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カナダの洗濯機

カナダ人(主に欧米系の人)は、なんでも全自動洗濯機で洗う。
「アメリカ人は洗濯機で靴を洗うらしい」
ということは、子供の頃から薄々知っていた。
(カナダもアメリカも、北米文化圏なので家電や生活習慣のベースは似たようなもの)

靴を洗う、は予想していた。
ペット用のマットや玄関マットも洗濯機で洗う。
以前、共用の洗濯機でそれをやられて、洗濯機が泥と猫の毛だらけになった。
次に使う私が掃除する羽目になった。
猫の毛や泥まみれの繊維だらけの洗濯機で下着は洗えない。
ちなみにその家にはティーンの娘さんが住んでいて、同じ洗濯機で下着類も洗っていた。気にしないらしい。

雑巾も同じ洗濯機で洗う。
便がついたものも洗う。
うんちがついた衣類とエプロンも一緒に洗う。
(某高齢者施設)
枕も洗濯機に入れる。
スリング(患者をリフト移動するときに使うハンモックのようなもの)、
車椅子のストラップも洗濯機だ。

職場で「リュックサックを洗濯機で洗って」と頼まれた時は、2度確認した。
本当にそれでいいの?
本当にリュックを洗濯機で洗っていいの?
「リュックは、洗濯機で洗える」
と断言された。

洗ってみた。
問題なかった。

洗濯機や乾燥機を使い慣れると、もうやめられない。
今まで手洗いしていたもの、ドライクリーニングだから諦めていたものも洗濯機で洗ってみた。

まず、毛布。
OKだった。
”プロのクリーニングで洗うように”という指示書きのあるコンフォーター(掛け布団)も洗濯機で洗って、乾燥機をかけてみた。
問題なかった。
羽毛布団も洗ってみた。
全然大丈夫だった。
目から鱗だった。
むしろ、乾燥機にかけるとふわふわになってきもちいい。

今日、バスマットを洗った後、お気に入りの黒いコートを洗濯機に入れてみた。
黒っぽいものは、ホコリがついて白っぽくなることがある。
ネットに入れて洗ってみた。
これはダメだった。
洗う前より汚くなった。
やっぱ、マットを洗った後は洗濯機が汚くなる。
普段は気づいていないが、やっぱりマットや泥のものを洗った後の洗濯機は汚いのだ。

洗濯機は、丈夫だ。
金属やプラスチックがついたものを洗濯機に入れると、ガランガランとものすごい音がする。でも、洗濯機は壊れない。
枕カバーのファスナーや、車椅子の部品は割れた。
やはり、なんでもマシンウォッシュ可能とはいえ、劣化するのだ。
車椅子の部品が壊れると、修理するまで数ヶ月かかる。

日本人あるあるで
「ストラップのバックルが破損したらすぐ修理できないし、車椅子がなければクライアントは病院にすら行けなくなるので、洗濯機で洗うのはすごく不安」
なので、私は手洗いしている。
あるいは、ストラップが汚れないように、歯磨きの時はビブをつけている。
他のケアギバーは、お構いなしだ。
壊れたら、壊れたときに考えるのだろうし、そもそも、手洗いという発想が金輪際ないらしい。

何かが壊れたとき日本人だったら「誰が壊したのか追求したり」壊した本人が「責任を感じる」のだが、カナダは誰も「責任を感じない」。
きっと、洗濯機や、壊れる部品に問題があるのだろう。



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