カナダ人、霊気を語る
私の同僚の一人は白人男性だが、自宅に瞑想室を持っていて漢字で書かれたお札のようなものを飾ったり、チャクラをやったりして心身を向上させているらしい。彼はReiki (霊気)の信者なのだ。
カナダに来てから、なにやら「レイキ」なるものをちらほら見かけていたのだが、どうせ日本や東洋の神秘に影響を受けた胡散臭いグッズなのかと思っていたが、実は代替医療と認められるほど人気が高いらしい。
彼が、今度「石」でヒーリング・セラピーの商売をやるというので、一体どんなものか聞いてみた。すると、レイキに関係あるという。彼がそこまで本気の信者だったとは知らなかったのでちょっと驚いた。東洋思想が西洋の合理主義者に理解できるものなのだろうか?
私は合気道を長らくやってきていたので、呼吸法とか気については多少は知識はあるが「レイキ」がカナダでこれほど人気だとは知らなかった。
試しにレイキってスター・ウォーズのフォースみたいなものかい?と聞いてみたら、そうではないという。
(フォースヒーリングもあるけれど・・・)
石そのものに、病気を治癒させる力があるかといえば、エビデンスがない。石器の材料でおなじみの黒曜石もヒーリング効果があるというが、石そのものに自然の力が宿っていて人間のセルフヒーリングを助けるほどすごいものではないだろう。何しろ、黒曜石だったら北海道の白滝村や長野の星糞峠にゴロゴロ落ちている。あれで病気が治るのなら、今頃世界中の黒曜石は取り尽くされているだろう。
しかしながら、石や気の力にヒーリング効果があるということを否定するつもりはない。私は占いや魔法などは信じていないが、実は岩石愛好家なのだ。岩石標本も持っているし、海岸できれいな石を見つけたら拾ってくる。発掘調査の際に、石器や石製品が出土することが多いので、石材の知識は必要だ。黒曜石も大好きだ。もちろん、何個か持っている(笑)
ま、本当は、チャートのほうがカラフルなのでもっと好きだ。花崗岩も好きだし・・・つまり、きれいな石を見ていると癒やされる。美しい花や緑の木々を見ていると心が癒やされるのと同じことだ。美しいものに囲まれ、香を焚きあるいは森林や花の香りをかぎながら瞑想する。ゆっくりと腹式呼吸し、全身の緊張を緩めていく。意識的に脱力していくことで、副交感神経が優位になる。現代社会は交感神経が優位になりがちで心身が疲労していることが多い。ストレスは万病の元だから、副交感神経優位にすることでリラックス・疲労回復、免疫機能向上が見込めるのだ。
そういう意味では、レイキはヨガや座禅にも似ている。寺や神社、座禅する環境も石庭もないカナダでどうやって気の力を感じとるのか不思議だが、日本から欧米に広まった「レイキ」は様々に発展を見せている。
コンブチャみたいなもんだ。
ホームセンターなどに行くと、よくブッダの頭部などが売られていて、それがまるで生首みたいに庭に置かれていてぎょっとすることがある。そういうのも、なんらかのレイキ的なものを期待してのものなのかもしれないな。
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