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自分史 自業自得と時々外されちゃう梯子⑤

この記事は続編です。ここに至る経緯はこちら
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今日も今日とてこんにちは。今現在も勢いに任せて書き溜めてはいますが、まだ終わりません。そこから不要な部分、分かりずらい部分は修正、削除しようと思っていますが、これがまたなかなかな重労働です。
今回は割と軽めな?高校生時代「みっともなくフラれる編」です。
本日もお付き合いください。

高校生時代 みっともなくフラれる。(2900字弱)

今でもあまり色恋沙汰には縁がないが自分の愚かしさを呪ったエピソードを語ろう。
登場するのはIさん、Nさんの二人の女子とT澤君の一人の男子。

登場人物

▼Iさん 卓球部部長。 実は小中学校が同じ。身長が低くて、小型犬みたいな、それでいて人に媚びることのないかわいらしい女子。桜庭ななみさんと南沢奈央さんを足して2で割った感じ。目立つことをする方ではなかったが、陰ながら男女共に人気があったのは間違いない。

▼Nさん 文化部。Iさんと同じくらい小柄で顔立ちもすごく整っているのに、秘めるエネルギーは計り知れない不思議女子。運動はそれほどだが、学力はトップクラス。しかし、どこまでいっても変人。いや、変態だった。

▼T澤君 テニス部。 サンドウィッチマンの富沢さんを少し細くして、目力を強くして、長髪にすれば出来上がり。 

僕たちにも必死に部活に打ち込む日々の中で、色恋沙汰でざわめき出す時はやってくるわけで。2年生の僕にもそれは突然やってきた。

Iさんとは小中学校は同じではあったが、それなりの仲だった。実は野球部内でも話題に上がることがあり、隠密に情報収集を頼まれることもあった。そうして改めて意識した途端、自分では否定していたけれども、きっと好きになっていたのだと思う。当時はごりごりの童貞だったので、ちょっと笑顔を向けられたとかそんな些細なことで好きになっていたのだ思う。

当時Iさんとそこまで深い中でもないので協力者が必要だった。
そこで同じクラスのNさんに協力を頼んだところ、快諾してくれた。

なぜNさんかというともちろん理由があった。
Iさんは本当の意味での友達自体は少なかったが、その少ない友達の中にNさんがいたのだ。相談もたくさん乗ってもらったし、良い子なのは間違いないのだがその代わり、変態が過ぎる。

きっかけは僕のIさんへの気持ちを話した際にNさんが秘密を暴露してくれた。

普段はクールなのに男の僕が聞いても引くほどにエグイ下ネタ話が大好きで、イヤらしい意味ではなく変な気持ちになったことは否めない。
それからある程度の期間は、気を利かせてIさんと仲良くなる手伝いをしてくれていた。次第にNさんの協力なしでもIさんとの関係は安定してきた。

Nさんと仲良くなって、助言や協力をしてくれるようになってある日。僕はIさんに告白しようと決意したことをNさんに告げた。しかし、今にして思えばNさんはえらく歯切れが悪かったように思う。それでも最後は背中を押してくれた。

僕とIさんは自転車通学で通学経路はほぼ一緒だった。僕の方は部活がハードで、月曜日のみオフ。それ以外は21時過ぎまで毎日のように野球漬けだったので、Iさんとはなかなかスケジュールが合わない。

はずだったのだが、部活帰りにばったり会う機会があった。
時刻は22時前。体育館の部活は、遅くても20時には帰宅しているはずなのに変だなとは思ったが、そのまま勢いで告白してしまった。

正直、この時のすごく困ったIさんの顔は今でも鮮明に思い出す。

この時初めてIさんに彼氏がいることが分かった。


彼氏と会っていたのか、それともNさんが気を利かせてくれたのか。なぜ、そんな遅い時間にIさんが通学路にいたのかは当時の僕には分からなかった。
まだ付き合って2週間らしい。Iさんが密かにずっとアプローチし続けていた相手なのだそうだ。T澤君だ。そんな相手がいることも知らず、残ったのは惨めな気持ちだけ。

兎にも角にも、僕の初恋っぽいものはそこで終わりを告げた。

後日談になるが、Nさんが謝ってきた。本当は全て分かっていたけれど、言い出せなかったそうだ。Nさんのことは責められない。

そして、Nさんから暴露があった。
実はNさんの恋愛対象は女性なのだそうだ。男性を好きになったこともあったらしいが、どちらかといえば女性のほうが好きらしい。
そして、Iさんのことも対象として見ていた時期もあったがT澤君とのことで長い間、Iさんの相談に乗ってきたこともあって、Iさんにはカミングアウトしないことに決めていた。そんな時、僕からの相談があり、以前からのT澤君の態度を見かねたNさんが協力を快諾してくれたということらしい。NさんもIさんの幸せを願ったということだろう。


さらにもう一つ。

IさんとT澤君が別れたそうだ。まだ2か月ぐらいしか経っていないのに。T澤君が飽きてしまったそうだ。今風に言うとヤリ捨てだ。

ここで話を盛るなら、かっこよく教室に乗り込んでT澤君を殴りに行きたいところだが現実にはそうはならなかった。怒りを覚えたのは確かだが、僕は第三者だ。T澤君と親しいわけでもない。いろいろ理由をつけて飲み込んだ。飲み込んで忘れようとした。

それから僕とIさんは高校を卒業し、直接会うこともなくなった。Iさんは地元のケーキ屋さん就職した。制服が似合いすぎて怖い。僕とNさんは大学に進学した。T澤君は専門学校へ進学したそうだ。そして、実はNさんとは大学というかキャンパスが一緒だった。Nさんはものすごく偏差値が高い何しているのかよく分からない学部、僕は社会学部系。入学して1年が経とうという頃、僕は車で通学していて、その道中にはIさんの職場があった。たまにこっそり覗くと忙しなく仕込みをしているIさんが見えることもあった。しかし、ある日から姿が見えなくなった。それからほどなくしてIさんが子供を授かったとNさんから聞いた。父親はT澤君らしい。籍は入れていないし、認知もするつもりがないらしい。Iさんはシングルマザーになってでも生むつもりのようだった。そこからは僕は考えるのは止めた。決してそのあとNさんがしてくれた女の子を紹介してくれるという話に興味を取られた訳ではない。断じて。

無理やりIさんを奪ったとして、僕は一時的に満足するかもしれない。
では、僕と一緒になったIさんは?

はたから見たらひどい扱いを受けているように見えるIさんも実は今幸せなのだろうか?

好きとは、幸せとは果たしてなんなのだろうか?
やっぱり第三者には分からない。
それでも、僕が抱いたIさんへの想いはやっぱり好きということなのだと、そう信じたい。
そういえば、大学で出来た友達に無理やり取らされた哲学の講義があったな。真面目に受けてみるかなんて考えていた。

Iさんの子供は今はもうきっと小学生だ。
今はIさんと子供の幸せを願うばかりだ。

大学を卒業してからは、Nさんとは直接会うことも連絡を取り合うこともしていないけれど、ツイッターで彼女が出来たという呟きを見かけた。それから何年か経っても関係は続いているようだ。
Nさんは信頼できるパートナーを見つけたようだ。
友達が幸せになるのは素直に嬉しい。陰ながら応援したいと思う。

つづく

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