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不審者と思ってた人に逆に警察を呼ばれる

うちの猫は、夜なかなか帰ってこないことがある。目の前の道路はハイウェイではないけれど車の通りが結構多いから、とても心配だ。
ある時、道路を渡って向かいのお屋敷に入ってしまった。なぜお屋敷かというと、プライベートビーチがあって森に囲まれているから家が見えない上、ガッツリ門がある。そういうところに入られたらもう諦めるしかない。

最近は隣家の庭に長時間滞在している様子だ。隣家と言っても広い敷地に数軒の家や小屋が建っていて正直どこの誰が住んでるのかわからない。
でも、プールサイドで深夜までパーティをやったり、夜中に花火を上げたりして騒がしい時があるのでたまに人が集まることもあるようだ。
先日、真夜中にうちの猫がその隣家の庭でよその猫と激しく睨み合いケンカしていた。
「猫たちよ、よその家でケンカするなよ!」といいたいが、猫はお構いなしだ。
雇用主によると、あの人達は別に気にしないから大丈夫よと言っていた。カナダでは猫は放し飼いが普通なので他所の家に入り込むのもありなのかもしれない。
猫の行動範囲が広すぎてGPSが役に立たないので、外に出すときは蛍光ピンクで点滅する首輪をつけることにした。交通事故防止にもなるし、首輪のお陰で、暗闇でもすぐ見つけることができるのだ。

このドライブウェイ周辺が縄張り
首輪が光っているので、車から見つけやすい

さて、昨日真夜中になっても猫が帰ってこなかったので、自宅のドライブウェイと芝生、車の下を探していたら、茂みでガサガサ音がした。
うちの猫だと思って近づいたら、普段付き合いのない隣人が植え込み越しに声をかけてきた。
「今、なんかすごい物音がしなかった?」
「いや、聞いてないけど・・・、今猫探しに外出てきたところですよ」
内心(あんたが、立てた音か・・・)と思う。
「猫見なかった?」
と一応聞いてみる。暗闇で、首輪がものすごく目立つからだ。
「首輪つけてるの?」
そんなやり取りのあと、隣人を起こしてしまったようなので自宅パティオに戻って懐中電灯で照らしてみる。
すると、車が現れた。
反対どなりの人たちは、うちの駐車場によく車を停めている。そこはあきらかにうちの駐車場だと思うんだが、境界線がよくわからない。深夜に出入りがあることもあるため、
(心の声)今頃、誰か来るのかよ−
と思ったら、人が降りて近づいてきた。
POLICEと書いた防弾チョッキを着ている。
えー?警察呼ばれた?
若い背の高い警官が一人。
職務質問される。
「だから、猫探してるんだよって。うちのドライブウェイを歩いてただけですよ」
「隣人が怖がってます」
はいはい、すいません。でもさ、なんで自分の家の敷地にいるのに警察呼呼ばれるんだ??そっちに入ったわけでもないのに。
まあ、本当に不審者がいるのかもしれないから、家に入ろうっと・・・
というわけで、カナダに来て初めて、リアル地元警察と話をしました。
てか、ちゃんと仕事してるんだ(笑)しかも、来るの早い。

結局、不審者扱いされたら困るので、明るくなってからまた探してたら、気配を聞きつけて猫が戻ってきた。
濡れてもいないので、どこか安全な茂みにいたんだろう。
そして、またお出かけしょうとする。
隣家にまた遊びに行かれたら嫌なので、今日は外に出さないぞ!と。

あとでよく考えたら、隣人が聞いた音は鹿かもしれなかった。
女性が声をかけてきたところは、実は鹿の通り道になっているのだ。彼女は知らないのかもしれないが、鹿は夜中も活動している。鹿の被害にあって以来見かけたら脅かしているから、ついに私の芝生には入ってこなくなった。その代わり、山から降りてきて私の芝生の前でストップして隣家の敷地に逃げ込むのだ。

私のズッキーニやバラの芽を全部食ってしまった鹿

普段から隣人とお付き合いでもしていれば、警察呼ばれることもないんだろうけど、うちの雇用主はどの隣人とも付き合っていない。
というか、むしろあまりお付き合いしたくないようだ。
こちらの家族ははっきりとは言わないが、ちょっと変わった人たちなのだ。
敷地内に掘っ立て小屋を建てたりボロボロのキャンピングカーを置いて住んだりしている。犬はしょっちゅう逃げ出してうちの敷地に入ってくる。最悪なのは、敷地の境界にある植え込みをガッツリ切ってしまい、雇用主の家が丸見えになってしまったことだった。これには流石に文句を言いにいっていた。すると、じいさんがぶつくさいいながら適当に余った木材でフェンスを作った。植え込みを切るぐらいなら、高く伸びた木を切ってもらいたかった。隣家の木のせいで海が見えないのだ。口の悪い元同僚は掘っ立て小屋を見てあからさまにバカにしていた。(お前が言うなって感じですが。その彼女もキャンピングカーに住んでいたので)
夜中に花火をされたときには、銃乱射事件かドラッグやってるかと思って私が警察呼ぼうと思ったぐらいだ。そんな家の人に逆に警察を呼ばれたので、人ってなんだかなーって思う。そっちのほうが、ずっと怪しいんだけど。

それはそうと、いきなり銃で撃たれなくてよかったわ。
服部君事件を思い出したわ。
おそらく風化してるだろうから、リンク貼ります。

あらためて記事読んでみて、アメリカの銃規制って一歩も前進してないんだなって思う。むしろ多くなってないか?

カナダは思ってたよりも銃の事件は少ない。
ハロウィンの時期はお庭を開放している家もあるし。もちろん、通常はよその敷地に入ることはしないけど、カナダの家は日本人から見たら無用心に見える。インターホンもないし、防犯カメラも滅多に見かけない。

昔、バンクーバーで日本人留学生が殺された事件があったんだけど、その時は「カナダで殺人事件はめったにない」って報道されてた気がするけど、今は毎日のように事件の報道を聞く。さすがにサレーとか公共交通機関の中で殺人事件があるとか引くよなぁ。ところが、田舎になると人口が少ないから薬物中毒やホームレスなどの不審者とかも少ない。メトロバンクーバーでは、自転車盗まれるって話だったけど、こっちでは外に物をおいておいても盗まれたことはないな。
いちおう、戸締まりはしているけどカーテンは開けっ放しだし、窓に鍵もかけてない。まあ、窓が重すぎて簡単には開かないんだけど。

なにしろ、この田舎で犯罪をしようと思ったら車必須だし、真っ暗だからなにかするなら暗視スコープなどの装備も必要だし、今どき家に金目のものなど置いている人もいないだろう。
ここらは、飲食店やカジノもないからたむろするところもないし。こっそり空き家に入り込んで住むこともできるかもしれないけど、食料品を調達するためにも車がいるから、空き家に到着する前に野垂れ死ぬかもしれん。

残念ながらFirst Nationの人たちが犯罪に巻き込まれる率が高いらしく、隣町などで怪しい行動をしている人たち・・・学校に行かずにたむろ、ハイウェイをフラフラあるいている、なんかちょっと臭うという人たちを見かけると、なるほどそんな感じがする。彼らは都会のホームレスとは雰囲気が違う。バンクーバーで怪しげな行動をしてる人はほとんど白人だけど、田舎は先住民が多い。彼ら家はあるんだけど、放浪感がある。彼らの生活に踏み込んだことはないけれど、時間の感覚とか違うんだろうなぁ。存在が社会の中で宙に浮いてるかのような。

とりあえず、隣人はFirst Nationではなさそうだけど、やっぱり酒とかドラッグとかやってる可能性もあるし、いくら警察よんだからといってそっちがまともじゃない可能性もある。(病院で認知症や精神疾患の患者が"殺されるーって”警察呼んでしまうのと同じ)これからは、あっちに近づかないようにしよう・・・うちのドライブウェイなんだがな。





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