『足摺岬』(1954年)

http://www.jmdb.ne.jp/1954/cd001410.htm

2011年の某日鑑賞。

『日本春歌考』の「雨がショポショポ…」の歌が戦争関係の歌の替え歌であることを、この映画で知った。

木村功演じる左翼青年が本屋にいると、外に戦車が走っていて、という描写を、戦車は直接写さずに、ガラス窓に映る戦車の像とそれを見つめる木村功という画だけにとどめているショットがすごくよかった。

左翼の学者を信欣三がやっていて、見事にハマっていた。

津島恵子を訪ねて、木村功が津島の実家の旅館まで来る。
木村はプロポーズするが、津島はその直前に縁談を受けてしまっていた、というすれ違いメロドラマ。
木村と同宿する殿山泰司ともうひとりの薬売りと芸人?のコンビがいい。
木村は去り、津島は木村が忘れていったシャツを持ってバス停に走るが、すでに木村の乗ったバスは出ていた。
走り疲れて道に倒れる津島。
バスからぼんやりと車窓の風景を眺める木村。
エンドマーク。

この映画と『暖流』とで、吉村公三郎はすごくいい、と思った。


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