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てんかん発作のトリガー(A trigger of seizures)

今日も眠い。朝からどんよりしている。写真は数日前のきれいな夜明け(といっても朝8時頃)

発作は夜起きる。前兆は特にない。

息子を学校に送り出すために7時起き。弁当は昨日の残り物の麻婆豆腐を冷凍ご飯。まだ暗い中、文句を言いながら息子がスクールバスへ。もうすぐ冬至なのでまた日が長くなる。少しの辛抱だ。

一眠りしたかったが、7時から勤務の同僚に昨夜の申し送りをする。色々相談することや介護方針の行き違いに対する愚痴があって、眠れなかった。
私達のシフトはちょっと複雑で、夜勤のナースは派遣会社から来ていて、日勤もしくは準夜のケアギバーは直接雇用だ。夜勤ナースは最低限のことしかしないので、眠剤や日中のアクティビティなど細かいことは日勤の私達とお母さんとで相談する。

てんかん発作のコントロールと発作(Seizure)が起きたときの対応が最も重要なのだが、ドラベ症候群(Dravet Syndrome)の発作はありえないぐらい頻回で、正直トリガーも特定しづらい。人によっては、光刺激や温度変化、模様のパターンなどで発作が起きることもある。私のクライアントは、夜間、睡眠不足、生理(ホルモンバランス)、感染(膀胱炎や風邪など)、熱、暑さがトリガーとなる。しかし、CBDを使用するようになってから発作回数が激減し、今は大発作(てんかん重積 status epilepticus)は夜間にしか起きなくなっていた。日中は、滅多に起きないしあっても1分以内で終わり投薬や酸素投与も必要ない。

*CBDについて:cannabidiol 大麻由来のオイル。CBDのみなら日本でも合法だが、THCが含まれると非合法となる。カナダは薬物乱用者が多すぎてコントロール不能になったため、娯楽目的での大麻使用も許可されることになっている。日本でもてんかん治療薬としてCBDの認可が勧められてきているそうだが、わたしのクライアントはCBD単独では効果はなく少量のTHC成分を含まなければ効果はなかったそう

ところが、お母さんが海外旅行に行って不在中に、ミュージカルの発表会があったり、お父さんが面倒を見る時間が増えたりしてクライアントのテンションが高い。入眠困難や、睡眠時無呼吸(Sleep Apnea)もあってますます睡眠不足+おそらくそれがトリガーとなっていつもよりも発作の回数が多い。

昨日もお父さんの予感が当たって、てんかん重積に近い発作が起きてしまい、酸素投与してミダゾラムを使う寸前まで行ったのだが、鼻にスプレーしようとしたら発作が止まって目があってニッコリされた。その後、深夜の看護師と交代したのだが、やはり後で発作が起きてしまったそうだ。こちらは5分以上続いたのでミダゾラム投与となった。てんかん重積発作が2日続いたので、ナースはミダゾラムの使用頻度について疑問をいだいた。月に何回まで?投与間隔は何時間?BC州のガイドラインだと1ヶ月に投与できる回数はMax5回だという。うーん。ミダゾラムの在庫が10本以上あるから、上限あるなんて考えもしなかった。過去には、数えきれない回数の発作があったそうだし、発作止めないと呼吸停止しちゃうからな。

日本では、ブコラムという口腔内投与のミダゾラムが認可されて家庭で使用可能だという。そちらも見てみたが、月に何回とか頻度の記載はなかった。日本の場合、すぐに医師が対応してくれるから医師に相談すれば済むのだろう。こちらは、救急車は来るけど、病院は遠いし専門医のいる病院はバンクーバーまで行かないとない。ちょっと簡単に病院に行ける医療環境じゃないな。

Circadian rhythmに関しても、日勤で整えようと頑張ってるけど、ミダゾラム使ったり、不眠のときは深夜にChloral hydrateを投与しちゃったりして朝起きれなかったり、日中傾眠だったりする。で、朝カフェインを投与したりする。すると、今度は夜寝れない。
眠剤(メラトニン、ベナドリル)→効かない、よく寝れない→覚醒悪い→朝カフェイン→傾眠→夜覚醒→眠剤(強いやつ)→残眠→カフェイン・・・悪循環でしかない。
お母さんの判断で、昼近くまで寝かせている日もあって、当然夜更かしになる。いつまでたっても、サーカディアンリスムが確立しない・・・

最近の発作の原因は不眠だと思われるので、よく寝てもらいたい。これは、永遠のテーマ。

だが、家族の都合もあって就寝時間が早い。
両親とも、それぞれの家族と夕食時ゆっくりする時間が欲しいのだ。
その気持はすごくわかる。
みんな、もっと就寝時間を遅らせれば?というが、その分誰かがつきっきりでそばにいなければならず、イブニングケアを誰がやる?ってなる。そうなると、お父さんは絶対やらないからお母さんのプライベートの時間が減る。

私は、早く起こして早く寝せたい派。
おかあさん、遅く起こして早く寝せたい派。
おとうさん、ケアはしないけど、夜は遅くまで起こしておきたい派。
同僚、早く起こして遅く寝せたい派。
おいおい、全員違う。

こうして、Seizure controlは混迷していくのであった。



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