映画『マダムインニューヨーク』を観て。

ひさびさに映画の感想を少し。アマプラで『マダムインニューヨーク』を観た。インド人の専業主婦シャシの物語。

あらすじ紹介(ネタバレ含みます)

母として日々奮闘する専業主婦シャシは、家族愛に溢れる女性。しかし普段から英語ができないことを娘から馬鹿にされ、絶品料理を作る腕前は認められながらも下らない仕事だと夫に言われ、傷つくシャシ。そんな日々に突如、姪の結婚式の知らせが来て、シャシは家族よりひと足先にニューヨークに行くことに。そこで、シャシは少しずつ英語の勉強を通して、慣れない土地で自分の世界を切り開いていく。そんなシャシの変化と家族愛について考えさせられる作品だ。

感想

印象的だったシーンが2つかある。

①娘が母シャシに学校の三者面談で恥をかかせたと罵るシーン。

私も母をバカにした態度をとったことがあるからとても他人事とは思えず、母の痛みを改めて感じた。家族だからこそ、言い過ぎたり互いを尊重できず、ひどい態度をとってしまうことがあると思う。人を馬鹿にする態度を自分は取らない人間だと思っていても、ふとした瞬間に無意識で出てしまっていることは誰しもあると思う。それに気づけるかどうかが大事だし、自分はそんな嫌な面もあると真正面から受け止める勇気を持つことがなにより改善の第一歩なのではないかと思う。私も自分の最近の言動や態度を振り返って身が引き締まる思いだ。家族だからそれが許されるという考えは甘えだ。確かに私は甘えてた。でもどんなに器の大きな母でも傷つくときは傷つくし、1人の人間なのだということは大人になるにつれてわかってくる。私が将来子育てするときは、子どもは甘えられる時に甘えたらいいという想いは基本にしながらも、家族だからこそ大切にすることを少しずつ伝えていけたらいいなと思う。


②つい、家族より自分のことを優先してしまったことにシャシがショックを受けるシーン。

ある日シャシは、家族でのお出かけを途中で抜け出し、英会話教室へ向かう。その間に子供がケガをしてすったもんだあった。家に帰ってきたシャシはその状況を知るや否や、これまで家族を1番に考えていたはずの自分の変化にショックを受けると同時に、1番大事にしたいことを大事にできていなかったことに気づき深く悲しむ。そんなシーンなのだ。

私はこれを見た時、営業の仕事をしていた時のことを思い出した。目の前の商談に追われて、アフターフォローがおろそかになってお客さんにクレームをもらった時のこと。私は人に対して真摯に向き合い相手の気持ちに寄り添って丁寧に対応できることを誇りとしていたのに、そんな1番大切にしていたことすらできていない状況に唖然とし、自分にショックを受けた。そんなことを思い出させられるシーンだった。


目先のことに囚われて本当に大事にしたいことを見失ってしまうことってあると思う。その時の選択ひとつひとつが瞬間的なものなのか、自分の信念に沿うものなのか、そういう判断軸を持って生きていきたいと思う。


大人になるにつれて、いろんな経験を重ね、共感できることが増えてきた。自分の過去の失敗も、今ならこうするのに、ということもある。大人になるって面白い。映画の感じ方も変わってきている気がする。深まるって、楽しい。



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