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そういえば昔からオーディオコメンタリーが好きだった

ふと、昔から、DVDやBDの特典映像に入っているオーディオコメンタリーが好きだったことに思い至った。

メイキングの映像や、未公開シーンの映像なんかも好きだが、なんといっても、普通に映画の映像を流しながら、副音声で、その作品について聞くのが好き。

それも、役者や製作スタッフのものよりも、映画監督によるものが大好物。

映画監督によっては、「自分の言いたいことはすべて映画そのものに入っているから、その他に語ることはなにもない!」って言っていた方もいたが、一度(もしくは二度三度)は予備知識なしに観て楽しんだうえで、映画監督のオーディオコメンタリーを聴きながら再度映画を観ているときが、自分にとって最大最上の至福の時。

総合芸術たる映画は、当然ながら多くの人がかかわっており、作るのにお金もかかっている。それを束ねる長たる映画監督が何を考えて何をして、今自分が観ている作品になったのかを知れるのは贅沢なことだ。

ネット配信で映画を観る機会も増えたが、自分としては、ネット配信にもオーディオコメンタリーをつけてくれないかと切に願っている。

自分が監督によるオーディオコメンタリーにハマったきっかけとなった作品がある。それは、ヴィンセント・ギャロ監督による『ブラウン・バニー』という2003年の作品。

当時ギャロは、98年の『バッファロー'66』で一世を風靡しており、あの空気感を求めて自分も『ブラウン・バニー』をレンタルして友人と観たわけだが、正直いって観終わったあとには「なんのこっちゃわからん!」と完全に取り残された感に包まれていた。

特典映像にオーディオコメンタリーがありはしたが、期待せずに酒でも飲みながらダラダラ流していただけだ。そしたらその内容が衝撃的だった。

もう20年ほど前のことで、コメンタリーでギャロが何を語っていたかは失念してしまったが、ただ間違いなく言えるのは、コメンタリーを聴いたことで作品自体がまったく別のものに見えたし、映画監督ってのはそんなことを考えてるのかと、ヒジョーに大きな気づきを与えたくれた。

それ以降、映画をDVD/BDで観る機会があった際は、監督によるオーディオコメンタリーが特典に入っていたら、必ず聴くようにしている。

今パッと思いつくなかで、大好きなものの1つが、クリストファー・ノーランの1998年の作品『フォロウイング』。

(ちょうど今年HDレストア版が公開されたことを、今初めて知った。)

今や、世界を代表する映画監督の1人であるノーランだが、この作品のときは専業で映画製作をしておらず、お金がないなかでこの作品をどうやって撮ったのかが語られていてチョー楽しい。彼が「1度観てすべてわかるようには映画は作っていない」と断言していたのを聞いてから、極力どの映画も複数回観るように心がけるようになったもんだ。


もう1つ、これも聴きごたえが十分だったのが、アレハンドロ・ホドロフスキーの1973年の映画『ホーリー・マウンテン』。

カルト作品として名高いが、本作はセリフやテキストで内容を説明してくれるタイプの映画ではないので、ほとんどの人にとって細かいニュアンスがわかりにくい。それを補ってあまりあるのが、監督による自由気ままなコメンタリー。

驚かされるのは、コメンタリーを録音時にホドロフスキーが75歳だと言っていたから、2004年前後のはずで、撮影から30年以上経過している。にもかかわらず、よく細かいことを覚えている。「ヘリコプターの街中への着陸は許可をとらずに撮影した」とか「役者にドラッグ飲ませて撮影したおかげで自分が殺されそうになった」とか、内容も破天荒でサイコーだった。

これからも、映画監督オーディオコメンタリーを探す旅は続く。

【追記】どなたか、おすすめの映画監督オーディオコメンタリーがあったら、ぜひ教えてください!





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