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在宅のケアプランがなかったけど、もう驚かない

今回の脱臼の件を契機に、股関節脱臼防止のために具体的な指示があるか再確認、小児整形外科医より「股関節を90度以上曲げない」との指示のみ。
(*心の声:在宅だし歩行することがないので、こんなもんか。)
その他に、エクササイズやアクティビティに関してのケアプランはあるのか確認。「なし。今まで通りで良い。両親以外にプラン作成に関与している人間はいない」

日常のケアに関しては、ルーティンがある。長い経験の積み重ねがあるため、ケアプランがなくても、ケアの目標や目的は概ね妥当だと思われる。(個人的には廃用症候群予防や、嚥下、呼吸リハの部分が弱いかなと思うけど)
知的発達に関しては、諦めてるように感じる。障害の性質上(言語の理解がないため)話せるようになることはないと考えられるが、Yes,Noの意思表示はできないが、眼の前で2冊の本を示すと、目線で読みたい本を選ぶことができるということがわかった。これは、学校で数年に渡りEyegazeというデバイスを用いてタブレット上の絵本のページをめくる訓練を繰り返していた成果だと思う。劇的な発達は見込めないにしても、少しでも意思疎通が図れるようになれば状況は変わるだろう。

学校のケアプランに関しては、以前見たことがあるが相当シンプルなものであり、発作時の対応のほかに、(首が左向きになりがちのため)首を右に向けるようにする、他の生徒とコミュニケーションを図るといったものだけ。リハビリやエクササイズのプログラムはない。それも、一旦学校を卒業してしまうと重度心身障害者に適応するプログラムがないらしい。

クライアントのEducational Assistantにケアプランと政府によるサポート体制がどうなってるか聞いた。彼女は、別の障害児の担当もしており、学校、病院、リハビリなど全てが縦割りになっていると話していた。ケアマネみたいな人はいるらしいが、1年に1回の介入とのこと。そして、在宅で介護しない場合は学校を卒業したら障害者用のグループホームに入ることになるだろうとのこと。

親としても、将来のことを悩んでいるところだろうが、何しろ病気になってからというもの命を救うことが最優先で、今まで必死に走ってきたのだろう。CBDという大麻由来のお薬のおかげで症状が劇的に改善し、今はかなり落ち着いている。発作をコントロールしつつ、家族と本人が望む生活が送れるように支援していきたい。

本来ならば、医療的ケア児の在宅介護に関して日本でいうケアマネみたいな人がいるはずなのだが、介入していない。想像なのだが、必要性を感じていないか、(なんでも時間がかかるカナダ的な事情から)実際あまり役に立たないので頼んでないのだろう。

ケアプランを私が作ってもいいのだが、ケアプランとはどういうものなのか説明するところから始めなければならない。しかも、私が想定してるケアプランは看護計画も含んだトータルなものなので細かい。でも、自分がこっちのHCAコースで習ったケアプランは
「1. 安全に移乗する。2人でシーリングリフトを使用して介助する」
「2.転倒しない。ヒッププロテクターを装着する」
以上!
みたいな、超シンプルなものであった。
健康の4側面もない。実習のとき、ちょっと細かいケアプラン(といっても、5,6行)を提出したら、1,2行でいいって言われたんだよなぁ。
だから、いわゆる日本の看護計画みたいなのを作ったらボリューム多すぎて「無理」って言われそう。

■ 日本の重度心身障害者支援計画
chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/0000099398.pdf

目標の設定もやや時間をかけて行わなければならないだろうなぁ。人生の目標とは? それは、私自身にもわからない。とりあえず、気になってるのは関節拘縮や誤嚥性肺炎、コミュニケーションの部分かな。現在のところ、話しかける、歌を歌う、踊ってみせる、絵本読み聞かせぐらいしかやっておらず、知的発達を促すような介入はほとんどしていない。(だいたい、毎日同じTVアニメ見せて座ってるだけで時給25ドルとかおかしいだろー!でも、それが一般的なケアギバーの仕事らしい)
この辺の懸念を英語で説明できるようにして、両親と相談してみよう。カナダは日本とは全然違って、医療従事者主導ではなくて、本人や家族が中心。日本だと医師や看護師が言ったことに患者が従って当たり前。(でも、患者中心とはいえ、頼めばスタッフがやってくれるかどうかは別。人手不足だったり、交代時間だったら体交もしてくれないのが現実。)

自分には、重度身体障害児のケアの経験はないのでほとんどゼロからのスタートだ。幸い、ネット上にはたくさんの情報があって、とても勉強になる。
日本でも、重度身体障害児の在宅ケア支援があまり十分ではないと思っている。日本と海外の両方を参考にして勉強していきたい。

例えば、こんなサイトも

どうしても、long-term careというよりは救命や医療的ケア中心だけど。

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