週末のしとろん

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週末のしとろん

spoonで主に活動中。 ファンタジーが多いです。 ポエムや小説は無料で朗読台本としてご利用いただけます。その際は、タイトル・説明・タグのいずれかに「作:週末のしとろん」を入れてください。 コピーで使用したり、ご自身のイラストに合わせる場合などは、ご相談ください。

マガジン

  • 【小説】ククリ物語

    その国では、自殺しようとした人々はある場所へと連れ去られます。 そこで出会う少年少女たち。交錯する自我。 ローファンタジー。 更新頻度は気が向いたら。

  • フリー台本

    朗読等に、以下の条件でご自由にご利用いただけます。 タイトル・タグ・説明本文・サムネイル画像のいずれかに「作:しとろん」と入れてください。 使用報告は任意です。ご報告いただけると私が幸せになります。

  • ポエム・その他

  • ハロウィーン

    ハロウィーン2023

  • ポエム・夜

最近の記事

ククリ物語 2話

 結論から言って、今日一日、ルカの様子におかしなところは何もなかった。  違和感が気になって、様子をうかがっていたアキラだったが、本当に杞憂だったのかもしれない。  授業も全て終わり、後は部活に行くか帰るだけ。とりあえず部室に顔を出してから考えるか、などと思っていると、ルカが教室を出ていくのが見えた。  体育館とは逆方向に歩いていく。  胸騒ぎがした。  今まで、部活は絶対に休まなかったのに。  スマホだけ持って、すぐにルカの後を追う。  渡り廊下を抜けて、ルカは1、2

    • ククリ物語 1話

       「おはよう、アキラ」  その日、ルカはどこか吹っ切れた声をしていた。言うまでもなく、アキラはそこに違和感を持った。  嘘くさい? 演技っぽい? いいや、そういうわけではない。作り物ではない感情、さりとて誇張でもない。 「おはよ……。何かあったのか? お前」  訝しんで言うと、ルカは声を上げて笑った。 「何って? 何もないよ。変なヤツ」  そう言って笑いながら、ルカは自分の席に着く。  神成 ルカ。小学校の同級生で、バスケ部。成績は中の上、運動も当然できる方。イケ

      • ククリ物語 序章 

         まるで「これから自殺しますよ」とでもいうかのように整えられた、誂えられた、お膳立てされた、そんな浴室にとって、それは明らかに異物だった。  浴槽のヘリにそっと置かれた、深緑色の封筒。中には何も書かれていない、真っ白な便箋。  文字ではなく、その存在をもって、手紙は雄弁に語る。 「この部屋の持ち主は、自殺したのだ」と。  だが——自殺したからと言って、死んだわけではない。

        • 異世界カフェ・ヤドリギ 懐古の香り

          備考 アレンジ自由。その場合、「原案:週末のしとろん」と明記お願いします。 使用時はご一報いただけると嬉しいです。 使用する場合は「台本:週末のしとろん」と明記お願いします。 登場人物 主人公 性別はどちらでもよい     空気の精霊に近い存在     体を大気に溶け込ませることができる 狼男  体長170cm程度の人狼     主人公と同族の知り合いがいる 本編  店内の音(お湯が沸く音・静かなBGM等) ドアが開く(カウベルの音) 店員「いらっしゃいませ。

        ククリ物語 2話

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        • 【小説】ククリ物語
          2本
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          36本
        • ポエム・その他
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          1本
        • ポエム・夜
          3本
        • 【小説】僕の学校の異端先生
          7本

        記事

          【ポエム】電子レンジ

          私を、呼ぶ声がする 来て、早く来て、って 待って、今行くから もう少し待ってて その言葉を遮って、また 何度も何度も私を呼ぶ 私の言葉なんて聞きもせず 早くしないと 早く来ないと 大変なことになっちゃうよ 最後はまるで、脅しのように ちょっとちょっと、拗ねないで 手が開かなかっただけなんだって いつもありがと あなたのおかげで あたたかいご飯が食べられるし ご飯の準備も時短でできる だから、これからもよろしくね

          【ポエム】電子レンジ

          【ポエム】熾火

          たわみ、もつれる糸玉の 端から溶けて消えてゆく 灰の一粒 鼠一匹 残さずに ほどけて消える 熾火を抱いて この目が最後に見た光が あなたであって 本当によかった

          【ポエム】熾火

          アリスを追って

          こぼれていく かけらに 意味があるのか、あったのか そんなこと どうでもよかった どうだってよかった 「意味」に意味なんてなくて あの子はただ理由が欲しかっただけだ 空洞化していく言葉じゃ軽すぎて 何も繋ぎ止められやしない

          アリスを追って

          【ポエム】溶け残る

          今日も、よくがんばった そんなことを思う間もなく 気がついたら眠っていて どろどろのまま目が覚めて 溶けかけのまま1日を過ごして 今日もまだ「私」の形は残ってる

          【ポエム】溶け残る

          ハロウィーン 0.始まりの詩

          ver.1 その人間/化物に 呪いを その人間/化物に 祝福を 人も人でないモノも 今宵ばかりは対等に 宴の音は 篝火の明かりは 誰にも等しく訪れる その姿は 果たして仮か それとも真か さァ、始まりだ 境の扉が、今、開く! ver.2 その人間/化物に 輝ける呪いを その人間/化物に 濁りゆく祝福を 呼び名は確かに異なれど どちらも等しく『贈り物』 来たる夜のための捧げ物 刮目せよ 傾聴せよ 隔絶の扉に 鍵は差し込まれた 時は迫っている 境界が揺らぐ す

          ハロウィーン 0.始まりの詩

          翼鯨の最期

          ラフィアが渾身の力を込めて投げた氷槍は、稲妻を纏い、翼鯨ニアルスに深々と突き刺さった。 ニアルスは尾をばたつかせ、のたうち回る。 右のこめかみから、勢いよく血が吹き出した。先ほど、カイナが短刀で抉った傷である。 巨大な皮膜でできた翼を何度も雲海に叩きつけ、身体を捻り、吼え猛る。数百匹の結晶魚がその腹の下敷きとなって死んだ。 だが、凍れる槍は鯨の腹にしっかりと埋まり、その身を冷熱で灼き続ける。 やがてニアルスは、ゆっくりと、しかし確実に動きを鈍らせ、少しずつ、雲海の中に

          【ポエム】眩惑

          あたしが あなたに眩んでいる間に あなたはもっと先へ行くのでしょう あなたの残像に恋する間に あなたはもっと先へ行くのでしょう その姿も声も、幻で、不確かで 何にも触れない この指先が あなたの背中をかする時 あなたは ただの瓦礫になるのだわ

          【ポエム】眩惑

          【ポエム】白き月の光

          月が夜だけのものだと 誰が決めた? 闇に生きるものたちが眠りにつき 陽の下で生きるものたちが目覚める前 暁の空の色は 消えていく月の光は 今だけは確かに 私たちに降り注ぐ

          【ポエム】白き月の光

          【ポエム】月夜に降る

          ひとひら ひとひら 舞うように ひらり ひらり降る 花のひら そっと 手のひらで受け止めて そっと 地めんに横たえて 積もる 月夜の花畑 おやすみ おやすみ 頬を撫で 過ぎ行く夜風 星の光は やわらかく 雨上がりの地めんも ふかふかに ひらり ひらり降る 花のひら 誰にも内緒の 花畑

          【ポエム】月夜に降る

          【ポエム】十六夜

          星の光と戯れて 今日も空虚な雲を吐く 遠くで聴こえる歌声に 聞き入った先、水滴の音 髪を撫でるのは そよ風だけ 月はぼやけて溶け落ちて 波紋を残して 兎は飛んだ

          【ポエム】十六夜

          僕の学校の異端先生 初めに

          この小説「僕の学校の異端先生 口裂け女」は spoonの声劇「僕の学校の異端先生」(作:TC.LENNY)を原作に作られております。

          僕の学校の異端先生 初めに

          僕の学校の異端先生 口裂け女⑥【最終章】

          終章 金城彩音  口裂け女をぶっ飛ばした後は、さっさと帰ろうと思っていた。だが、襲われていたのが知り合いだったのがマズかった。隣のクラスの山田は、いったいこんな時間まで何をやっていたのか。いい子はお家に帰る時間だろうに。ぐすぐすと泣きつかれては、ほっといて帰るわけにもいかない。家に帰り着くまでの間に、別の妖怪に襲われても面倒だ。  小さくため息をついて、へたりこむ山田の隣にかがむ。 「山田って家どこだっけ。送ってくよ」 「うっ、うっ……」  涙をぽろぽろこぼして、山田はしゃ

          僕の学校の異端先生 口裂け女⑥【最終章】