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抱水クロラールという薬

Chloral Hydrate

ある日、クライアントが一日中眠気が強かった。
もともと、眠気が生じる薬を内服しているため、日中眠気があっても不思議はない。学校に行っていたときは、毎朝カフェインを投与していたぐらいだ。

ところが、そのひどい眠気があった前夜「Chloral Hydrate」を投与したとのこと。なにそれ?また二度聞きする。
「クローラル ハイドレート」よ。と同僚がこともなげに言う。
日本語で「抱水クロラール」
初耳の薬だ。

カナダで眠剤と言えば、メラトニン。サプリメントに分類されるが、眠くなるらしい。眠くなるサプリ・・・とはいえ、カナダの高齢者施設等では、眠剤として当たり前に使われているようだ。
当然、私のクライアントも寝付きが悪いので、メラトニンや入眠目的も兼ねて抗ヒスタミンのベナドリルを使う。
「抱水クロラール」も睡眠薬の一種のようだ。

日本語サイトで、医薬品としての抱水クロラールはなかなか発見できない。
てんかん重積の鎮静剤として「エスクレ」という坐剤があるらしい。
また、検査や手術時の鎮静剤として小児科で使用されているようだ。
この薬の歴史は古く、1832年に初めて合成され、1869年に不眠症を改善する薬として認められたそうだ。(Wikipedia)

その後、バルビツール系が登場し、さらにより安全性が高いベンゾジアゼピン系の鎮静剤へと置き換えられていったという。
現在、おなじみの眠剤はほぼベンゾジアゼピン系以降のものなので(マイスリー、レンドルミン、サイレースなど)古い睡眠薬である抱水クロラールにお目にかかったことがなかったわけだ。
なぜクライアントに対して、抱水クロラールが使われているかはよくわからない。てんかん治療の延長上での重積発作時用として処方されているのか、すでに、バルビツール系であるフェノバルビタール(長時間作用型)を使用しているので、短時間で覚醒するらしい抱水クロラールを選択したのか・・・。それとも、カナダにはあまり眠剤がないのか?

調べてみなければわからない・・・

ちなみに、抱水クロラールシロップを使用した翌日は、一日中ドロドロしている。呼吸抑制も起こしてるんじゃないのかな?痰絡みもすごかった。

興奮→眠剤→呼吸抑制→痰絡み→SPO2低下
興奮→抱水クロラール→副作用:嘔気→誤嚥→SPO2低下

なんだか、悪循環の気がしてならない


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