コロナの状況を時系列で知りたい件 Part2

今週からいよいよ非常事態宣言が東京はじめ都市部で発令されてますね。どうやらこの状況は少なくともGWまでは続きそうです。

ところで、相変わらずテレビ中心に、メディアでは毎日の新規感染者数ばかり報道されていて、その中での重症者数や死者数の推移が注目されることが少ないような気がします。一応、僕は厚生労働省の発表資料を毎日チェックして数値をアップデートしており、各種データを時系列で追っています。

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まずはよく報道されているこのグラフです。こちら、症状の有無は問わずに入院者数をプロットしたものだったのですが、先日から無症状者や軽症者はホテル療養等に切り替わったので、若干データの定義が揺らいでます。ただ、厚労省発表資料の「入院治療を要する者等」という項目の数値なので、おそらくホテル療養の方も入っているのではないかと思われます。

で、報道の通り、最近の増え方はいわゆる指数関数に突入した感があります。ただ、ここ数日はPCR検査の母数自体が爆発的に増えているという説もあるので、あまり気にしなくて良いのではと個人的には思っています。

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続いて、日毎の重症者数。これが、2日前までは増加率に特段変化がなかったのですが、昨日今日と急に増えてきています。ちなみに、今日時点での重症者数は前日比10人増えて109人です。厚労省からの軽症者等のホテル療養への切り替え通知が4月3日だったので、病院のキャパシティを考えるとかなりギリギリのタイミングだったのかと個人的には思っています。

また、この重症者の方 109名については、年齢別の内訳を観察することも重要かと思います。

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こちらも厚労省のHP上で毎日更新されるデータなのですが、年齢階級別でこれまでの陽性反応者のうち、一番下の赤字が累計死者数、その上の濃い色付き部分が現在の重症者数、その上がその他というようになっています。
ちなみに、このうち重症者数と死亡者数については推移をとっています。

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3/30からで恐縮ですが、ご覧頂いてわかる通り、10代と20代では現在のところ重症者は1人も出ていません。特に、20代は感染者数で最多であることとは対照的な結果になっていると思います。
また、本日の重症者10名増のうち、60代が6名、70代と80代がそれぞれ1名ということで、60代以上の方が8名占めるという形になっています。やはり、高齢者の方の重症リスクが高いということはこのことからも明らかなようです。一方で、ゼロでないとはいえ、感染者数のボリュームゾーンである40代以下においては重症化の可能性は現状ではかなり低そうです。

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続いて、最初の入院者の値に占める重症者数の割合の変化です。ここ数日は概ね2.7%前後で推移しており、新規陽性者に占める無症状〜中等症までの患者の割合は日々増加していると考えられます。この状況(医療キャパシティの相対的な逼迫)には、やはり一部をホテル療養等に切り替えるという判断が効果を発揮してくるのではと思われます。

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最後に、亡くなった方の人数ですが、現在このような形で推移しています。こちらもここ10日間ほどは傾きが急になっています。が、5日ごとの平均で観察しますと、日毎死者数の数値が、3/31〜4/4で3、4/5〜4/9で3.2となっており、ここ10日ほどは若干の増加傾向で止まっていると言えます。これは欧米諸国で短期間で爆発的に死者数が伸びていったことを考えると、やや前向きに現状を捉える要素であると個人的には思います。

現在の日本の状況を発表資料をもとに時系列で整理するとこんな感じです。非常事態宣言が出たりして社会的には深刻さが一層増していますし、重症者数がここ数日でかなり増えている傾向にあることも踏まえて警戒は続けなくてはいけませんが、死者数や重症者の推移を年齢別に観察したりすると、これまでと大きく状況が変化した部分は限定的かと思われます。パニックにならず冷静にデータを観察しながら行動することが大事ですね。


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