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化学業界での代理店(商社)はどんな役割?【国内編】
私は海外市場も担当しながら、国内市場もずっと担当しています。
入社から3年は国内市場一筋でした。
今回は、国内化学業界での代理店(商社)の役割について、記述したいと思います。
自分は化学業界の経験しかありませんが、知り合いから聞いている限りは、他業界も同じ様な役割を担っていると思います。
結論
一言で纏めると、サプライヤーとユーザーのクッション材の役割。
※調べてみると、「代理店」と「商社」はそれぞれ違った定義があるみたいですが、この業界では「代理店」=「商社」と認識している事が多く、本投稿でも「代理店」で統一させてもらいます。
代理店を通して販売する際の商流
冒頭述べた様に代理店というのは、サプライヤーとユーザーのクッション材の役割を担っています。
実際のお金の流れとしては、「ユーザー」→「代理店(時には複数社)」→「サプライヤー」です。
しかし日本国内の場合、製品の流れは、「サプライヤー」→「ユーザー」とサプライヤーから直接納入します。
日本の代理店(商社)が海外から製品を輸入して、日本市場で販売する際は、代理店の倉庫で在庫する事が多いです。
つまり、実際の売買は下記の様な流れになります。
➀ユーザーが代理店に注文する
②代理店がサプライヤーに注文する
②サプライヤーは直接ユーザーの指定場所に商品を納入する
④、⑤支払い条件に従って、支払いが行われるが、その過程で代理店はマージン(手数料)として幾らか収益を得る
何に対してのマージン(手数料)なのか?
事情を知らない人であれば、サプライヤーがユーザーに直接納入しているなら、何に対してのマージン(手数料)なのか疑問に思うかもしれません。
支払っているのは、日々の働きに対してのマージンです。
分かりやすい表現を使うと、「日々サプライヤーに変わって、顧客の面倒を見てくれている事に対しての支払い」でという事になります。
化学メーカーの営業はあまり顧客訪問しない?
化学メーカーの担当は、一人で30~50社を担当してるケースが多いです。
重要顧客であれば定期的に訪問(それでも1カ月に1回?)しますが、それ以外の顧客への訪問回数は限らています。
顧客によって、1~2カ月に1回、4~5カ月に1回、1年に1回と訪問する回数は違ってきます。
購入金額が少ない顧客であれば、1回も訪問した事の無い顧客も存在します。
一方で代理店は、一つのサプライヤーのみの商品を顧客に卸しているのでなく、複数のサプライヤーの製品を卸しています。
取引金額が大きい顧客へは、毎週訪問する事もあります。
そのためサプライヤーよりユーザーと過ごす時間が長く、良くも悪くも深い関係を築いています。
時にはサプライヤーから直接言い辛い事を代理で伝えてもらいます。
最たる例が、納期遅延案内や値上げ案内などです。
代理店は不要?
ここまで説明してきて、サプライヤーの営業担当がもっとしっかり仕事すれば、「代理店は不要では?」と思う人もいるかもしれません。
極論言えば、その通りです。
ただ、化学メーカーの営業は、顧客との面談以外にも、技術、製造、法務、その他社内の部署との打ち合わせの予定などもあります。
よって、全顧客へのきめ細かい対応が難しくなります。
そのため、代理店へはマージンを支払いして、日々の顧客対応や情報収集の役割を担ってもらっています。
個人的には、お金を払ってでも代理店を通じて商売するべきだと考えています。
そうする事によって、付加価値を生む業務に時間を使える様になるからです。
最後に
最後に代理店を通して商売する事によってのメリットとデメリットを箇条書きにまとめます。
メリット
・細かいユーザー対応を代理で行ってくれる
・経営に不安がある顧客と直接口座を結ばす、間接的に取引可能
・変わりに営業活動してくれる(深い話になれば直接顧客面談)
・場合によってはサプライヤーと顧客で揉める話も、間に入ってまとめてくれる
・代理店が他の業界でも商売している事も多く、別業界の情報も聞ける
デメリット
・細かいユーザー対応を代理で行ってくれる
・経営に不安がある顧客と直接口座を結ばす、間接的に取引可能
・変わりに営業活動してくれる(深い話になれば直接顧客面談)
・場合によってはサプライヤーと顧客で揉める話も、間に入ってまとめてくれる
・代理店が他の業界でも商売している事も多く、別業界の情報も聞ける
個人的には、代理店の方々には大変お世話になっているため、その存在は非常に有難いですし、世間にはたくさんの代理店さんが存在している事から、その存在意義は高いと考えています。
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