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チャノキという樹~お茶の製造法

現代、「お茶」という製品は星の数ほどもブランドと種類がある。
いかなる目的や用途にも応えてくれる製品がある。
食後や休憩にほっと一息つく嗜好品としてのお茶ばかりでなく、
リラックス効果のあるハーブティー、よい睡眠に導くカモミールティー、
すっきりできるミントティーなどや、体内の余分なカロリーを抑えるなどの特定保健用食品のお茶もある。日本茶、中国茶、紅茶という代表的なお茶もそれぞれに多くの銘柄と製品があるが、多すぎて知るのも選ぶのも、リピートするのも大変だな・・・と感じている。
基礎を知っておくことで、数多の種類のお茶への困惑やストレスが減り整理されるかも。

■お茶の樹

もとはどれも同じ「チャノキ」というお茶の樹からつくられる
お茶の原料になる茶の樹は、日本茶、中国茶、紅茶とも同じ茶の樹。
ツバキ科・学名『カメリア・シネンシス』
 永年性の常緑樹
年平均気温13℃以上、年降水量が1300~1400mm以上の弱酸性土地の
温帯から熱帯地方に多く分布:インド、スリランカ、盗難アジア各地、アフリカ、中近東、南米など
北緯45度以南、南緯45度以北の広範囲にわたって栽培されている。

〇茶の樹の品種
 ・中国種(緑茶に適している)   ・
  ・アッサム種(紅茶に適している)
     19世紀にアッサム地用でイギリス人により発見された。
  タンニン多い。肉厚で大きな葉は10mを超える高さになる高木性
  インド、スリランカ、インドネシア、アフリカ
世界で生産されている約320万トンのお茶のうち、
紅茶約70%・緑茶約25%・残りは烏龍茶とその他

■お茶の分類


お茶の製造法・・・3種類
〇「不発酵茶」:
加工工程で摘んだ茶の生葉を蒸す、もしくは炒って加熱し、酸化酵素の活性を停止させてつくったもの
〇「半発酵茶」:
ある程度発酵させてから、酸化を途中で止めて加工したもの
〇「発酵茶」:
十分に酸化発酵させたもの

①不発酵茶
A. 蒸製(日本式)・・・煎茶、玉露、碾茶(抹茶)、番茶など
B. 釜炒り製(中国茶)・・・日本の釜炒り玉緑茶/中国緑茶
龍井茶ろんじんちゃ、碧螺春へきらしゅん など

②半発酵茶
C.中国茶(烏龍茶)・・・鉄観音、武夷岩茶ぶいがんちゃ、鳳凰単叢ほうおうたんそう など
D.中国白茶(弱発酵茶)・・・白毫銀針はくごうぎんしん、白牡丹 など

③発酵茶
E.中国紅茶・・・正山小種せいざんしょうしゅ、祁門紅茶きーむんこうちゃ など
F.   英国紅茶・・・インド紅茶、スリランカ紅茶 など

■日本茶の製造工程

お茶は主に8つの工程
摘採てきさい・・・茶を摘むこと。茶葉は摘採直後から酸化酵素の働きで発酵がはじまる。
蒸熱じょうねつ・・・摘んだ茶葉を蒸気で加熱し酸化発酵を止める。
蒸し時間の強弱がお茶の風味に影響する。
蒸す時間が短い「浅蒸し」、長いものは「深蒸」
③冷却・・・茶葉に風を当て、表面の水分nを取り除きながら冷ます。
④租揉そじゅう・・・租揉機に入れ、茶葉を熱風で各藩・揉圧して水分を蒸発させる。
揉捻じゅうねん・・・茶葉の水分の均一化を図るため、加熱せず圧力を加えて揉む。
⑥中揉・・・茶葉を再度揉みながら熱風で乾かし、さらに水分を除去。
⑦精揉せいじゅう・・・乾燥を進めながら、茶葉を針状に整形。
⑧乾燥・・・長期の貯蔵を可能にするため、乾燥機で茶葉を十分に乾かす。

でき上った荒茶は、形を整えるため選別され、さらによく乾燥させるなど仕上げ加工を施し、製品として完成。

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