潮感ex-ガンダムX全話感想-1~10話

※これは、2016年頃に何度目かのガンダムX全視聴時に潮屋がリビドーの赴くままに書きなぐった感想文である。


■ガンダムXとは?

 「機動新世紀ガンダムX」は1996年に放映された、平成ガンダム三部作の三作目である。G、Wに比べて大変地味な作風で、そのために長らく日蔭の存在であったが――だがしかし! だがしかし!! 僕は全ガンダムの中で一番好きなのだ! 偏愛しているのだ! 何故か!?

 ――それは、以下の感想文の中で明らかになっていくことだろう。


■前書き

 リアルタイムで幾度か観て既に好きになっていた。
 元々ガンダムよりザブングルだとかダグラムだとかボトムズだとかの、「荒廃した世界」「必死で生きる人々」というモチーフが大好きだったんですよね。通学時間の都合もあって、あまり観ることはできなかったのだが、それでも周囲が盛り上がっていたWよりも自分の琴線に触れるものがあるのを感じていた。

 大学生になって初めてのバイト代で手に入れたビデオデッキで、真っ先にレンタルして観た。それからというもの、1~2年に一度は全部観返す、マイ・フェイバリット・アニメになった。それがガンダムX。

 そして今日、十何回目かの視聴を開始した。
 それを記念して、今までやろうとも思わなかったガンダムXの全話感想を書いてみようと思う。頑張るぞ!


■第1話 月は出ているか?

 光岡氏の淡々とした、しかしどこか哀惜を伴ったナレーションで開幕。
 かつてあった戦争とその結果。ずらりと並んだガンダムXとビットモビルスーツが次々にリフレクターを展開し、強力なビームを放っていくシーンは今観ても圧巻である。これほど決戦兵器の名に相応しいガンダムは無かったんじゃなかろうか。コロニー落としが決行され、甚大な被害が出た地球を背景に、なお戦い続けるGXとフェブラルが虚しくも熱い。

 戦いは終わり、相打ちになって半壊したGXがフェードアウトした後、オープニング。1話のOPは意外にシーンが少ないことに今気がついた。兄弟も出てこないし、殺陣のシーンもない。ガロード→ティファ→ジャミル→GX→ウィッツ&ロアビィ→以上って感じでかなりあっさり。でもまあ、アバンが効果的に使われているので別に全然気にならない。贔屓目か? そうかも知れない。

 そんなこんなで本編。

 ネズミを追いかける双頭の蛇が何気に地球環境が汚染されてメチャメチャってのを端的に表してて、僕は凄い印象に残ってた。

 赤い2連星はNTって言葉は使わなかったんだなあ。

 パンクな野盗をぶっちめた後、ガロードがぶいってやるシーンが可愛い。思わず僕までぶいっしてた。

 助けにきたガロードに「待っていました」とティファ。この時点ではまだティファはオルタネイティブ社から攫われたばかりで、ジャミルとの信頼関係もできてないのかしらん? NTだからジャミルの真意には気づいているはず、とも思われるが。或いはGXと出会う夢に導かれたのか。いずれにしても、割と素直にガロードについていくのね。不思議少女可愛い。

 チェイスからのGX乗り込み→「神様信じる!」はご都合っぽく見えるんだけど、好意的に解釈すればそれらすべてティファの導きによるものなんだよね。何気に戦闘中、ティファがガロードにしがみついてて可愛い。

 1話の殺陣はパンチ一発とビームサーベル二振りとあっさりしたものなんだけど、どうしてどうして、結構迫力あるじゃない!

 そしてウッィツとロアビィに囲まれて「月は出ているか?」→上空に輝く満月を映し出して次回へ。

 うーん、背景世界の歴史、人々の生活、主人公の性格や行動力、ヒロインの特殊な力等々を過不足なく説明しきった良い1話じゃないですか!

 「馬鹿、徹甲弾だろ!」とか、ティファをさらわれて苦虫を噛み潰すジャミルとか、水の補給をするフリーデンとか、細かい演出がニクいと思うのよね。フリーデンの剥き出しになったパイプとかちょっと可愛いよね。まあとにかく、この世界で生活してるんだなー、きちんと感情も背景もある人間なんだなー、って実感できる描写があって僕はとっても好きなんだな。絵は鋭くないし派手でもないんだけど、ラストの月のシーンとか、独特の雰囲気があって美しい。早く2話以降も観たくなるぜ!

■第2話 あなたに、力を……

 アバンは前回のあらすじ。OPも1話と同じでそっけないけど、1話の見せ場の殺陣がアバンにあったから、派手さはあんまり気にならなかったかな。

 「このガンダムにはおっそろしい秘密兵器が搭載されてるんだぞ!」ってハッタリかますあたりのGXの動きがコミカルで可愛い。勇者かよ! みんな本気にしてないのにジャミルだけ「ざわっ」ってなってるのがまたニクい。

 人質にとられた振りをして逃げた後のティファが「信じて……いたから……」って可愛過ぎる! あーもー可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い! この時点ではまだ視聴者に対してティファのNT能力については明かされていないけど、ティファはガロードの誠意をきちんと読みとってくれてるんだろうなあ。それにしても可愛い。

 Bパートは群がる野盗に囲まれた後に初サテキャ。
 ……うーん、まあ、このシーンはちょっと棒立ちのまま撃たれ過ぎかも知れんね。好意的に解釈するなら、最初に仕掛けた島津冴子声の野盗がビームサーベルであっさりやられたのを見て&冒頭でシールドバスターライフルを落として射撃武器が無いことに気づいた野盗達が機転を利かせて距離をとっての半包囲射撃に徹したってことにしておこう。うん。逃げ回るシーンとか盆地に追い詰められるシーンとかがあったらより説得力があったかも? それにしてもGXは硬い。まあ、昔のロボアニメなんて基本撃たれても全然傷つかんのじゃけどね。

 腕一本を取り合う野盗どもは、GXのアウトローな世界観を良く表しているが、それにしても戦闘中に奪い合うのはどうなの? 馬鹿なの? あの状況だと結局最後まで生き残らないとGX手に入らんよね。情報売るだけ売って後は知りませんよってな下衆い情報屋どももAWらしいキャラクター。どうでもいいけど、下衆さについてはメロウリンク2話のマッチメーカーが群を抜いてて大好きだ。

 それはそれとして、サテキャの発射はたっぷり時間をかけてのぶっぱで大迫力。薙ぎ払い照射で全周囲焼き払える! スゲー! どう見てもGXの幅よりビームが広いです。スパロボのサテキャ1ラインっておかしいわあれ。扇形でもいいんじゃねーの? なんだかんだでサテキャ発射シーンはワクワクするなあ。機動兵器に戦略級火器積んでるとかロマンの塊でしょでしょ。反動で吹き飛ばされたりせんの?とか言うのは野暮ってもんである。

 ティファ発狂シーンは怖いんだけど、横顔はちょっと可愛い。てかガロードもティファも可愛過ぎて死ぬ。

 次回予告で新キャラ登場。予備知識ないと素っ頓狂だなあ。愛馬。


■第3話 私の愛馬は凶暴です

 サテキャ照射直後からのアバン。ティファは発狂してても可愛い。

 Aパートに入り、ジャミルがGXへ。1話でガロード自身がやった方法とほぼ同じ。腕でワイヤー振り払いなさいよ、という突っ込みは野暮というモノだろう。

 捕われたガロードが反抗期ってゆうか、怒りの向け方が下手なんだなあ。小学生の姪っ子がちょうどあんな感じだわ。

 花を摘むためだけに眠り薬まで使っちゃって……ガロードってば健気。てかその後ちゃんと元いたところに帰って寝てるフリしてるあたりが可愛い。最早私はガロティファ可愛い連呼袋(ⓒ巣田祐里子)。

 初登場のテクス医師は、この時点だとちょっと堅物っぽい。ジャミルに「相変わらず甘いな」とか言ってるけど、後の彼を見ているとジャミルのこと言えねえだろ、と思ってしまったり。

 同時に変態兄弟の兄が初登場。ヴァサーゴの殺陣はスピード感もあってかなり格好良いんだが、その後の銃を向ける社長に駒を投げつけるシーンが全部持ってった感。

 Bパート。

 「呑気なものだ、遊んでいる場合かね?」「とんでもない。私だって働いていますよ。こうして占いで彼女の居場所を探しているのです」能力を知らない前提だと、どう見てもトンチキです。本当にあr(略 いちいち芝居がかった物言いのシャギアさんです。

 なんだかんだでジャミルはこの時点で既にガロードを買ってるっぽい。わざわざウィッツとロアビィの戦いを見せたり、行動をあまり掣肘しなかったり。そしてラスト、とうとう正面から対話するジャミルとガロード。

 ティファというNTではなく、ティファという人間を想うガロードに、ジャミルも感じ入るところがあったんだろう、きっと。

 オルバも登場。裏切るの早っ。
 「愛しています、殺したいほどにね」
 そしてこの芝居がかった台詞。やっぱ兄弟やわ。
 トニヤが喋ると基本和む。好い娘です。


■第4話 「作戦は一刻を争う」

 1話アバンの映像とお話の繰り返し。作画班ちょっと助かった? でも当事者の口から語られるのと、俯瞰した立場から語られるのでは重みが違うね。若い頃のジャミルの映像も効果的に挟まってたので、映像的にも目新しさがあって繰り返しも気にはならなかったよ。

 ここで明かされたジャミルの目的。ティファやNTの保護という目的自体は後ろ暗くないけど、それに至った「悲劇の銃爪を引いた」という事実はやっぱり後ろ暗いよね。クルーは信頼してくれてはいるけど、やはり「お前のせいで」と言われる覚悟が無ければ明かせられない。この辺りのトラウマは中盤で改めて取り上げられる。重い十字架を背負ったジャミルはしかし、それでも前に向かおうとしている泥臭格好良い男である。

 ロアビィはともかく、ウィッツの態度はひどい。お前さっきまで「金もらえりゃオッケー」だったじゃん! 一生懸命なガロードは可愛いなあ。ウィッツに蹴られても全然めげない。健気可愛い。

 テクス先生はこの話からもうカッコ善い人。ガロードの気配を察知する能力、クールな対応で見舞いを許してくれる大人な態度。テクス先生カッコ善いわ。

 何気にちゃんとテクスに一礼するガロード。人との付き合い方は上手じゃないけど、やっぱり基本的に素直で好い子だよね、ガロードは。可愛い。

 Bパート。キッド登場。

 ヴァルチャー仲間は出番ほとんどないけど、ジャミルの人望がみてとれますね。みんな善い人っぽい。それにしてもフリーデンはこれまで専属MS乗り一人もいなかったんだね。一人位は設定しておいても良かった気がするね。

 一刻を争う作戦は残念、筒抜けでした! それはそうとオルバさん、どうせ出て行くならGXにも一発ぶちかましておけば良かったんじゃあ?

 次までで邂逅編は一区切り。現在のところタイトルコールはジャミル3、ティファ1、シャギア1。やっぱりジャミルは裏主人公。


■第5話 銃爪はお前が引け

 ヴァサーゴ無双でガンガンやられるヴァルチャー連合のジェニス部隊。

 名言「好きになっちゃったんだから、あったりまえだろ!?」キター! 愚直なガロードは可愛いなあ。良く「好きになっちゃったんだから、しょうがないだろ!?」とカン違いされてるよーですが、「あったりまえだろ!?」です。「仕方ない」なんて受身な態勢ではないのです。「当たり前」っちゅー積極的っちゅーか前のめりっちゅーか、そういう姿勢がガロードの魅力なのだ。

 殺陣はややもっさり気味。もっさりクローを「速い!」とか言うガロードがちょっと間抜けだけど、ヒーロー登場! 敵殲滅! ヒャッハー! みたいな展開よりも、素人のガロードが頑張って諦めずに戦い続ける構図はやっぱり好きだなあ。

 Bパートに入ってパターンと噂の「今だよ兄さん!」の初回。でも、このときはガロードを舐め切っていて、GXをいただきつつパイロットは殺しておくという目的があり、理に適った行動であろう。

 しかし! そこでウィッツとロアビィが登場し、2:3で形勢逆転。ま、王道だね。

 一方、ティファはオルタネイティブ社で3話振りに目を覚ます。一人ぼっちで膝を抱える映像、コードだらけにされてる映像など、ティファの脳裏に浮かぶ映像が切ない;ω;

 モビルアーマーというよりはバッフ・クランの重機動メカといった面持ちのグランディーネ到着でヴァルチャーもろともフロスト兄弟も亡き者としようとするフォン=オルタネイティブ。小悪党に事欠かないのもAWの魅力だね!「ティファを渡すタイミングが早過ぎたか」って兄弟も案外迂闊。

 〆はグランディーネ長距離狙撃。いやあ、相変わらずサテライトキャノンの威力は凄いぜっ! ……って、どうみてもラボ全域吹っ飛んだんですけど@@; どうやってティファを避けて撃てたんだろうか。炎の中から出てくるティファはなんだかキリコっぽい。むせる。

 GXから転げ落ちてくるガロード。決まりきらないガロード可愛い。ティファが微かにではあるが笑ったのも初めてな気がする。みんな笑顔でシーユーアゲインで次回へコンティニュー。


■第6話 不愉快だわ……

 エニル姐さん初登場。なにげに現在の地球の状況を表すシーンでもある。「100億の人間が死んだのに、今更環境破壊も無いわ」との台詞に顕著。

 ジャミルに怒られてるのにピースしちゃうKYなガロードが可愛い。それに反応してにこっと微笑むティファがむっちゃ可愛い!可愛い過ぎる! GXってこういう何気ないちょっとした仕草とかが可愛かったり切なかったりして好きなんです!

 「触るな! 仕事中に持ち場を離れるようなプロ意識の無い連中には、ネジ一本触れて欲しくないね!」キッドは最年少の癖にマジでプロ意識が高い。子供っぽい言動もするけど、基本的にはプロのメカマン。そのプライドも、現場での自分にも他人にも厳しい言動も、心地良く感じる。あれで案外、パイロットへのアドバイスとかも忘れないし、喧嘩しててもメカはきっちり仕上げるあたり、格好良いよね。

 うっかりミスでみんなに迷惑をかけてしまうガロードが謝れずに逃げ出してしまうシーンや、サラがジャミルに個人的な質問をしかけて止めてしまうシーンは良いシーンなんだけど、もちょっと溜めが欲しかったかな。すれ違いが続くサン・アンジェロ編はちょっとやきもきする。

 謝りたいけど謝れないガロードの気持ちを解ってくれてるテクス、ガロードの失敗を咎めないジャミル。ジャミルの判断は結果的にガロードを独走させてしまうわけだけど、きちんとガロードのことを思い、見守ろうとしてくれてる大人の存在が心地良い。

 Bパート。
 「なあにあの態度ー!?」とか悪口言ったりするけど、なんだかんだで良い子のトニヤ。「男の子を喜ばすなんて簡単なんだから」と言う演技が、きちんと口紅を塗りながらの声で、この人の演技はやっぱレベルが高いや。化粧品を見つめるティファの目が、びっくりしながらも目が離せない感じで可愛い。

 「想い出はここに、本人は……」「コロニーか」「もっと上。・天国だ」
 このシーンはほんとにGXを象徴するような名シーンだと思うの。
 「あいつ、優しくされるのに慣れてないからな」
 先生、名カウンセラーだわ……。

 そんなこんなで独断で連邦のエネルギー施設に向かったガロードを、これ幸いとエニル達が襲う。そうこうしている間に暴走が始まってしまう。

 そこで間の悪いことに口紅をつけてみちゃったティファがサラに見つかってしまい「不愉快だわ……」。サラの態度こえーし。それはそうと口紅つけたティファは可愛いし! 口元隠してるとこも可愛い! あーもー可愛い! サラに剣幕に怯えて目をうるうるさせちゃってるティファ可愛い! 可愛い可愛い可愛い!

 それにしてもみんなすれ違いまくりで切ない第6話でした。

第7話 ガンダム、売るよ!

 サテキャを推進力にして辛くも危機を脱したガロード。しかし、安心したのも束の間、ふっとんできた岩にぶつかってジャミルが大怪我してしまう。

 サラにビンタされて、最後の救いをティファに求めてみたものの、ティファも口紅の一件で傷ついていてガロードを思いやる余裕がなくて、拒絶されてしまう。

 手術はなんとか無事に終わったが、クルーはガロードの気持ちを解ってはくれない……。そりゃそうなんだよ。ガロードは何も言ってない。言い方も解らなかったし、責任を感じている、反省しているってことを、態度で示すしかなかったから。そうした結果、もっとひどいことになるなんて思ってもいなかったんだから。トニヤの言う通り、「集団生活に向いてない」んだ、この辺りのガロードは。自分のことで精一杯。どうすれば溶けこめるのか、どうすれば喜んでもらえるのか、どうすればうまく人と関われるのか、悩んで、間違って、すれ違って――それで全部投げ出してしまっての「ガンダム、売るよ!」なワケで。

 テクス先生に声をかけられて、半べそになるガロードが可哀そうなんだけど凄い可愛い……。

 と、ここで前々回から伏線の張られていたウィッツの金塊のエピソードが挟まる。あからさまに世紀末っぽくてウケる。

 レオパルドとの写真とってもらうおじさんが可愛い。GXはチョイ役がやたら可愛いかったりするので目が離せない。

 ホバー移動のドートレス・ファイヤワラビーだっけ? まあ、とにかく陸戦型の敵を飛行形態になっても追いつけないエアマスターさんテラワロスwww 今回の殺陣は初っ端のサテキャと追いつけないエアマスターさんでおわし。

 競売シーンのガロードはなんだかんだで生き生きしてるよね。一人で図太く生きてきた「らしさ」の出てるシーンでした。

 エニルは既にガンダムじゃなくてガロードに興味がある模様だけど、どの時点でガロードに執着するようになったのかはイマイチわかんなかったり。ぶっちゃけ最初の写真見た時点で既にガロードの方に興味持ってたっぽかったので、一目ぼれなのかしらん?

 個人的には次のタイトルは名タイトル尽くしのGXの中でも珠玉だと思うんだぜ。確か本放送で初めて見たのがこの話で、だからこのタイトルコールはめちゃめちゃ記憶に残っているんだぜ。


■第8話 あの子、許さない!

 柔らかい顔とキツい顔のギャップが激しいのがエニル姐さんの魅力ですね! 真っ赤になりながらも誘惑に負けなかったガロードは純情です。エニルがいきなり服脱いだりしてたらどうなってたのだ……おっとNTの精神攻撃で数分前までの記憶が消されてしまったようだ。

 サラとティファ、ウィッツとトニヤ、サラとロアビィ、様々な人間関係が築かれつつある第8話。サラに、ティファに、自然に諭すテクス医師はやっぱカウンセラーとして優秀だなあ。

 家族のことでウィッツにちょっかいかけるも、予想外の重い答えが返ってきて自己嫌悪するトニヤ。このシーンが凄く切なくて好き。トニヤは基本的にお調子者でムードメーカーなんだけど、単なる賑やかしじゃなくて、直観的に喋る故に本質をついていたり、余計なことを言ってしまったり、作劇上重要な位置にいるように思う。中の人の演技とも相まって物凄く生き生きして見えて、凄く好きなキャラクター。まあ、GXの主要登場人物に嫌いなキャラクターっていないけどね。そういうトニヤと関わることで、サラやウィッツやエニルの人間味も増して見えるってところもあるんじゃなかろうか。シンゴも良い奴だからもうちょっと掘り下げてあげて欲しかったな。

 前回GXを落札し損ねた山賊顔の男がガロードを襲撃! ガロードは踏んだり蹴られたり殴られたり、逆境が多いよなあ。蹴られたのはともかく、顔面パンチはあれマジ痛いだろ。

 そんなガロードを救ったのがフロスト兄弟……「私達は負けたことがない」とか「プライドが許さない」とか、エアマスターを助けたのも含めて、次の話を観ないと真意が解んないんだけど、解ると演技過剰っぷりに笑ってしまう。

 ところで、この直前のシーンでメンテオヤジのとってもらったレオパルドとの写真、明らかに前回とポーズ違うんですけどwwwww 多分、深く突っ込んだら負け。2枚撮ってないなんて誰が決めた?

 一方、エニルはガロードに拒絶された怒りをフリーデンへ。「あの子は仲間に未練がある。だからきっと来る」とな。

 危険を感じ取ったティファがサラにすがりつくシーンは可愛いな。ティファもだけど、サラとティファの関係が修復するきっかけになりそうで期待が高まる……って先なんか全部知ってる俺が言うワケです。ハイ。

 そんなこんなでザコット一味+エニルの襲撃でピンチのフリーデン。「いくしかないのか?」「いくしかないんだ!」の二段論法で出撃する頑張るガロード。やっぱ可愛いや。


第9話 巷に雨の降る如く

 放蕩息子の帰還。照れ隠しなのかやけにオーバーアクション。可愛い。

 「俺って何事にもこだわらない性格だから」……嘘つけ!でもコミカルで可愛いので許す。足バタバタさせちゃってもう可愛い。

 ティファの言うことを支持するジャミル。サラちょっと哀れ。

 湖に立つザコットは間抜けながら名シーンと言って良いかな。その後の湖面に浮いてるGXがカッコイイので対比が際立つ。

 エニルがガロード自身を気に入ったということが初めてはっきりと言及された。「寂しさを埋めてあげてもいいのよ」とか、いちいちエニルの言動は艶めかしい。

 全編通して殺陣が続き、動きもなかなか良い。フリーデン、ザコット+エニル、フロスト兄弟の三つ巴の戦いに、ザコットの焦熱→湖に誘い込む作戦、GXのMW水蒸気爆発、ザコット達に邪魔されて攻めきれないフロスト兄弟など、三者三様の作戦展開と台所事情が見えて面白い。

 ティファはガロードとエニルの間に何があったのか、感じちゃってるんだろうなー。

 テクス先生の「ランボーの詩だったかな」は、先生が完璧じゃないってところを表していて結構好き。先生はちょこちょこお茶目なところ見せてくれるよね。

 ジャミルがガロードに与えたペナルティが粋だよね! うまくやりやがってこのこの! 完全にシンゴとキッドとシンクロしてました!
 ラストのティファの「秘密です」(にっこり)はやっぱり至極の可愛さ。


■第10話 僕がニュータイプだ

 久々の前回のあらすじじゃないアバン。お話が切り替わったんだってことが解りやすいですね。GX屈指の名シリーズ、フォートセバーン編開幕です。

 「本人が悪人だったりしたら、シャレになんないわよねー」トニアは軽い調子で本質を突くキャラだ。

 キッドのメカマニアっぷりをアピールするエピソードを挟んで娯楽室のエピソード。サラもちょっと柔らかくなってるし、テクス先生のビリヤード好きや、ティファが初めて特に危険が迫らないときにみんなのところにやってくるなど、色々なエピソードが詰まってて好きなんですよね。それに先立つティファの入浴とうなじはまったく挿入する必要のないサービスシーンだけど何か文句ある? 頬を赤らめるティファが可愛いから全部OK!

 甲板でNTの存在を感知するティファ。気楽な調子でマフラーをかけてあげる真摯なガロードだけど、去り際の表情は既にちょっと険しい。NTという言葉とガロードの戦いはもう始まっている。

 そのティファもガロードの負ける夢を見て跳ね起きるなど、ガロードの存在が少しずつ大きなものになっている模様。上目づかいで出撃しないでと懇願するティファがまた可愛いんだこれが! 袖を掴んで必死で止める姿も可愛いなあ。

 「俺、信じてるけど、超えてみたいんだ!」
 このときのガロードは物凄い色男。かっこいい。
 でもいきなり気が逸ってスラスターを吹かし、煙が舞い上げてしまうポカ。しかし、こんな感じで地形の表現がうまいのもGXの特徴。とはいえ、厳密にやり過ぎても鬱陶しいけどね。アニメも漫画もSFも、上手にウソをつけるかどうかがポイントだ。

 「あいつは敵と戦っているのではない。NTという言葉と戦っている」
 ジャミルの台詞はまさに真理。

 カリス&ベルディゴ登場。オールレンジ攻撃の前に成す術もなく、ボッコボコにされた末に「残念ですが、現実は残酷です」と冷淡に言い放たれるガロード。とことん逆境の似合う男である。

潮感ex:ガンダムX全話感想-1~10話に続く!



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