかな?といちご・小麦粉・卵、砂糖などを選んだ筈なのに、名状しがたいものが出来上がってしまった。一度シェフ長を殺した後、ほぼ同じレシピでケーキが完成したのには微妙に釈然としなかった。

・「ヒロはイケメンでモテ男なのが長所なんだな」と思いながらプレイしていたが、ゲームを進めるごとにヒロは料理も勉強も運動もコミュニケーションも仕事も出来るド完璧超人ということがわかってびっくりした。二次元でもここまで出来た人間は中々見ない気がする。
クモが苦手という弱点はあるが、そんなの弱点とは言いがたいよ 「ギャップ萌え」というプラス要素にしかならないよ……と思った。無敵か?

・ケルが事前に「ヒロは前ほどは人を寄せ付けなくなった」って言ってたから、夢の中では穏やかで優しいけど現実世界だとヤバめなイメチェンしてたりする…?と戦々恐々としてたけど、相変わらず優しいし気遣いの出来る超人で良かった。あと体力が200以上あって戦慄した。事情があるとはいえサニーは80なのに…!?

・ヒロがお母さんの花のためにお金をサニーにくれるところ、お花はひとつにつき2ドルだからお金が余ったけど、サニーはヒロに返してくれるよね?と思いながらプレイしてたけど、終ぞ返すことがなくて笑ってしまった。返せよ

・北の海でオモリが水恐怖症を克服するところで現われたマリ、切ない。このマリはサニーの妄想じゃなくて本物のマリの霊であって欲しいな。

・サイゴノ楽園で記憶を消されて鮫羽田社長に秘書にされてるヒロ、なんか…………インモラルじゃないですか!?
ヒロが結構ちゃんと好意をマリに示してるのかわいいなと思ってずっとヒロマリ派だったのに、鮫羽田社長と妙に距離の近いツーショット撮ってるヒロで動揺してしまった。鮫羽田社長は絶対にコアな人気があるタイプだと思う。

・夢世界では「バジルくんを探そう」という目的がずっと掲げられているものの、でも現実世界でヌルっとバジルくんに会えたじゃないですか…?なんでここまでして夢で探さないといけないの?これ、何の時間なの……?という気持ちが強くなってきたあたりで、仲間たちもバジルのことを忘れていくのが何だか怖かったし、構成が上手いなあと思った。マリのサブクエ管理の未解決に『バジルくん』が残ってたのに、いつの間にか消えてるのも怖かった。

・「シンエン井戸」って、イド=無意識の領域のこともかけてるのかな。OMORIはもとは英語版しかなかったしこの辺の語呂合わせもたまたまなんだろうか。

・スペース元カレ×スイートハートのカップルが結構好きで、スイートハート城で結婚したときに本気で良かったねと思っていたので、スピード離婚してたのはめっちゃ悲しかった。
でも、何度も離婚するけど何度も結婚するみたいなカップルもたまにいるし、スイートハート達はそうなれるんじゃないかなあ……と思っている。スペース復縁しろ。

・ハンフリー戦終わった後、「割とボスが強かったな。今後に備えて物資を備えよう」と思って、ヨミジャムや全体回復系のアイテムを買い込んだのに、その後夢世界でのバトルが一切発生しないのに笑っちゃった。徒労

・ブラックスペース内でニャーゴを解剖するくだり、えっ、ニャーゴを解剖しなければいけないんですか、、、、、!!????この自分がどんな状況に置かれているか理解していないニャーゴを……!!!???!!???ヤダヤダヤダヤダヤダヤダあっオモリを刺すことも出来るんだ!!!!刺す刺す刺す刺す刺す刺す!!!!!!!ってオモリを秒で刺した。ニャーゴを解剖する以外の選択肢も残してくれた開発陣に感謝したい。

・オーブリーの家の中がゴミ屋敷になっていることについて、仲間が特に何も触れずに進行してびっくりした。何かイベントがあってオーブリーの家の状況を変えるみたいな展開になるのかなと思ってたら何もなく……そ、そういうものですか……と思った。
このゲームの中にカウンセリングを受けた方がよさそうな人はいっぱいいるけど、オーブリーの母親とサニーの母親は適切なケアを受けて欲しいな…と強く感じた。大人だからこそ、精神が不安定になっているにも関わらずそのまま放置されてしまっている、みたいな印象を受けてしまって……

・夢のバジルくんを助けるか助けないかのところで「助ける」を選択したのにオモリがプレイヤーの手を離れてバジルくんを刺したところ、「これはバッドエンドに行ってしまったのかな。何らかのフラグが足りなかったのか」「やはりバジルくんの花を枯らしたりちょこちょこ夢のモンスターを殺害したのは良くなかったのだろうか」と色々考えてしまった。

・サニー家のツリーハウスに行くところの木がいっぱいあるところで、サニーくんたらまた夢世界に行ってしまったのね……と思ったが、どうやら現実世界の描写のようでびっくりした。サニーの家、広いんだな……。

・マリの真実のアルバム、これはバジルくんが激写したってこと……?だとしたら流石に連写しすぎじゃない……!?と思ったので、ここの写真は恐らくイメージで、実際はバジルとサニーが目撃したことをゲーム的に描写したってことでいいんだろうな。

・「サニーがマリを殺した」という表現がゲームの中に度々出てきたと思うんだけど、真相を知った上で、これは……事故じゃないか?サニー、そこまで己を責めなくても良くないか?と思った。でもバジルとサニーで細工したのがトドメになっちゃったんだろうな~マリが階段から落ちた時点で人に伝えられていればな……

・サニーやオモリに執拗についてくる一つ目の影=マリなのかな?とは何となく思ってたけど、あの姿の真相が怖すぎて震えた。
夢世界では戦闘不能になる=トーストになることで、何か「死」が軽いというか、死んでも取り返しが付くという世界観なのかな、いや戦闘不能と死は別の概念だろうけど……などと考えていたので、真相を知ってあ~…………と思った。真相を知ると、夢世界のあれこれが何もかも悲しい。

・夢世界の「プレゼント」の効果が「いらいら」だったのに、オモリのプレゼントに対する解釈は刺々しいなあと思っていたけど、真相を知ったらめっちゃ落ちこんでしまった。人に高額なプレゼントを渡すってあんまり良くないね。呪いの装備みたいになってしまうから……

・バジルくんの過去~サニーと対決するあたりのバジルくんの激重感情がすごくて、なんか笑ってしまった。サニーとバジルくん、京極夏彦作品の住人か何かか?
OMORIはゲームという媒体が合ってる作品だと思うけど、この辺のくだりの声優演技を聞いてみたいなという気持ちが湧いた。OMORIはコミカライズするみたいだし、アニメもワンチャンあるのかな。

・演奏する前のケルの「悪いことをしたとしても悪人とは限らない」みたいな台詞が良すぎる、泣けた
現実世界のケルが実際にこういうことを言うかはわからないけど、言う可能性は大いにあると思う。

・サニーが病室で目覚めて廊下に行くくだり、夢のオーブリー&ケル&ヒロが上の方に向かっていったけど、今のサニーには夢の仲間はもう必要ない筈だ!と考えて下の方へ行ったらグッドエンドを迎えた。
この辺り、バトルでコンティニューするか否かでバッドエンドになってたらしいね。危ねえ~~~~。あと一日…って、(サニーやバジルの命が)あと一日…っていう意味も含んでるんだな。
それはそれとして、こんな最後の最後まで夢の仲間が現われるんだと思うと、サニーにとって夢の世界も本当に大事なんだなと思って胸が締め付けられる。

・OMORIのストーリーは、サニーの心情がわかるかわからないかで評価が分かれそうだなと思った。
私は割と「わかる」寄りだったので、サニー(オモリ)が夢の中で楽しい冒険をしているのも、仲間にバジルを忘れさせたのも、ブラックスペースでバジルを血祭りにあげてたのも「まあそういうこともあるよね」と思えるのだが、「夢世界のオーブリーはオモリが大好きだが、オモリはそれに気付いていない」という設定にしていることについては「サニーって気持ち悪いな」って素で思ってしまった。
現実世界の昔のオーブリーとサニーの描写はすごく微笑ましいが、夢世界のあれこれを踏まえて今の二人にくっついて欲しいかというと、うううううん…………

・サニールート終わり後、おそらく仲間たちは何やかんやでサニー(+バジル)のことを受け入れるのだと思っている。
でも、それはそれとして、サニーは「罪を告白して仲間に受け入れて貰えなくても構わない」という境地になれた方が良かったんじゃないか?と思っている。仲間の反応が芳しく無かった場合、サニーもバジルもまた闇を抱えてしまうのかな~と思うとつらかったので。
でも、サニーは一人になるのが嫌いだからそういう気持ちにはならないのかな。そもそもゲームとしては寂しすぎる結論になってしまうか。

・サニーがバイオリンを弾いているところは絵になるな~と思う一方で、本編があれだとサニーにバイオリンを弾いてほしいと願うのはちょっとためらってしまうな……と思った。完璧な演奏を目指すのがストレスだっただけで、趣味程度ならまた弾いてくれるかな。

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