ネガティブスプリット←黙っとけw
こんにちは、もといです。
皆さん走ってますか?筆者は2022年4月に「かすみがうらマラソン2022」(通称かすマラ)というマラソンを走ってきました。かすマラは筆者が勝手に言っている略称ではなく、公式です。かすマラてw
例によって筆者の記録自慢がこの記事の主題ではなくて、今回は「ネガティブスプリット」という概念について考察します。
1. ネガティブスプリットとは
「ネガティブスプリット」という言葉を初めて聞いた赤ちゃんランナーのために説明しておくと、フルマラソン(42.195km)のうち、前半ハーフのタイムよりも、後半ハーフのタイムの方が短いことをネガティブスプリット、と呼んでいます。逆に、後半ハーフのほうがタイムが長くなることをポジティブスプリット、と呼びます。
前半で力を使い切って後半で走るペースが落ちるとポジティブスプリットになり、前半で力を貯めに貯めて、後半でペースを上げていくとネガティブスプリットになる、というような概念です。
筆者はこれまでのフルマラソンすべてがポジティブスプリットの記録になっています。例えば、今回のマラソンでは
前半ハーフ: 1時間48分01秒
後半ハーフ: 1時間54分40秒
というスプリットだったので、+6分39秒のポジティブスプリットだったことになります。
普通に考えて後半はペース落ちるだろって思いますよね。多分マラソン経験の有無にかかわらず。
しかし、世の中にはネガティブスプリット理論というものがあって、多くのマラソン解説者が、アマチュアランナーこそネガティブスプリットを目指すべきだ、というナゾ理論を提唱しています。
じゃあどのくらいのランナーがネガティブスプリットで走れてるわけ??? とひねくれものの私は気になってしまうわけです。いや、たぶんここまで記事を読んだあなたも気になっていることでしょう。
ということで、かすみがうらマラソンの走者およそ10000名の全データを解析してみました。データ大好き♡
2. データで見る「かすマラ」
まずは、走者のヒストグラムです。
左に行けば行くほど早いランナーで、棒の長さはそのタイムの人数を表しています。前のマラソン記事でもそうだったんですけど、3時間、3時間半、4時間、4時間半のあたりに鋭いピークが経っていて、この辺を目標にしているランナーの多さがわかる図になりましたね。
肝心のネガティブスプリット率ですが、少なすぎませんか?笑
マジで一部しかおらんやん!と、このグラフを見て仰天していました。
まぁフルマラソンの後半でペース上げれる生命体なんて、どう考えても人間じゃないのでこんなものかもしれないですが。3時間~4時間 あたりの完走タイムにネガティブスプリッターがやや集中して見えてはいるので、一部のエリートランナーは後半のペースアップを意識して走ってたりするんですかね?漢なら前半から責めて走れや!と、筆者もここで対抗ナゾ自説を入れておきます。
ヒストグラムだとネガティブスプリットの度合い、つまりどの程度のネガティブ(またはポジティブ)スプリットなのか?という情報が抜けています。-10秒のネガティブスプリットと、-10分のネガティブスプリットはインパクトが全く違うので、その辺も加味した図が作れないかな~と思って、次の散布図を作りました。
横軸は先ほどと同じで完走タイム、縦はスプリットの差分で、下に行けば行くほどネガティブスプリットとなっています。各ランナーのそれぞれのデータをプロットしています。紫はポジティブスプリットのデータ、緑はネガティブスプリットのデータです。
完走タイムが良いほどイーブンペースで走ってることが良く分かる図になりました。まぁそれは当然なのですが。
この紫と緑の分布を眺めていて、ネガティブスプリットで走れればそりゃあ理想だけどさ、みんなそううまく理想通り走れないよな!という極めて当たり前の感想に至りました。
というか、緑のネガティブスプリット分布よりも、紫のポジティブスプリット分布の方に興味が出てきました。20分を超えるような長大なポジティブスプリットになってる人多すぎん?笑
+6分のポジティブスプリットだった筆者でも、体感的には後半で信じられないぐらいペースが落ちてしまったように感じられました。大多数はそれをさらに上回るポジティブスプリットになっているので、フルマラソンをイーブンペースで走るということがいかに難易度が高いか、ということを如実に物語っている分布になっている、と言えます。
3. 黙っとけ
上の二枚の図は、前半をオーバーペースで走ってしまうランナーが多すぎることを示している、と筆者は解釈しています。
筆者のマラソン経験も踏まえて書くと、オーバーペースになることがわかっててもゆっくり走れないんですよね。前半をゆっくり走れと主張するネガティブスプリット理論、勉強しなさいとうるさい母親みたいな鬱陶しさがあるような気がしています。そんな正論で図星を突くな、と筆者は口答えしたい。
とはいえ、前半がオーバーペースということは、後半で地獄をみるということでもあって、それは上の図からも読み取ることができます。
足が全く動かないのにあと20kmもある、みたいな絶望を味わっている人がこの図の四角の中にいる人たちなんだと思います。この中の人たちは本当によく完走したと思います、おつかれ。
マラソン辛そうだし嫌だなぁと思ってる方、こんなにも地獄の苦しみを共有できる仲間がいるって素晴らしくないですか?尿管結石になった人達が、激痛に耐え抜いた仲間として謎の結束力がある、みたいなやつ、憧れます。
ということで、この記事を読んだ人が一人でもマラソンに興味を持ってくれればいいなと、夢想して終わりとします。
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