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『家族信託』の事例研究をつくっていたら、「リア王」が思い浮かんだ

『家族信託を考える』シリーズで取り上げている、とある家族の事例は、
全くのフィクションですが、それをつくっているときに、ある物語を思い出しました。ということで、今回は、「家族信託」とは直接関係のない番外編をお届けします。

思い浮かんだ物語というのは、あのシェ―クスピア作「リア王」です。
シエイクスピアの四大悲劇中最も壮大な構成の作品ともいわれる「リア王」ですが、その物語は人気も高く、舞台は、もちろんのこと、オペラ化も、映画化もされています。あの黒澤明が、「リア王」をベースに『乱』を制作したのを、ご存じの方も多いと思います。

それだけ、「リア王」は、現世の不条理を深く描き出している作品なのだと思います。地位も権力もあった「リア王」を待っていたのは、部族社会の長老としての尊厳ある死ではなく、自分がした選択が不調和をもたらし、狂気のうちに死にいくという、悲劇的な結末でした、しかし、そこが今でもわたしたちを惹きつける物語の魅力なのではないでしょうか。

この事例の「とある家族」の祖父は、自分勝手な老人ではありませんが、自分を顧みない次男や三男には、財産を渡したくない。世話になる長男に託したい。と言いながら、長男の嫁については、具体的には何も残そうとしていません。障害を持つ孫を心配しつつ、優秀な孫はかわいいという、ありがちなエゴを隠すこともしません。
85歳とは言え、まだ達観の境地にはほど遠い老人として設定しました。

さて、その祖父の財産の安全と幸せはどうのように実現するのでしょうか?また、そんな親を持つ長男には、どのような問題が待っているのでしょうか。この事例では、長男が自分の相続について考える続編も待っています。

あくまで、これは事例研究ではありますが、ドラマのような側面もあるので、ぜひ背景を想像をしながら、読んでいただければと思います。

                          つづく

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