見出し画像

Polyethylene Glycol という下剤

ポリエチレングリコール。これって、下剤なんだ・・・
クライアントの経腸栄養剤に毎日混ぜて投与している。日本であまり聞いたことがない薬剤なので、そういう風に使うもんだと思って1年以上やってきたが。あれあれ?

最近、よくよく調べてみたら「モビコール」という日本では比較的最近使えるようになった下剤と同じ成分だった。さらに、腸管洗浄剤(大腸内視鏡検査の時の前処置に使う)ニフレックやモビプレップにも含まれていた。有効成分としての記載がなかったから知らなかったよ。まずいと評判のニフレックか・・・随分溶かしたなぁ・・・モピプレップなら飲んだことがあるけど、あれを2Lとか、患者さんご苦労さまです。

日本で下剤といえば、酸化マグネシウムやセンノシドが一般的だと思う。ラキソベロンっていうのもあったな。ポリエチレングリコールは、欧米では下剤として結構普通に使われているらしい。逆に、酸化マグネシウムは一般的ではなさそうだ。カナダではマグネシウムは「精神を安定させるサプリ」としての位置づけらしい。「CALM」というでっかい容器に入ったサプリがあるんだが、そういう意図らしい。

それは、さておきポリエチレングリコール、経腸栄養に混ぜて投与していいのか?という疑問が。
最初は、熱湯で溶かしていいのかなー?と思っていたけど、それを濃厚流動食に混ぜておよそ20時間で投与する。飲み物に混ぜてもいいって書いてあるけど、人工乳に混ぜたときは20分以内に投与してって書いてあるし。成分が変化して効果が無くなりそうな気がするが。経腸栄養は、調整後24時間は常温保管可能とDietitianに言われてるんだけど。

当然、薬剤師の指導のもとに使っているんだと思うけど、大丈夫かなぁ???経腸栄養には塩も混ぜるなって各文献に書いてあるんだけどな。

クライアントは、午後になるとお腹が張って、嘔気が強くなる。これって、PEGのせいだったのでは???

何年もこのやり方で排便コントロールをやっているので、今更とやかく言うつもりはないが、やっぱりカナダの医療ちょっと怪しい。

ちなみに、ポリエチレングリコール、なんだか懐かしい響きだなと思ったら、考古学でよく使う薬品だった。遺跡から古代の木製品などが出土した際に、保存のために使う、これと下剤が同じものだったんなんてなんだか不思議だ。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?