おとぎの国のようなホスピスに泊まる
バンクーバーに、子どものためのホスピスがある。レスパイトケアも提供しているため、今回お母さんに代わって付き添っている。
まるでお城だよ、と言われてきたけど、本当にそうだった。
寄付で運営されていて、利用料は無料。24時間看護で、ペイントや遠足などのアクティビティも毎日提供される。家族の宿泊、3食の食事もすべて無料。
ホスピスの周辺は、全て森に囲まれたプール付きの豪邸ばかり。
もっと病院みたいなところかと思ってたら、家みたいな作り。建物は100年以上経っているから、文化財みたいな感じ。
受け入れてる子どもは、2、3人。家族も数家族しかいないのだが、ボランティアは毎日いて、読書や遊び相手などしてくれる。
少人数の利用者に、至れり尽くせり。
寄付の力ってすごい。
あちこちに子どもたちが描いた絵や作品が飾ってある。アクティビティの写真もあり。ただ、この子達の何人かはもうこの世にいないのかもと思うと、せつない。
マントルピースの上には、この施設で最後の日々を過ごした子の名前が飾ってある。寄付者の中には子どもを亡くした親の名前もある。
医療的ケア児の家族の苦労は想像を絶する。この施設は、素晴らしい庭と静かな環境で家族の心も癒してくれる。
超豪華なのに利用料無料、こんなことが実現可能なのも、桁外れの金持ちがいて寄付も桁外れの欧米ならではだろう。
大変残念なことに、クライアントは19歳になるため、もうこの施設を利用することはできない。最後の滞在になるのだ。
いくらカナダでも、大人のためのレスパイトは、あまりなさそうだ。
最近は、シリンジや栄養チューブの供給も滞っているのに、違う世界もあるんだな、というお話しでした。
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