「臨時交付金の使い方」

 テレビ局の報道やTwitterをはじめネット上で話題になっている石川県能登町の巨大イカのモニュメント。
 コロナ対策の臨時交付金を活用しての設置に、地元でも賛否が分かれていおり、どうやらネット上では否定的な意見が多いようです。

 令和2年第5回能登町議会(令和2年7月21日)で町から提出された一般会計補正予算の議案説明で、持木町長は次のように説明しています。 「(観光施設魅力向上事業について)町の観光施設に空気清浄機を設置するほか、 さらなる観光誘客や情報発信へとつなげるため、イカの駅つくモールを全国に発信するシンボルとして、巨大なイカのモニュメント製作に係る所要経費を計上しております」
 設置の狙いとしては、観光誘客と能登町にオープンしたイカの駅を全国に広めたいという思いがあってのことなのでしょう。
 議案については他の予算と一括で審議され、1名の議員からプレミアム付き商品券の販売方法に関しての質疑がありましたが、このモニュメントに関する質疑は一切ありません。また、議員7名で構成される総務産業建設委員会では、イカのモニュメントを海に入れて光らせたらもっと観光客が来るのではないか?という質問があったようですが、この委員会でもモニュメントに反対する議員はいなかったということが伺えます。

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 議会の閉会にあたって持木町長は、アメリカの宇宙飛行士ジョン・ヤングの「変えるにはリスクが伴う。変えなければもっと大きなリスクが伴う。」という言葉を引用して、新型コロナウイルス感染症がもたらした困難に立ち向かうために、新しい社会に挑戦することへのリスクにためらわず、勇気を持ち知恵を出し合い、一致団結して前進していこうと挨拶をしています。

 巨大イカモニュメントの設置により、私も含めて多くの方に、「能登町=イカ」「イカの駅」「巨大イカモニュメント」というような情報を伝えることには成功したのではないでしょうか?                          設置に賛否はありますが、ネット上で話題になることを予想しての事業であれば計算通りなのかもしれません。また、現在町ではモニュメントの愛称も募集しています。能登町にふさわしい名前をつけて、コロナ収束後に新たな取り組みを行い、それにより関係人口や交流人口を増やし地方創生につなげていく。そんな期待もあるのかもしれません。

 能登町についてネットで情報を収集していると、自治体だけでは解決できないような問題に直面していることが分かりました。北朝鮮や中国による密漁が横行しているというニュースを目にした方も多いかと思います。

 トップが地元の不安に向き合い、イカの町を守る、地域経済を守るのだという姿勢を示すためにもモニュメントを作ったのか?そんな印象も抱きました。外国漁船の密漁により漁獲量にも大きく影響が出始めていること、一自治体だけで対策できる事案でないことも事実です。

 町民の方はどう受け止めているのでしょうか?中日新聞の記事を紹介しますのでご覧になってください。

 この「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」については、私も幅広く活用できる事業であることを理解しつつ、美瑛町の予算の執行について適切かどうか検討しながら議会で質疑を行ってきました。
 町民の方も驚くような事業で賛否も分かれ様々な意見もあるようですが、せっかくできたこのモニュメントが能登町の観光振興や産業振興に大きく寄与するものになることを祈念しています。

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