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映画 ボルケーノを見て日本の火山を考える(ネタバレあり)

地震情報を見て知ったのですが、BC州で地震がありましたね。
カナダは地震や津波が少ない国ですが、実はカナダ西海岸は環太平洋造山帯に含まれるので大地震があってもおかしくないんです。
クライアントのお父さんには、よくEarthquakeやTunamiについて質問されます。経験したことがないので、想像がつかないそうです。
「日本って地震はどのくらいの頻度であるの?」
「ほぼ毎日です」
「!」
みんな、あり得ない!というリアクションです。
体感ない地震も含めると数えきれないほど起きているでしょうね。

隆起した火山岩だと思われる(Tofino近隣の海岸)

というわけで、ロサンゼルスの地下に火山があって噴火してしまった!というパニック映画です。
1997年公開のハリウッド映画。
トミー・リー・ジョーンズ主演。

90年代は毎週のように映画を見に行っていたけど、これ、なんやかんやで見てなかったので見てみた。

まあ、ね、火山や地震の多い国に住んでる日本人から見たら、火山の描写がだいぶ大人しいな。
ハワイとかアイスランドにある楯状火山の噴火(溶岩が地表の割れ目から流れ出すという噴火)という設定みたいね。
ロスあたりに火山があったとして、玄武岩質のマグマでいいのか。絵的にハワイの噴火なんかがパニック映画っぽいから採用かな。

ほんとに危険なのは、北海道の有珠山みたいに粘り気が強い溶岩の噴火です。楯状火山が、噴火のエネルギーを小出しにして穏やかに噴火するのに対して、有珠山型の火山は爆発的に噴火して、火砕流が一気に流れてくる。(ちなみに溶岩は流れて来ない。)
そして、ものすごい噴煙が上がって火山灰というか、石が降ってくる。空が真っ暗になったあと雨が降って来て、今度は降り積もった火山灰が雨で流されて泥流が起きる。
・火砕流 秒速100m
・泥流 秒速40mだそうです

ボルケーノでは、噴火が起きてから逃げるのに結構時間の余裕があるし、めちゃくちゃ熱い溶岩のそばで作業してても火傷してない。地下に調査に行くのに、防塵マスクも酸素もない。降り注ぐ火山弾の下、主人公だけは不死身という、ダイ・ハードを彷彿とさせる描写。さすが、90年代。

溶岩が流れて町を飲み込んだり、熱に耐えきれなくて構造物が崩壊したり。街を救うために、高層ビルをダイナマイトで倒壊させて溶岩の流れを変えるというシーンがありますが、911のニューヨークを思い出させられます。あのときは自然災害ではなく、人間が街を壊滅させてしまったのでした。自然災害も怖いが、人間がやってることはもっと怖い。

2000年の有珠山噴火の際、国道付近に火口ができ、数十メートルも隆起した。また、熱泥流が洞爺湖温泉街へ迫ったが、すでに全住民が避難していたため人的被害はゼロだった。これは、有珠山という火山が20-30年周期で噴火を繰り返してきたことから、噴火の予知や避難体制が整っていたからだそうだ。私は1977年のときも2000年のときも近くにいなかったのだが、後で噴火現場を見に行ったところ、かつて通ったことがある道が跡形もなくなっていて地形も大きく変わっていたのを見て驚愕したものだ。あれから、23年。そろそろまた噴火するかもしれないな。

映画、ボルケーノ、あり得ない設定やシーンがありますが、娯楽映画としては面白い。宇宙人ジョーンズでお馴染みのトミー・リー・ジョーンズが大ブレイクしていた時期の作品です。

タイトル写真は、登別温泉地獄谷。(支笏洞爺国立公園に含まれます)この温泉は、種類が多くて泉質も良い。まるで温泉のデパート。温泉好きなら絶対オススメです。間欠泉や、実際に温泉が湧いている地獄谷の見学もできますよ。


間欠泉。鬼の太鼓の音がドコドコ聞こえてきます
ここに落ちたら死ぬと思う
温泉の湖(入れません)
ここは自然の川にある足湯


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