アマゾンの熱帯雨林へ行った時のこと
コンサベーション・インターナショナル・ジャパン
テクニカル・ディレクター 浦口あや
CIに入って14年が経ちました。その間、観光旅行では行くことのできない、さまざまな場所を訪れました。
「どこが一番良かったですか?」と、しばしば聞かれます。
すべての場所に思い入れがあります。繰り返し訪れて同じ顔に会ったときの喜び、文章やデータを通じて詳しくなった場所に初めて行ったときの感慨、森林破壊の現場を目の前にしたときの切迫感と切なさ、荒地が木々に覆われるのを見たときの喜び。
それでも、別次元で心に深く残るのは、2017年に訪れたアマゾンの森です。
何度も飛行機を乗り継いでたどり着いたブラジル最北のアマパー州。さらに何時間も車で移動し、最後にボートで3時間以上川をさかのぼって、ようやく着いた場所にCIが建てた調査拠点の施設がありました。
目に入るのは、ゆるやかに流れる川と深い熱帯雨林だけです。自家発電機が止まった月夜、そして徐々に夜明けが訪れる頃、外にじっとしていると、周囲にいる無数の生物の中に自分が溶け込んでいくような、不思議な安心感に包まれました。人間対自然ではなく、あまたの種の一つとして受け入れられた心地よさ。
これから何世代も何十世代も続くであろう(続いてほしい)将来の世代に、こういう場所を残したい、残さなければならない、と心の底から思いました。
Happy Amazon Day.
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