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支えられたもの、未来を支えていくもの~グランアーブルにお別れを重ねて~


推測するに樹齢200年ほどの、大きな夫婦欅がとうとう伐採される時がきた。

実家の敷地の西にご神木のようにいて、
私が生まれるころの時代までは、長い年月ランドマークとして敷地の土地と屋敷を護ってくれていた存在だったようだ。

幹周り🌳左の木215cm. 右の木 265cm

大きな2本の欅の木は、
季節ごとに表情を変え、ムクドリの止まり木になっていて
色や密度や、風や空気と音の変化、
ムクドリの集団の声や、止まりに来たり、飛び立つ風景を見ながら
私は育った。

江戸時代末期からのご先祖様の土地で
先々代くらいまでは繁栄していたようだった。
代も変わり、時代も変わり
10年余り前に現代の暮らしに合わせて、敷地も家屋も大胆に手を入れて大事業を施した。
昔の繁栄を象徴するような立派な石蔵を壊し、
離れがある立派な日本家屋のお屋敷も、
美しかったはずのお庭も、みんな壊した。
現代の家屋に建て替えた母屋の新しい敷地以外はアスファルトにしたが、
おそらく初代のときからあったであろう大きな2本の欅だけは残した。
この2本の欅が残って、代々の思いが宿っている大事な木だと思いながら、見慣れた大きな2本の木に、生まれ育った思い出の土地を示せた。

初日の出が2本の欅の間からお出まし

樹木は生きて育つ。
現代の暮らしに共存するためには、マメな剪定や落ち葉や枯れ枝の手入れが必要だ。
欅は2本とも元気に生きていて、年々育っていてすごい生命力だと思いながら、大きくなった欅は大きな枯れ枝が大量に激しく落下し、晩秋~冬は毎日車が埋もれてしまう落ち葉の量だ。西風で敷地だけでなく、道路の歩道にも膨大な落ち葉が溜まり、さらうのが重労働となる。

鳥の巣が高いところに3つできてる

いろんな事情もあり、伐採する決断をした。
樹齢のある生きている樹木を切るので、時期は慎重に決め、葉がすべて落ちていて、新芽が出てくる前の枯れ木のうちに実施した。


ところで、時期を同じくして私は人生節目となる誕生日を迎えた。
そんな年齢に自分がなったとは実感できないけれど、事実だから、、、、
生まれてから今までの人生をじっくり振り返ってみた。
物心ついたころから自分探しをして、常にもがいて悩んでいたようだったな。自分を褒めてあげたいこともあるし、喝を入れたいこともいろいろある。
ご先祖様から脈々と受け継いできたことは必然的にあるし、使命も宿命もある。
すごく頑張ったこともあるけど、叶えていない夢もあるし、逃したチャンスもあった。
あるときまでは、いろんな意味でモテてたけど、ある年齢から如実にモテなくなったな・・・
(苦笑)
結婚願望は強くもっていなかったけれど、好きなひととの縁が薄かったのは心外だったわ・・・(苦笑)
これがいままでの人生だった。
反省もあるけど、健康で今を迎えていることに感謝し、物的にも精神的にも頑なに大事にしてきたものは、「お役御免」として手放そうと思う。
気分一新して、新しい風景を見る未来に向けて生きよう。

200年の年輪に心からの感謝をこめて。
2本のグランアーブルがなくなった後に、気持ちいい風が吹いて新しい風景が出来、そこに新たな幸せが訪れるだろう。


    過去の自分が今の自分を支えている。
   今の自分が未来の自分を支えていく。
   ーYUMING

年輪に感謝


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