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最近はまっていること:民藝

柳宗悦と民藝運動のことは、もちろん聞いたことはあったけれど、きちんと展覧会を見たり本を読んだりしたことはなかったです。ちょうど世田谷美術館で「民藝ー美は暮らしの中にある」という特別展をやっていたので、先日行ってきました。

当日はお天気があまり良くなくて、あまりうちからは交通の便の良くない世田谷美術館へ行こうかどうか迷ったのですが、本当に行ってよかった!期待以上に美しい「普通のモノたち」とのエキサイティングとしか言いようのない出会い。「日々の生活のなかにある美を慈しみ、素材や作り手に思いを寄せる」という民藝のコンセプトが「衣・食・住」をテーマにひも解かれています。撮影禁止だったのは残念ですが、アイヌのアットゥシと呼ばれる上着や、肥前有田焼の器、蝋燭の芯を切るための鋏など、とにかくおそらく普通の暮らしにあったモノたちの何とも言えないデザイン性に心が震えました。

そして日常のモノに美を見出すというのは、ある意味で、美術を人の暮らしや地域にひらかれたものにするという北川フラムさんのコンセプトに似ている、とも思いました。美術というのは、いろんな知識がないと理解できない、美術館の中に隔離されたものではなくて、私たちの暮らしに息づくものである、という考え方。とても共感するし、だからこそ美術は面白いと思います。

思わず、ミュージアムショップで柳宗悦の本を買ってしまいました。「はじめに」のところで既にうなりました。宗悦さんは、「美」を生み出す背後にある「人と物」の関係、人を包み込む自然の大切さや社会のあり方にも着目したそうです。更に『民藝論はより良く生きていくための哲学であり道標なのです。』とあります。そして、宗悦さん(「白樺」の仲間たちもそうだったそうですが)権威的なものへの反骨精神がすごかったようです。素晴らしい。

そして、わりとうちの近くに日本民藝館があるというのも発見。来月から彼の民藝運動で重要な意味のある、朝鮮の陶磁器の展覧会があるようなので、ぜひ行ってみたいです。またまたいろいろ勉強したいテーマが一つ増えてしまいました。

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