友達の話

今見ているドラマに出演している俳優さんが、SNSで寄せられたファンの質問に答える「質問返し」をやっている。
好きな映画として、「これを見て育った」と答えている作品。

(この映画、誰か苦手って言ってなかったっけ…!誰だっけ?!)

朧気な記憶を辿ると、それも恐らく最近話した相手。

(え〜〜と、誰だっけ…)
(あ〜!あの子だ!)

2週間前に久しぶりに会った、付き合いの長い友人。
思い出してきた。その映画の多くの人に評価される特徴を挙げて「そこが逆に〇〇に感じられちゃって苦手で…」と言っていたのだった。

皆が名作と賞するその映画に、まさかそんな感想を持つ人がいるとは思っていなかったので驚かされた。

彼が映画やその他様々な作品に対して持つ感想や口に出す考えにはインパクトがあり、会って話した後はしばらく、よく思い出す。
(〇〇って話していたの、誰だっけ…?)現象で思い出されるのは、大抵彼だ。
面白い考え方をするなと、いつも思う。

確固たる自分の考えを持つ彼には、恐らく人より多くのものが見えていて、
私の突拍子もないことを言ったりしたりする面を受け入れてくれる視野と心の広さがある。

「5‪時間くらいかかるっぽいけど、元旦の朝からスカイツリーまで歩こうよ」
「この時代に敢えてアナログのやり取りがしたくなったから、文通しよう!」

だからこそ、
これまで 他の友達にはなんとなく気恥ずかしかったり断られてしまうと思ったりして提案できないようなこんな思い付きにも、いつも平気で巻き込んできた。

私が一生懸命つくった選書のネットショップの商品画像を指さして「これ、画質が荒いよね。作り直した方が良い」なんて辛辣なことを言いながらも、
選書のことも、喫茶店をはじめることも応援してくれている友達。

もしかして、読んでくれたりしていますか?
また落ち着いたらご飯でも行こうね。

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