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石臼で餅つき [2023年末]

たぶん2018年くらいから年末に石臼で餅つきをしている。
もともと餅つき機でついた餅を食べていたところに、
私が祖父母から譲ってもらった石臼を持ち込んだ。
手間はかかるけど、やんややんやと餅をつく。

京都の祖父母宅の納屋に眠っていた石臼。
杵と、せいろ、大きなざるも、一緒に持っていけと言われ積み込んだ。
もともと私はもち好きで、臼と杵での餅つきもずっとやってみたいと思っていた。

もう数年やって慣れてきたけれど、
楽しく忙しい、我が家の餅つきについて記録。

杵の準備。

でかい衣装ケースに水を入れて。ペットボトルを乗せて重石にしておく。

前々日くらいから、杵を水に付けておく。
杵が抜けるのを防止するらしい。
重たい杵がもしすっぽ抜けたら一大事。

私がもらったのは写真手前の大きな杵ひとつ。
まんなかふたつの小さい杵は、あとから買い足した。
奥のまたりっぱな杵は、今回追加された。

もち米の準備。

前日の朝、洗って水に浸けておいた。
1.5升をふたつ。のし餅にするのと、すぐ食べる分とで2回つく。

当日はひたすらにお湯を沸かす。

石臼でやることになった最初の年、
地域の餅つきなどもやっていた義兄が言うには、
とにかく湯を沸かせと。
お湯?何に使うの?と最初はちんぷんかんぷんだった。

餅米を蒸したり、手返しだったりにも使うけど、
まず石臼を温めるのが一苦労なのでした。

温めて使うものとは知らなかったけれど、
冷えていると餅がくっつくし、うまくつけない。
早い時間からお湯を入れ続けることで、石があったまる。

これまでは、電気ポットとIHで鍋やヤカンで次から次へとお湯を沸かして、石臼にほりこんでいた。

おくどさんの登場。

今回は、使わなくなったおくどを譲ってもらいデビュー。
大鍋で、薪で、がんがんお湯を沸かす。
ホースで水も引いてくるからラク。

木のフタもめっちゃいい感じ。

でっかい柄杓で臼にお湯をいれて、
お湯が冷めたら掻き出して、また熱々のお湯を入れる。
その繰り返し。
冷え冷えだった石臼が、だんだんと温まってくる。
あったかいねえと手のひらで触っていられるくらいは、まだまだ。
おお、熱いわ!ってくらいまで温める。
(とはいえ、さわれるくらいだけど)
それでやっと餅がつける。

餅米を蒸す。

おくどに乗せようかと思ったけど、いろいろタイミング合わずキッチンにて。

このときしか使わない大きなせいろで蒸す。2段。
正解かはよくわからないけど、
米を味見するといつももう少し水分が欲しいような感じがするので、
餅米の上からもお湯をかけたりする。
手返しでも結構お湯を足すから、そんなに米の水分量は気にしなくてもいいのかな。

ちなみに、つく前の蒸した餅米は大人気。
餅米のいいかおりがしてくると、みんなでつまみぐい。

餅にする。

蒸した米を放り込む。
最初はこねる作業。

まずは杵でこねていく。
ぺったんぺったんは仕上げ作業。
杵が4本に増えたので、4人で臼のまわりを回りながら、
餅米を押していく。ここは手早く。
時々杵をお湯につけてしめらせつつ、
手やしゃもじで返したりしながら、
この段階でおおよそ餅にする。

最初のころは、杵が1つしかなかったので、
あとはすりこぎやらで助太刀してみるものの、
なかなか大変だった。

ようやくぺったんぺったん。

仕上げに餅をつく。
さっさとリズムよくやるほうがいいのだろうけど、
年に一度の行事で、子供も混じってやるので、
ちょこちょこ交代するし、わりとのんびりついていると思う。
それでもどんどん餅がなめらかになっていく。

完成。今年はちょっと湯を足しすぎたか、水分量が多め。よくよく伸びる。

餅を食べる。

初めについた餅はのし餅に。
2回目についた餅を、みんなで食べる。
ちぎってお湯に落として、いろんな味で食べる。

定番のラインナップ
・菜っぱ(ゆでたほうれん草にしょうゆ)
・大根おろしにポン酢or醤油
・きなこ
・明太子
・のり(巻く感じで)

変わり種
・ゆであずき
・バター
・もなか皮
・白胡椒にはちみつ

出来次第わーーっと家族でつつくので、写真は無し。

餅つきは楽しい。そして杵つき餅は全然違う。

自分の父の実家である京都に帰省していた子供の頃は、
餅つき機でついた餅を、丸餅にしていた。
ついてすぐの餅をたくさん食べた記憶はあまりなく、
乾いた丸餅をトースターで焼いていた。
私は焼いた餅より、ゆでた餅(全部がやわらかい)が好きなので、
つきたてを食べたいだけ食べられる年に一度の餅つきは、
ずっとずっと楽しみにしている。

そして杵つき餅のおいしさに気づいたのは実は前回。
2022年末は家族にコロナが流行って集合ができず、
人手が足らなかったのでかなり久しぶりに餅つき機だった。

いろんな味で食べるのはもちろんつきたてだしおいしいのだけど、
全然ちがった。
なめらかさ、口当たりが違う。
はっきりとわかる。
杵でついた餅の方が断然なめらかで、よく伸びる。

さらに、年が明けてお雑煮にいれたとき。
餅つき機の餅は、すぐダレて溶けてしまう。
最近そんなことはなかったから、そうか、違うんだ!と
杵つきの餅のおいしさに気付かされる。

今年手でついた餅は、水分量が多めではあったし、
もちろん雑煮で煮込むとダレる感じはあるけど、
しっかりコシが残っていて、時間が経ってもよく伸びる。

磯部焼きにしても、何にしても、
杵でついた餅はその手間の分、本当においしい。

もち米を臼に入れてからは、すぐなんだけど、
前々から道具やら準備して、
朝から臼を温めて。片付けも機械よりは手間。
それでも人手があるうちは、続けていけたらいいな。

おしまい。

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