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カナダの深すぎる闇

今回の殺人事件に関して、息子とホームレスとドラッグ問題について話し合いました。もちろん、犯人がホームレスだとか薬物依存者と決まったというわけではありませんが、なぜVancouverの一部地域はそんなに治安が悪いのでしょうか?なぜホームレスの暮らしがあれほどまで悲惨なのでしょうか?

もともと、北米はドラッグによる犯罪や貧富の差がある地域でありますが、カナダでは、先住民政策が大きく関わっていました。
ホームレスや薬物依存者に占める先住民の割合が高いのです。
そして、その多くはレジデンシャルスクールや里親に預けられたりして親元から引き離されたりした過去を持っていました。

■ Vancouverのホームレス統計資料(2023年)

PDFですが、Vancouverのホームレスの年齢層や人種、なぜホームレスになったかなどがまとめられています。

chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://hsa-bc.ca/_Library/2023_HC/2023_Homeless_Count_for_Greater_Vancouver.pdf


■ Vancouverのホームレス支援


先住民は、さまざまな社会的理由から犯罪に巻き込まれやすい環境にいると考えられます。そして、なぜ犯罪が起きてもなかなか解決しないのでしょうか?

息子は、Red Dress Dayの例を挙げました。
Red Dress Dayとは、行方不明になったり殺害された先住民の少女や女性、Twio-spritの人々を偲ぶ日で、赤いドレスがその象徴となっています。
 冒頭の写真:BC州の声明より引用


日本では、ホームレスや薬物依存は個人の責任とされますが、カナダでは違います。自分ではどうすることもできない社会的偏見や生育環境によって、弱い立場にいる人たちが、犯罪の被害者になるケースが多いようです。負の連鎖と言いますが、虐待を受けて育った親が自分の子供を虐待してしまうようなことが起きていると考えられます。そして、その連鎖からなかなか抜け出せない、弱い立場の人たちにつけこむ人たちがいるわけです。しかも、被害に遭っても助けてもらえないことがあるわけです。

カナダの犯罪やホームレス問題は、薬物がからむために、解決は非常に難しいと思われます。しかし、華やかなVancouverの道端に横たわるホームレスや物乞いの人々を興味本位で見るのではなく、その人たちの背景や支援について関心を持ち、彼らの人間としての尊厳を大切にできたらと思います。

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